「鮨 全国制覇」ということで初の東北地方。
本日は山形県酒田市にある「こい勢」へ。
「こいせ」と読む。
酒田駅からタクシーで10分ほど。
タクシー運転手も名前を知っている程、山形県では大変有名なお店。
1ヶ月前でないと予約は取らないらしい。
だが決して予約困難店というわけではなく比較的柔軟に対応してくれる。
18時に訪問。
店内の雰囲気は高級店というよりかは「昔ながらの街の鮨屋」といった感じ。
大将も愛想が良く雰囲気もいい。
カウンター鮨に慣れてない人も緊張せずに過ごすことができるだろう。
お弟子さんは2人?
お客さんはなんと半分は県外からだと言う。
鮨好きって多いんだな。
握りのおまかせは10貫で3,300円と格安。
つまみはアラカルトだけど大将に何品か適当にまかせることにした。
握りはお弟子さんと二人で握る。
以下、いただいた料理。
生ビール
お通し
サクッと歯切れのいい烏賊は塩辛まで塩分は高くはないが酒が進む当て。
蛸の柔らか煮
皮の部分はプルプルでコラーゲンたっぷり。
そして蛸自体は香りも良くとても柔らかい。
甘めの味付けなので添えられた辛子との相性もいい。
鱈の白子ポン酢
オーソドックスな白子ポン酢。
だけどこの白子のクオリティが非常に高く、トロンと舌を覆い、まろやかさと濃厚さが口内に広がる。
なんて口当たりがいいんだ。
日本酒は山形県「初孫」を熱燗で一合。
ズワイガニの酢の物
蟹、蟹味噌、いくら、キュウリ。
蟹の甘さと酸の掛け合わせ。そこにプチっといくらがいいアクセント。
後味サッパリで特に蟹味噌がいい。
モズク
庄内の地物のモズク。
シャキシャキっとなかなか力強い歯ごたえ。
こちらも酸味が効いてる。
ぼちぼちこの辺で握りをお願いする。
全員バラバラのスタートなので結構大変そうだ。
ガリ
甘さが強く、酸、辛と続く。
甘くはあるが後味キレが残る。
ヤリイカ
サクッとした歯切れのいい食感が特徴。
甘さは控えめ。
シャリは比較的小ぶり。
酒を飲んでる人には小さ目に出しているそうだ。
大き目もできるが酒を飲む自分にはこの位がちょうどいい。
白酢と赤酢をネタによって使い分ける。
白酢のシャリはササニシキ、赤酢のシャリはつや姫。
ホロっと口内で崩れるタイプだが決して握りが弱いというわけではない。
どうやら赤酢は鮪だけに合わせている様だ。
ノドグロ
ノドグロの炙りを塩で。
この店では一番人気の様だ。甘みと香り抜群。
ネタの切り方は、男らしいな。
鱈の昆布締め
梅肉と胡麻。
鱈は爽やかな甘み、梅肉の酸は気にならない。
ガサエビ
地物の海老でガサエビという。
日本海で採れる海老で鮮度が落ちるのが早い為市場にあまり出回らないらしい。
プリっと身も締まっており甘海老よりも甘い。
こういうネタが地方にくる醍醐味だ。
鯛の湯引き
柚子胡椒ポン酢味。
そう聞くと味が強いかもと思うが咀嚼していくと皮付きの鯛の甘みをうまく引き立てている。
ウマズラハギの肝のせ
漢字だと「馬面剥」と書く。カワハギの仲間。
名前の由来は「馬の顔に似ているカワハギ」ということらしい。
ネギと紅葉おろしがのったもので肝はほどよく濃厚。
鰆
脂ものっており、身質がきめ細かくソフトな舌触り。
甘みという点はもうひとつ。
赤身
たまにこうして縦に置かれるから「新ばし しみづ」スタイルなのかなと思ったけど特に統一感ないから意味はない様だ。
インド鮪でねっとりとして酸を感じる。
シャリは赤酢に変わった。
中トロ
こちらも非常にねっとり度が強く甘みも凄い。鼻から抜ける香りも強めでシャリとの調和もいい。
やっぱりこのパンチのあるネタなら赤酢だよね。
馬糞雲丹
マイルドで甘みが爽やかな馬糞雲丹でおまかせ10貫は終わり。
シャリが小さめなのでペロッといける。
せっかく来たので追加でもう少しいただく事にした。
【追加】平目
しっかりとした歯ごたえに咀嚼を重ねると旨味も出てくる。
サヨリの皮
焼いたサヨリの皮で脂の甘みを感じる。
【追加】金目鯛
北海道の釣りものの直送。
上に乗っているのは金目鯛の肝。
炙ったもので見た目通り脂ののりもいい。
特に皮が旨味抜群。
味噌汁
海老入りの味噌汁。白味噌が効いておりほんのりと甘く素直に美味しい。
三千円の握りのコースで味噌汁もつくのか。
三千円という価格帯でネタによって白酢と赤酢を分ける手間は素直に凄いなと思う。
大将は高齢だが腰が低く謙虚で人当たりもいい。そして東北の方言が暖かい。
お客のスタート時間は決まっておらず客の注文もバラバラ。
忙しい中私の様な一見客にもちゃんと会話を振ってくれた。
2020年でお店は50年目を迎えるとのこと。
地元客にも県外からも愛されるお店だと思う。
ごちそうさまでした。
久しぶりの山形。
明日はケンちゃんラーメンでも食べるかな。
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