2012年/アメリカ映画/108分
著名な作家であるモンテ・ワイルドホーンは酒に溺れ、創作意欲を失っていた。あるとき彼が湖畔にあるキャビンを訪れたところ、隣家にやってきたシングルマザーとその娘達と知り合う。
引用を読んでもらえるとわかると思うが超ありきたりなストーリーである。
別に何があるってわけでもないし格別凄い名作というわけでもない。
おまけに邦画のタイトルが絶望的にセンスがない。
原題は「最高の」ってつかない。
そもそも全く別の映画で「最高の人生のつくり方」「最高の人生のみつけ方」ってあるのでかなり紛らわしい。
ボロクソ言いましたけど、結果から言ってそんなに悪くないです。
悪くないから余計にこのタイトルはもったいないと感じる。
全然知らない映画だと思ったら日本未公開作品だった。
妻が事故で死んで歩けなくなった作家のモーガン・フリーマンは絶妙な感じの偏屈具合。
一言一言のセリフにちょっとした毒っ気とユーモアのセンスを感じる。
「このオッさん、なんか嫌いじゃないな」と思わせたもの勝ちでダラダラと最後まで観れます。
隣のシングルマザーが目当てなオスな気持ちきっかけだけど自然な感じで子供達と打ち解ける。
「見えないものを想像しろ」
この年代の子供にはちょっぴりワクワクさせるセリフ。
だけど長女がモーガン・フリーマンに心開いたきっかけはなんだろう?
なんだかその辺はふわっとしてたな。
まぁ、細かいことツッコむ映画でもないしいいか。
つっけんどんなモーガン・フリーマンの表情が子供達と接するうちにだんだんと愛しい我が子を見るような顔つきに変わっていく辺りなんて味が凄い。
もう味しかないよモーガン・フリーマン。
母親が子供に本を読んで聞かせるシーンで突然子供がクシャミをするんだけどあれは台本にないよね?
なんの脈略もないし。
多分母親の「お大事に」というセリフもアドリブなんじゃないかな。
そんな事を想像するとちょっとホッコリ。
しかしモーガン・フリーマンとシングルマザーは結ばれるのかな?
ラストは完全に答えは出さずにおわります。
無理やり二人の恋が成就する様な描きかたにしなかったのはいい選択だと思った。
最後のキスシーンはちょっと違和感があるけどあのくらいで止めとくのがいいかな。
全体的にベートーベンの音楽がとても優しくてピアノの旋律が耳に残る。
子供にも安心して見せられる暖かい空気感の映画です。
この映画を学生の頃に観ていたらどんな感想を持っただろう?
多分今ほど穏やかに観れなかったかもしれない。
映画って観る人の精神状態やその時の環境でその映画に抱く印象が変わってくるから面白い。
過激な映画や娯楽映画に飽きた人にはおススメです。
休日にコーヒーを飲みながらまったり過ごす感覚の映画なので余裕ない人が観てもイラつくだけかな。
まぁ余裕ない人はわざわざNetflix観ないか。
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