2019年/アメリカ映画/159分
リック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優。 スターへの道が拓けず焦る日々が続いていた。
そんな彼を支えるクリフ・ブースは彼に雇われた付き人でスタントマン、親友でもある。
エンタテインメント業界に精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。
そんなある日、リックの隣に時代の寵児監と女優シャロン・テート夫妻が越してくる。
自分たちとは対照的な二人の輝きに触れたリックは、俳優としての光明を求めイタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが—。
以下、ネタバレ
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シャロン・テート殺人事件の予備知識は必須
2時間40分と長い映画だけど簡単に言えば落ちぶれた俳優とそれを支えるスタントマンの友情物語を軸にシャロン・テート殺人事件んのパロディが絡んでくるというもの。
最大のポイントは実際の事件のパロディではあるけれどタランティーノは事実とは異なるラストに作り変えていることだ。
はい、まずこのシャロン・テート殺人事件についての予備知識がないまま観るとマジでつまらない映画となる為、必ず映画を見る前に事件の概要は掴んでおくことを勧める。
簡単に説明しておくと1969年、妊娠8ヶ月目の女優シャロン・テートがチャールズ・マンソンによるカルト集団によってナイフで計16箇所を滅多刺しにされ殺された恐ろしい事件。
この映画ではディカプリオとブラッド・ピットによって襲ってきたマンソン一味を気持ちいいくらいにボコボコに返り討ちにしてシャロン・テートが救われたというストーリーへに作り変えている。
たまたまバンドのマリリン・マンソンが好きな私はチャールズ・マンソンの事を知ってたけど自分ら世代の人たちはまぁこの事件の事なんて知らないよね。
生まれてもないし。
だからある程度予備知識がないと正直この映画、ちんぷんかんぷんだと思う。
映画の尺は2時間40分もあって正直必要か?と思えるシーンもいくつか。
前半に至っては結構ダラダラっとしてて「何かあるのかな?」と思ったら結局何もないシーンが続いて正直観ていてストレス溜まった。
タランティーノ節が炸裂するのは本当に最後の最後。
なにも無理に落ちぶれた俳優物語とマンソンファミリー事件を一緒にしなくてもよかったのではないかな?とも思う。
落ちぶれた俳優とスタントマンの話だけでもなんとなく感動ストーリーにもできそうだけどタランティーノはそうはせずに淡々と描いている。
まぁあえてカラッとした二人の友情を描くのも味といえば味なのかもしれないが。
とは言え最後まで観れたのはディカプリオとプラピのおかげ。
特にマイペースなブラピのアクションはめちゃめちゃカッコよかったしディカプリオの炎射機のシーンなんて最高に笑ってしまった。
いや…
まぁ、実際に起きた事件なので笑いに変えるのは不謹慎なんだろうけどタランティーノはそのシーンをブラックユーモアたっぷりに描き、かなりスカッとするシーンにしてみせた。
まるで本当は殺されてしまったシャロン・テートの無念を晴らすかのように。
リアルタイムでこの事件のことを知ってる人が観るのとではまた印象違うんだろうな。
映画としてどうなのかと言われると個人的には正直しんどかった。
五分づつのショートムービーを永遠と観せられてる感じ。
細かい小ネタもたくさんあるようだけど我々よりも上の年代の人が観てようやく気づくレベルなのでやっぱりかなり観る人を選ぶ映画なのは間違いない。
この映画を賞賛してる人と酷評してる人の差はそのあたりも関係するのかな。
にしてもシャロン・テート役のマーゴット・ロビー可愛いな…
「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」でも最高にセクシーだったけど。
彼女を観れただけでも十分価値のある映画と考えようか。
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