福岡の話題の鮨の新店「枯淡」。
場所は博多駅から電車を乗り継ぎ20分くらいの桜坂駅より徒歩2分。
来てみると表札がない。暖簾も真っ白だ。
ここを知らないと一体何の店なのかわからない。これ、狙ってますね。
店内はVの字カウンター、照明と高級感溢れる作りは単純にカッコいい。ザ・高級鮨屋です。
これはワクワクせずにはいられない。
大将の野口和暉さんは現在28歳。
いまは無き伝説の鮨水谷に2年、その後鮨はしもとに10年いらした方。
鮨水谷時代の兄弟子は横浜関内「常盤鮨」の林ノ内大将、同期は「恵比寿えんどう」遠藤大将、「鮨桂太」の青山大将、「高柿の鮨」の高垣大将、といういま最もアツい世代と言えよう。
以下、いただいた料理。
ホウボウ、蛸
長崎の朝〆のホウボウも味があるが特に茹でたての蛸が絶品。香りと味が殊更いい。
鮑
唐津。塩蒸しでむっちりとして柔らかく、本来の香りをしっかりと引き出してある。
メジマグロ
まだフレッシュなものでメジなのに香りの主張があるのが驚き。脂とのバランスもいい。
メジマグロでそんなに感動しないんだけどこれは旨いなぁ。
のれそれ
ツルっと喉越しよく、滑らか。味わいは黄身醤油で円やかに。
青海鼠
平貝の味噌漬け
むっちりもっちりとした食感に酒が進む味噌の味付け。焼きとも握りとも異なる平貝のモチモチ感がまたいいんです。
太刀魚
網でとった太刀魚なので皮が剥げ、こちらでは「ハゲタチ」と呼ばれている。
シンプルな酒蒸し。
小肌
はしもと出身なだけあってまずは一貫目が小肌という辺りが福岡にいながらもしっかりと江戸前を感じさせる。
シャリはほぼ米酢。赤酢はあくまで香り付け程度。割合は9:1位。
かなり硬めに炊かれ、サイズ感もある。
酸味は穏やかで咀嚼してると段々と米の甘みと旨味の余韻を残す。
真鯛
新宮の相島。3日目で身はしなやかで柔らかく、なにより香りがいい。鯛のポテンシャルの高さを感じさせる。
ホッキ貝
シャクシャクの肉厚な食感、包丁は最低限、爽快な甘み、シャリの酸味と調和がいい。
春子鯛
柔らかな鯛は水分を残した仕事。
シャリの淡めな酸の存在感を感じながら調和を楽しむと今度は米粒の旨味が主張し出す。
魚によってシャリを旨く食わせる。これが鮨をなんだな。
アカムツ
トロンとした舌触り、脂の甘さ、そして咀嚼させるシャリ。
赤貝
山口宇部。閖上ほど香りはないが肉厚で甘みも印象的。ヌメリはあえてとらず。
赤身
卸は石司。舞鶴の定置網。
腹の天身でしっとりとなめらか。
中トロ
血あいぎし。味わいも香りも濃厚。
シャリの酸味が活きる。
大トロ
蛇腹。なかなかガッツリだけど脂に下品さはない。
鰯
香り、脂、実直な米酢のシャリと申し分なしの調和。
車海老
茹でたてのシャクプリ感に米粒の旨味と海老の甘み全てが調和。
雲丹
長崎の大村。ねっとりとしてまるで赤雲丹みたいだけど水分は抜いてないみたい。最後は少し渋みを感じた。
穴子
ホワトロの柔らかい穴子で米粒一粒一粒を包みこむような感覚。
追加 鰤
追加 平目
白身このシャリに合ってます。
墨烏賊
ちゃんと味がある。九州のものかと思ったら豊洲経由の千葉でした。こちらの方はパキパキの墨烏賊はあまり好みじゃないみたい。旨いのに。
鯵
島根。どんちっち程脂はのってない。
鰆
ねっとり甘みのある鰆。だけどピークより少し脂は落ちた。
干瓢巻き
干瓢は柔らかく味はキリッと。
最後まで硬めの攻めたシャリでした。
玉子焼き
ひたすら海老の香ばしい香りが印象的な玉子焼きでコースを〆る。
お会計は23,500円。
扱うネタは主に九州のものを。一部は豊洲から。
だけど握りはガチガチの江戸前。
福岡にいながら名店である水谷、はしもと仕込みの高水準の握りが食べられる。
主に米酢で仕上げられた硬めのシャリはしっかりと粒を堪能させ江戸前仕込みの魚と調和することにより米の甘みと旨味を感じさせてくれる。
都内にあればすぐに入れなくなりそうなくらいだがここ福岡ではどう受け入れられるか。
ごちそうさまでした。
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