3月14日にオープンしたばかりの「すし 田いら」へ。
大将の平公一さんは京都のリッツカールトン、東京青山の海味を経て独立。
以前の海味のテイストからどのような変化を見せるのか注目が集まるところ。
場所は住所非公開の為、港区某所。
エントランスが少々わかりづらく隠れ家的。
店内はカウンター9席に個室あり。
またピカピカの新店で清潔感あります。
大将: 平公一さん
やはり平さん、画映えする。
力士か鮨屋になる為に生まれてきた様な方ではなかろうかというくらいサマになってます。
そしでいて柔らかな接客。
来た人がみんないい気分で過ごせるんじゃないかな。
以下、いただいた料理。
白魚の漬け
透明感ある白魚は仄かな苦味からの穏やかな甘さが印象的。
牡丹海老、雲丹、キャビア
塩味穏やかで円やかなキャビア、ねっとりとして甘みのある漬け牡丹海老に雲丹。
綺麗に重ねていった旨味の足し算。
玄米
かなり熱々の玄米に海苔を巻いたもの。
海味時代はこれにキャビアを乗っけていたが、玄米、海苔とそれぞれ香りが引き立つ極めてシンプルな二重奏に。
ハマタ、ホシガレイ
10日間寝かせ脱水したマハタはねっとりとして旨味の余韻感じるもの。
それに対しホシガレイはサクッ、プリッと強い食感に若めの味。刺身もコントラストですね。
鰆
玉葱醤油によるコクの相乗効果、藁で炙った香ばしい皮目、脱水によるねっとり感と旨味の塊は最高の当て。
牡蠣のオイル漬け
仙鳳趾ならではのクリーミーさ。
小肌
握り一発目は平大将が一番好きな小肌から。
身はふっくらとしてジューシーな仕上がり。
酢の酸味がしっかりと主張。
海味時代は朧をつけていたが、より酸味の方向性にいったようで赤酢のシャリと合わせることでインパクトもある。
握りの貫数が増えたという事で多少はシャリが小さくなっと言っていたがそこまで小さい感じなかったです。
ちなみにシャリはネタによって赤酢と米酢の2種類を用意。後期の海味ではシャリ一種類だったのに対し、よりタネとの調和に狙いを定める。
のれそれの茶碗蒸し
このこ(ナマコの卵巣の塩漬け)の餡がまたいい塩味。酒飲みが考案した酒飲みによる肴。
明石の鯛の昆布〆。
シャリは変わり、こちらは米酢に香り付け程度の赤酢を効かせたもの。
鯛は5日目で身は柔らかく適度に香りも放つ。
シラカワ
塩と酢〆。
ある程度身はしっかりと食感を保ちながら味も抜ける事はなく。
鯵
横須賀。脂と香りのバランス良し。
脱水してるため身自体は意外とあっさりと。
だけど皮まわりに旨みが凝縮。ノドグロは脂っぽいので苦手だけどこれなら好きだ。
金目鯛
勝浦。もっちりと適度な脱水、香りの余韻も。
小柱
子持ちヤリイカ
銚子。余計なことはせず古典的な調理法で。
やはりヤリイカはこれですよ。ねっちりとコクも豊富。
マカジキ
湯霜漬け。寝かせることでジワジワっと水分を抜いていき、シャリと馴染ませる。
大型魚だが鮪とも異なる独特の味わいと旨味。
大トロ
卸は海味時代に引き続き、やま幸。
釣りの鮪でガッツリ脂。
だけど脂だけじゃなく、香りの存在もしっかりと。脂のある大トロでこれほど香りがあるなら中トロが楽しみだ。
と思ったら中トロでなく墨烏賊で一旦ジラしてきた。ここらでスカッと食感と米酢で変化を。
赤貝
噛んだ瞬間の閖上特有の爆発的な香り、ツーンとした山葵、赤貝特有の瓜っぽさ、そして甘み。
目まぐるしいほどの口内刺激。
何事も攻めるなら一箇所だけじゃなく数カ所が鉄則。
中トロ
再び鮪に戻る。
甘さ、香り、赤酢と鮪が最も輝く握り。
大トロもいいけどやはり脂でなく鮪としての余韻を楽しめるのはこちら。今日のMVPはこちらの中トロ。
赤身の漬け
鉄っぽく酸味のある鮪。これですよ。
本来鮪は酸っぱいものなんですよ。
雲丹
羅臼。
お吸い物
本日の魚の出汁のお椀。島根の十六島(うっぷるい)海苔が入り。
車海老
茹で置きによる旨味と甘味を口いっぱいに感じるまさにこれ口福。
帆立
ネギトロ胡瓜
葱の香り活きる。
ロイヤルクイーン
干瓢巻き
中トロ巻き
脂がぶちゅっと。あぁ、これもこれでいいな。
お会計は約35,000円。
つまみはさらにシンプルに、握りより目立つ事もなく、だけどしっかりと仕事がされたもの。
酢飯はかつての海味時代の2種類に戻し季節によって酢を調整する。
海味時代より見せ方はシンプルに、だけどさらに手間はかける。
充電期間に得たもの、平大将の人柄全てが反映された様なコースでした。
また季節を変えて。
ごちそうさまでした。
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