大都会なのになぜか「鮨不毛地帯」と言われる新宿にてこの4月に新たに鮨屋がオープンした。
店名は「鮨 こう介」。
場所は新宿西口から徒歩5分ほどのビルの地下一階。
店内はまだピカピカの白木のカウンター9席に個室あり。
安部憲介大将は正統派の日本料理を学び、鮨の世界へ。今度はイノベーティブを鮨に取り入れる。
つまみと握りは交互に出され出てくる一品料理には鶏出汁まで使うから驚きだ。
一発目の大トロからノドグロ、シュー生地を使ったキャビア・雲丹・海老のミルフィーユとハイテンションを最後まで維持し、どこにもない唯一無二な鮨屋を目指す。
おまかせコースは25,000円(税込)。
以下、いただいた料理。
前菜四種
最初に用意される酒肴。
・佐賀県の生海月と蛸の酢の物
・このしろと常節の松前漬け
・ズワイガニ の蟹みそ和え
・白海老の唐揚げ
口寂しくなったらコースの途中でつまめるのが有難い。
ガリ
赤酢に漬けたものと鰹を効かせた甘酢のガリの2種類。
大トロ
宮崎県油津港、143kg。
筋と血栓はピンセットで取り、裏表に50の包丁を入れトロける様に仕上げた。
いきなり結構ガッツリ脂でひたすらクリーミー。トロがトロである所以。
赤酢のシャリは硬めに炊かれ、仄かに砂糖の甘さを感じる。握り自体は柔さはなくしっかり目に握られている。
ノドグロ
下関、昆布〆。
シャリに対してだいぶサイズの大きなノドグロ。
炭火で皮目を焼き、香ばしい薫香と共にホロホロっと身は崩れシャリと調和する。
一口サイズのお寿司のミルフィーユ
シュー生地の上に赤酢のシャリ、粉末の海苔、中落、漬け甘海老、雲丹、イクラ、キャビアを重ねていく。
シュー生地とシャリの組み合わせに驚かされるが意外にも違和感はない。
ノドグロの湯葉包み
ノドグロ2品目。ノドグロを大葉、チーズ、生の湯葉で巻き天ぷらに仕上げたもの。
ソースにはなんと鶏出汁を使用。
コッテリです。
鶏出汁を使った堂々たる味わいは鮨屋のつまみではなく普通に和食屋の一品料理である。
ヤリイカ
ホロホロっと崩れシャリと調和する。
包丁による仕事が活きています。
金目鯛
千葉銚子。昆布〆。
桜鱒
ねっとりとしたイクラを裏ごしたソースをかけて。
藁によるスモーク、玉ねぎ醤油によるコクが重なる。
鱧のしゃぶしゃぶ
スダチを効かせた自家製ポン酢に鱧子を煮込んだソースをかけて。
鰹
皮目は取り、薄く3枚重ねにし、透明感ある滑らかな食感を演出。
バフンウニ
キンキのフカヒレと蟹のあんかけ
鶏、ノドグロ、蛤の出汁を合わせた濃厚な餡にフカヒレとキンキという超ハイテンションな料理。
コッテリです。俺が主役だ!と言わんばかりの主張。
小肌
甘酢で浅〆した二枚付けの小肌はふっくらと仕上げてある。
トロタクキャビア
トロタクにキャビアを乗っけ、一品料理に負けじと応戦。
穴子のツメで味付けしややこってりに仕上げてある。
鮑のステーキ
蛤は酒蒸し後に焼き上げ、ソースには肝となんと虎河豚の白子を裏ごし、有明の海苔を加えさらに香りと重厚感を持たせる。
ソースとしては結構味は強めです。握りと料理の攻防戦がエグいです。
とり貝
舞鶴。貝の甘味。シンプルで落ち着く。
クロムツのみぞれ酢和え
熊本県のデコポン、大根おろしを土佐酢で和えたもの。初夏の爽やかさ。
鯵
鹿児島出水。シンプルに旨い。どんちっち来なくて良かった。
帆立と蛍烏賊の茶碗蒸し
鶏、蜆、蛤の出汁とこれまた旨味を濃縮した高濃度な味わい。
餡は帆立出汁を煮詰めた餡。
中トロ
中トロのタイミングよ。
穴子の中太巻き
味噌汁
出汁を煮詰めまくった海老香る濃い味噌汁。
デザート
パテシエが作った爽やかなデザート。
シャンパンのソルベ、シャンパンのゼリー、柑橘、加賀棒茶のブランマンジェ。
お会計は約30,000円。
シンプルに素材の味を活かす料理ではなく、多種の素材を濃縮することで味に膨らみと厚みをもたせ料理を展開する。
ノドグロや虎河豚の白子などもどんどん出汁に使っていくため総じて味わいは強くパンチがある。
新宿という立地を考えるとインバウンドにおける外国人なんかもターゲットに入っているのだろう。
いずれにせよ今までに食べたことのない個性的な料理がいただける。
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