本日は広尾の「鮨 心白」の跡地にできた「すし 良月」へ。
良月と書いて「あきら」と読む。
自分の名前ではなく祖父の名前からとったという謙虚さからも大将の人柄を表す。
大将の前岩和則さんは「すし匠まさ」出身で今年30歳と若いが話を聞いてると鮨へのこだわりは凄い。
恵比寿駅からだと15分くらい歩くことになるので立地はいい方ではないかな。
清潔感がある。
店内はカウンター八席のみで一回転のみ。
オープンは2019年11月4日。
オープンして間もなく、いまは一人一人のお客さんと真剣に向き合う為だそうだ。
二回転にするとご本人のキャパを超えるとのこと。
真面目!
予約もすでに8月まで予約でいっぱいだそうだ。
握りはとことん映えとは対極のもので終始、余計な味付けはせずに素材のもつ旨味を最大限に引き出すことを徹底。
仕入れは産直が中心らしく若くして色々と鮨に対してのこだわりがある様で今後もさらに楽しみな店。
以下、いただいた料理。
鮑
塩分などは使わず鮑本来のもつ香りを活かしたもの。
昆布も使っていないそうだ。
鮑の貝柱
本来つけたまま蒸すのが定番だけどあえてここだけをカットして刺身として。
鮑の出汁とムラサキウニ
鮑の出汁は旨味があり雲丹のクリアな甘みとの相性もいいです。
何か足したくなるけど最低限の味付け。
初鰹
皮目を炙ったもの。
あっさりとして柔らかい身質にさわやかな鉄を感じながら皮目の香りを楽しむ。
ちなみにお皿もちゃんと温めてある。
蛍烏賊の沖漬け風
沖で漬けてないので「沖漬け風」。なんと4月から漬けて1か月以上。
腐らないギリギリの塩分濃度でバランスをとっているらしく濃度が凄くいい。
ボタンエビ
ボタンエビを炙るとは珍しい。火入れによる甘みも十分。
クエの出汁
具は入っておらずひたすらクエの出汁を堪能。こちらも余計な味付けはしていない。
染み入る。
ここから握りへ。
中トロ
沖縄の延縄。180キロ。
シャリは米酢のシンプルなもので少しだけ醤油をブレンド。
塩、酸の主張も控えめの今時珍しいタイプ。
まさに食べ疲れしないシャリ。
ガリ
甘みが強く、辛み、酸。
大トロ
先程の中トロとは別の母体で140キロ。
フレッシュな食感と香りだけどガッツリな脂。
赤身
バイ貝
強めの食感。噛みしめると旨味も感じる。
クエの蒸し鮨
和歌山県。ふっくらとした身と出汁が自家製ポン酢の酸との相性もいい。
京都の市場から仕入れているとのこと。
鰆
明石。白板昆布で〆。
一週間寝かしたもので、食感は少しねっとり気味。秋の鰆ともまた違うあっさりとしたもの。
アマガレイ
淡路島ではマコガレイの事をアマガレイと呼ぶ様だ。
じんわりとした旨味が抜ける。
琵琶鱒
この鱒は何鱒でしょう?と言って出されたネタ。
初めて聞いた名前だ。
琵琶湖のみに生息する鱒でそこそこ脂はのっていて香りもいい。
小肌
天草。酸と塩の主張強め。
なるほど、全部淡い味付けではなく強弱つけてるのか。
穴子
シャリの甘みが印象的。
日高見
バフンウニ
北海道余市。
甘さが綺麗。あえて海苔は巻かずに。
アオリイカ
細やかな包丁。
寝かせていないのでなったりというよりかはホロリと。
穴子
玉子焼き
カステラとプリンの狭間。中心はプリン。
海老のすり身でなく帆立を使っている。
シャリと海苔
海苔の原価を聞いたけどびっくりする値段。
香りも華やか。
干瓢巻き
食べて驚いた。干瓢が暖かい。
胡麻の香り、干瓢のコクと甘み、ツーンとした山葵の流れが綺麗。
以上で一通り。
前岩大将はむやみに味を足すことはしない。
つまみも握りも一貫してシンプル。
まさに素材のもつ旨味をいかにシンプルに表現するかがテーマ。
鮪が続いたら貝みたいなもので流れを変え、温度感も冷たいものから温かいものへ。
食感も寝かせたものからフレッシュなものへと緩急をつけた展開はさすが。
若いながらも「映え」を一切狙わない職人としての潔さもいい。
これからがさらに楽しみなお店でした。
ごちそうさまでした!
この動画を観る⬇️
コメント