2017年/アメリカ映画/104分
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。
若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。
その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。
翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。
そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、
フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し「出ていけ! 」と襲い掛かってくる。
“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。
良かったのは前半だけ
「どうせただのB級映画だろ」と思って何の予備知識もなくNetflixで鑑賞。
後で調べたら脚本賞受賞してたりとなかなか評価は高い様だ。
結果から言うと低予算ながら前半はそこそこ楽しめた。むしろ結構好きな部類のホラーかも。
だけど後半の展開が、酷い…。
主人公は黒人の青年で白人の彼女の実家に泊まりに行くんだけどそこは人里離れた一軒家でいかにもホラー映画にありがちな金持ちの家といった感じ。
使用人や管理人はなぜかみんな黒人。
そしてその家の家族と使用人たちの薄気味悪いこと。
↑
特にこの黒人女性の使用人の笑いながら泣くアップ映像は最高に気持ち悪かった(めちゃ褒めてます)。
あとやけに毛量多いし。
アメリカ映画にありがちな直接的な恐怖というよりかはジワジワっとくる感じ。
最近のハリウッドのホラーもマシになってきたけど幽霊やモンスターがバッと現れるよりもこうやって心理的にジワジワくる恐怖みたいな方がよっぽど怖い。
だけど管理人がダッシュで走ってくるシーンはかなりシュールで怖いというより笑ってしまったけど。
彼女の親父はやたらと愛想いいし、母親も催眠術をかけるだのなんだかんだいって相当胡散臭いし、弟はやたらと攻撃的だし親戚もなんとなく全体的に気持ち悪い。
我慢の限界がきてついに「帰るわ」って家を出ようとした瞬間、彼女を含む家族全員から拉致られることに(なんと彼女もグルでした)。
と、ここまではなかなかいいぞと思ったけどここからがかなりガッカリな展開に。
この家族、実は身体能力が高い黒人の身体に自分たち白人の脳を移植して永遠の命を得る手術を祖父の代から繰り返してきたのだ。
薄気味悪い女性使用人やダッシュしてきた管理人もみんな手術により白人の脳を植えられていた被害者だった。
あー…なんか一気に興醒め。
もはや漫画じゃん。
特に彼女の親父がオペをするシーンのチープさとBGMのB級感といったら…
(「ムカデ人間」のオペシーンを思い出した)
結果から言ってその類稀なる身体能力で主人公は結構簡単に次々と家族をボコボコにしていく。
オペ室に運ぶのが弟一人だったりちょっとツメが甘いんだよ。
仮にも身体能力高いって思ってるなら2人がかりで来るべきでしょう。
そしてなんだかんだであと一歩のところで彼女に拳銃で殺されそうになり絶体絶命のピンチのピンチを迎えた瞬間、ずっとコンタクトを取ってた友人によって無事に救出されエンディングを迎える。
実はこのラスト、2パターン用意されていたようで直前で差し替えられたそうだ。
もう一つのエンディングは友人でなく警察の車がやってきて主人公が殺したと疑われて捕まってしまうというもの。
うーん、どっちが良かったんだろうね…
個人的にはホラーなんだから助からなくて良かったんだけど。
唯一気になったのが助けに来た友人。
ホラー映画のくせにちょっとコミカルなせいでまるで緊張感が出ない。
結構台無しにしてるレベル。
こういう映画って外界との通信はシャットアウトした方がより恐怖は増したと思われる。
「音楽やスポーツでも活躍してるのは黒人」「やっぱりセックスは凄いの?」とかいうセリフからもこの家族や親戚は黒人をやけに崇拝している。
崇拝と言ってもなんだか偏った崇拝である種、差別的でもある。
白人万歳、黒人は劣ってるみたいな従来からあるわかりやすい差別構造でないが「黒人はこうだ」と決めつけること自体やっぱり差別は差別なわけで人間の根底にある偏見を扱った一風変わったホラー映画でした。
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