名古屋駅より徒歩10分ほど歩いた静かな場所にあるミシュラン二つを獲得する「鮨旬美 西川」へ。
予約困難店という事でたまたま常連さんが席をとってくれました。本当に有難い。
外観は高級感があって綺麗ですね。
名古屋市の清水でオープンし、2018年にこちらに移転してきて4年目。
横一列のカウンターは8席だがいまはアクリル板を設置しているため7席で営業。個室はなし。
おまかせコースは20,000円(税別)。
大将 : 西川真司さん
一見強面だけど穏やかな方です。
女将さんの接客も和気藹々として店内はとても和やか。はじめてきた人でもリラックスできる雰囲気だろう。
料理は正統派から変化球をつけたつまみ、握り。三河湾の天然の車海老を仕事によって食べ比べさせたり随所随所での海苔の使い方など存分に個性を発揮している。
以下、いただた料理。
茶碗蒸し
トップバッターはシンプルな鰹出汁の茶碗蒸しに梅肉を乗せて胃を温める。
つぶ貝のずんだ和え
枝豆で和えたつぶ貝、蛤出汁のジュレ、黄身朧、赤紫蘇の新芽と味わいに優し調和を持たせる。
鮨屋の蟹玉丼
三河湾の渡り蟹の身をセリと和え、上から焼いた内子を裏ごしして焼いたもの。
黄色いパウダーはカラスミではなく蟹の内子をすりつぶしてやいたもの。
鮪の照り焼き
沖縄の天然本鮪の照り焼き。下は胡麻を使った利休餡。
レモン酢に漬けたトマト、甘長唐辛子の焼きびたし、茄子の揚げ浸し。
玉子焼き
2種類出るようです。
甘み柔らかな昔ながらの玉子焼き。
帆立のしんじょのお椀
帆立のしんじょに雲丹をのせ、ジュンサイ、車海老、カボチャで仕上げたとても清らかなお椀。
甘味と辛味が強め。
三河一色産の天然車海老を茶釜でボイル。
ボイル時間はあっという間。
あまりに大きいため一尾から二貫分にして仕事によって味の違いを楽しませてくれる。
食べ比べの海老は80〜100gしか使わないそうだ。
車海老1
一瞬だけ蒸して氷で急激に冷やしたもの。
わずかに火は入っているもののほぼレア感ある身はプリプリッと強い弾力。
赤酢で仕上げたシャリは酸味穏やかで硬め。
噛んでるとじんわりとササニシキの甘みを。
車海老2
こちらもボイル時間は変えずに、茶釜の上でゆっくりと余熱で火を通したもの。
やはりこちら方が味や香りがありますね。
火入れは時間は数秒なのにこれほど味に違いが出るんだ。
仕事でいかように味に変化を付けられる。鮨はただ切った魚を酢飯の上に乗せただけではない。握りのトップバッターでこれをやる意味を考えさせられる。
クロムツ
三河湾。昆布〆にして柚子山葵で。
ふり柚子でなく柚子山葵。
クロムツとシャリが抱き合うことで柑橘が徐々に馴染んでくる。この香りの感じさせ方も個性的です。
鯵
長崎。あたりネギをかませる。
このわたと桜海老の炊き込みご飯のおこげ蕪蒸し
蕪蒸しの下には桜海老の炊き込みご飯をおこげにしたもの。サクッとしたおかげが徐々に餡と馴染んでくる変化や香ばしさを楽しむ。
ミル貝
愛知県。青混ぜ海苔をかませる。
焼き海老頭
味噌入りの海老頭はパリッと海老香が爆発。
皿はスヌーピーがこんにちわ。
煮蛤
桑名。牡蠣の様にミルキーさがある。
美味しいですね。
おからいなり
おいなりさんのおからバージョン。
愛知の浅利入り。
金目鯛の磯部巻き
千葉の金目鯛をまさかの海苔巻きに。
大将曰く炙りものは脂がきついので巻きたくなるんだとか。鯖の磯部焼きとかもそうですよね。
山もずくの山掛け
赤身
沖縄。煮切り醤油と昆布醤油で軽く漬けたもの。
天身はふわっとした舌触りで軽く程よい酸味。いい鮪です。
トロ
中に海苔をかませるまた個性的な鮪。
鮪の香りをとるか、脂を海苔で中和するか。
いずれにせよこういう事をする職人はかなりレアだと思います。
山葵のお吸い物
剣先烏賊、雲丹
これでもかというほど薄くした烏賊の上に雲丹を乗せ、さらに細かく包丁を入れた烏賊をサンド。ドロっと烏賊と雲丹の食感が調和し、甘みも綺麗。
シャリを包み溶けていくまるで烏賊ジュース。
対馬。鷹の爪、生姜で炊くことで臭みを抑えた穴子。あえて塩やツメはつけず。
九条ネギトロタク
最初に握りにしてから海苔で巻くまた個性的な一品。海苔のパリパリ感を活かす狙いだろう。
九条ネギ、トロ、奈良漬、花形大根入り。
玉子の赤だし
玉子を崩せばトロっと黄身が椀内に広がる。
玉子焼き
黒糖葛プリン
牛乳、生クリーム、黒砂糖、葛で仕上げたデザート。
達筆!
本日のお酒
⬆️ボトルで
お会計は約28,000円。
地物のネタを西川大将のオリジナリティ溢れる
仕事により突き抜けた個性のある握りやつまみに昇華させる。
江戸前鮨の独自の進化、ここでしか食べることのできない鮨を名古屋でみた。
ごちそうさまでした。
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