本日は四谷の荒木町にできた「車力門 おの澤」へ。
オープンは2020年5月18日とまだ緊急事態宣言中の真っ只中だけど早くもグルメ通の間では話題になっているお店。
大将は蕎麦割烹「銀座 矢部」出身でこちらのお店でも〆は蕎麦の様だ。
場所は四谷三丁目駅から徒歩5分ほど。
新店でありながら風格がある佇まい。
扉を開けた瞬間のお香の香りが一気に和の世界へ誘ってくれる。
大将は39歳。伝統を重んじた和食に蕎麦打ちまでもマスター。しっかり軸のある腕前にキラリとセンスが光る。
以下、いただいた料理。
海老芋の雲丹餡かけ
ホクホクできめ細やかな海老芋の旨味、甘みの強い雲丹、暖かな餡掛けの出汁。
一品目から優しく胃の中から温めてくれる。
本ズワイガニの飯蒸し
上にはキャビア。飯蒸しなので餅米です。
ちなみに先付の後に飯蒸しが出る理由は酔いがはやくまわらないように腹に入れておく為なんだとか。
蕪とクエのお椀
京都の蕪、五島列島のクエ(14kg)のお椀。
二週間寝かせたクエはむっちりとした肉質に仄かな甘味。
出汁がひたすら滋味深い。
お造り
大間の鮪(延縄)、明石の鯛、根室の秋刀魚。
この日のお造りどれもバッチリ決まってました。
色鮮やかなやま幸の鮪も香りがめちゃめちゃいい。
黒豆の枝豆

間もたせとして京都の丹波黒豆の枝豆。
秋刀魚
目の前で炭火焼。素晴らしい焼き加減。香りも立ってくる。
骨抜き秋刀魚の塩焼き
秋刀魚を一度背開きし、内臓を取り出し、掃除してから再度入れ込むという丁寧な作業。
上には秋刀魚の骨煎餅を。
このまま骨を気にせずにパクっと一口でいけるようになっている。
脂の乗りまくった秋刀魚と炭火が物凄い香りの相乗効果。
雑味は取り除かれておりビターさも旨味となる。
鮨職人には申し訳ないがやっぱり脂ののった秋刀魚は塩焼きに限る。
特にここの秋刀魚を食べてしまうと家庭の秋刀魚を食べられなくなる可能性大。
ジャンボなめこ
飛騨高山のジャンボなめこ。
蕎麦つゆの出汁と辛味大根。
後に出てくる蕎麦を期待せずにはいられない。
牡丹海老
こちらは特別メニューで通常のコースにはないもの。
特大サイズ130gの牡丹海老をシンプルに生で。
ブリッと最初の食感は爽快、ねっとりと舌の上で転がせばこれでもかという程海の幸の甘美な余韻。
さらにちゅっとコク深い味噌を含み日本酒を口に含めばえもいえぬ幸福感を味わえる。
甘鯛とかぶら蒸し
山口萩の甘鯛と近江蕪のかぶら蒸し。
ふわっときめ細やかな蕪の甘味、甘鯛と出汁の旨味が素晴らしい。
自家製蛍烏賊の沖漬け
角がなくまろやか。柑橘が爽やか。
鱧の卵
最初に柑橘、最後の最後になんとも言えないコクと丸み。
特にカラスミがさらに味に膨らみをもたらせる。
天ぷら
松茸、舞茸、四角豆。
揚げ方も素晴らしく特に舞茸を食べた時の香りと食感の爽快感は半端じゃない。
〆の蕎麦
十割蕎麦。コースの〆ということで田舎蕎麦ほど荒々しくなく、だけどしっかりと蕎麦粉の風味を感じさせる嫌味のないもの。
細切りだが一本一本の蕎麦としての存在感もある。
十割そばだけど粉はきめ細かく口ざわり、のど越し抜群。
これなら〆としてサラっといける。
出汁は荒節と本枯れ節。
美味しすぎたので次はお代わりとして暖かい蕎麦をリクエスト。
花巻蕎麦
贅沢に一面に海苔が敷かれた花巻蕎麦。
まさに海苔を食う感覚。
出汁は宗田節とサバ節で先ほどの冷たい蕎麦よりもアッサリめ。
磯の香りと出汁が素晴らしく最後まで飽きることなくいただけた。
ちなみに先ほどの蕎麦と出汁は変えてるそう。
蕎麦湯
わりと濃厚。
デザート
シャインマスカット、巨峰、ゼリー。
これだけ飲んで食って一人26,000円。
てっきり三万オーバーだろうと思っていたが価格に対して物凄い満足度である。
ここは間違いなく予約困難になる。そう予感した夜でした。
ごちそうさまでした!
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