青山通り(246)から外苑西通りへ入り5分も歩かないうちにシックな外観のお店が現れる。
「海味」である。
ミシュラン二つ星の今更説明するまでもない名店。
いままで「海味」を盛り上げてきた中村龍次郎大将が独立し、新たに平公一大将を迎え、お弟子さんたちも総入れ替えとなった。
つまり「新生・海味」。
前回訪問して感じたのが中村龍次郎大将の時とはガラッと雰囲気が変わり体育会系だった店内はどちらかというと落ち着いた正統派な鮨屋となった。
平大将は関西の「ザ・リッツカールトン 京都水暉」で鮨を握っていた方で長年の経験による客あしらいも立派。
距離感も心地よくガツガツこないので印象がいい。
派手なパフォーマンスはないが確かな実力のある握りをいただける。
以下、いただいた料理。
ガリ
ガリは最初から盛られている。甘み強く、辛さ、酸もそこそこに。
ビール
真っ白だけど真っ白な容器なだけです。
半生ばちこ、ヤングコーン
愛知県のヤングコーンと半生のばちこ(ナマコの卵巣)。
ばちこはホタルイカの味噌を塗って外側を炙ったもの。
厚みもありなによりも半生の食感が新鮮。
キタムラサキウニ
岩手県洋野牧場のムラサキウニ、出汁のゼリー、叩きオクラ。
オクラのネバネバに海ぶどうのプチプチの食感。
ウニは甘みが強くクリアで雑味がない。
玄米とキャビア
塩分濃度を2.8%まで落としてるそうだ。
原価たかそう。
玄米の上にのせると贅沢なキャビアご飯。
たしかに玄米と一緒に食べる分にはベストな塩分だ。
ホシガレイ
香り強いです。噛んでるとじんわりと甘みも。
スジアラ
シャリの藁で炊いたスジアラ。
器は有田焼でめちゃめちゃ凝った演出。
スモークの香ばしさもいいけどアラも噛めば噛むほど味が出てくる。
小肌
一発目は小肌。前回も一発目は小肌だったな。天草産。
身質柔らかく酢の主張、おぼろが角を取る。
シャリは前回伺った時は3種類だったけどいまは1種類で統一してるとのこと。
そりゃ3種類も炊いてられないよな。
色々試行錯誤していまのブレンドになったようだ。
赤酢独特のパンチはあるが強すぎず、コクと酸のバランスもいい。
これなら白身にも違和感なく合いそうなシャリだ。
アコウ(キジハタ)
淡路島。水分が多い魚だけど塩〆による脱水が絶妙。
渡り蟹
宮城の渡り蟹で内子は醤油漬け。
おかげで蟹の身がとにかく甘く感じる。
クロムツ
勝浦。表面は醤油で洗ってあるので赤くなっている。
香り付けとして中に柚子。
若干水分と脂が多め。
マナガツオ
徳島からマナガツオ。
緑色のは大根おろしと花山椒を混ぜたもの。
鯵
鹿児島出水の鯵。香り、脂共に抜群。
肉厚で旨味も強い。
フルーツトマト
箸休め。お出汁とお酢で漬けてある。
墨烏賊
スカッと爽快な食感。若干甘くもある。
本日の鮪
噴火湾のは魚体が小さめだ。
赤身
北海道噴火湾の定置。
ザ・夏の鮪といった感じでサッパリで酸が爽やか。
太刀魚
千葉竹岡の太刀魚。赤いソースは万願寺の裏ごし。
フワフワっと軽い食感、ホロホロっと香りも上品。
中トロ
こちらも漬けと同じ魚体の北海道噴火湾のもの。
3日ほど寝かせたようだけどだいぶ脂まわってて香りも強め。
大トロ
こちらは赤身、中トロとは別の魚体で沖縄の延縄。
一週間ちょい寝かせてある。
身質は少し硬めだが香り強いです。
白海老
富山。昆布で少し水分を抜いてあり甘みの主張もかなり強い。
トロ
こちらも沖縄の延縄。
歯ごたえがしっかりとしてる部位なので藁で表面だけ燻して漬けにしてある。
鮑
房州白浜。
海苔で巻いて肝を塩漬けにして裏ごししたものを上に。
薄くカットされた鮑は香りがいい。
シャリの酸に意識がいくな。
ダイセンのキタムラサキウニ
赤雲丹
赤雲丹好きと言ったら出してくれた。
萩。上に塩。味は濃く十分美味しい雲丹。
キタムラサキウニ
大間の新根産。
やっぱ粒の大きさが違うな。
食べてみると驚くほど口溶けが滑らかでさらに甘みも強い。
車海老
鹿児島。
トロタク巻き
海苔の香り、トロの甘み、沢庵のぽりぽり、ゴマのアクセント。うまし!
味噌汁
秋田のジュンサイ入り。うす味で染み入ります。
穴子
玉子焼
しっとりとして甘み控えめな玉子焼きで本日のおまかせは終了。
雰囲気は中村大将の時とは全くの別の店の様な感じ。
料理は完全なる江戸前鮨にこだわるというよりも所々遊び心を入れたラインナップ。
日々よく研究されてるのがわかる。
本日のお会計33,000円。
またしばらくして進化した海味を楽しみに本日はこれにて。ごちそうさまでした!
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