東京・赤坂にある日本料理店「赤坂 島袋」。
店主: 島貫洋平さん
開店から間もなくして「食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2025」に選出されるなど、注目を集めています。
島袋洋平大将は、沖縄県国頭村の3人兄弟の末っ子として生まれ、幼い頃から母親と台所に立ちながら料理に親しんできました。
小学1年生で観た『料理の鉄人』に憧れ、「かっこいい料理人になりたい」と強く心に刻み、高校卒業後は福岡の料理専門学校へ進学。
そこで出会った「乃木坂神谷」の大将に憧れ、「どうせやるなら東京で挑戦しろ」という言葉に背中を押され、20歳で門をたたく。
専門学校を卒業後、乃木坂の名店で朝7時から深夜まで魚をおろす日々を「部活のように楽しかった」と語りながら5年間修練。その後、パークホテル東京内の「花山椒」で料理の本質を学びつつも、「お客様の顔が見えない」ホテルの環境に限界を感じ、自由が丘の店舗で初めて自分の色を出す喜びを知りました。
その後は「銀座神谷」「京料理いしす」など数々の名店で料理長を務めますが、コロナ禍による店舗閉鎖という試練を乗り越えたのち、「銀座しのはら」に入り、初の料理長にも就任。
満を持して2024年9月に「赤坂 島袋」を開業させる。これまで支えてくれた銀座しのはら時代のお客様への感謝を胸に、「これからは自分のファンを増やしていくことが目標です」と新たな夢を語っています。
実食レビュー 2024年12月訪問
赤坂と言えば「赤坂 詠月」、「炭火割烹 白坂」、「赤坂四季庵 よう悦 かに ふぐ」など和食の名店が集まる場所。
オープンしてまだ3か月の話題の「赤坂 島袋」に行ってきた。
店内は横一列の臨場感溢れるカウンター。だいぶゆったりとした作りなので本当は席を詰めたらもっと客を入れられるのに贅沢な空間を意識されてます。
お椀には越前蟹と香箱蟹を使った夫婦海老しんじょ。
藁焼きの香りを乗せた鰹には海苔醤油を乗せ、辛子を添えて。一見強めの調味料に鰹の旨みが負けてない。
いまは蕎麦を出す和食屋なら比較的定番になりつつあるカラスミ蕎麦。
二八蕎麦の下には牡丹海老と熊本県八代の川海苔を忍ばせ旨みと香りのアクセントをはかる。
甘辛ダレにまぶしたスッポンの唐揚げ手でかぶりつく悦びがある。
島袋親方のご両親が沖縄で作ったシークワーサーがいいアクセントになっている。
さらに天然の焼き河豚、渋皮煮の栗の唐揚げ、加賀蓮根餅など随所に島袋氏の遊び心を取り入れる。
私的には和食の要は白米だ。炊き込みご飯よりも白米派なのだ。炊き込みご飯もそれはそれでいいが、せっかくなら白米の甘味と香りを楽しみたい。
この日は滋賀県近江米のコシヒカリの新米。豊かな香りと味わいは鼻腔と味蕾に刻まれた。
〆の蕎麦は福井県丸岡の蕎麦粉を使った十割蕎麦。香りは勿論だが、これが十割蕎麦とは思えないほど舌触りがいい。
外一?聞くと完全なる十割だと言う。
粘り気のある蕎麦粉を使用しているためつなぎが必要ないとのこと。蕎麦粉の奥深さを知れた。
最後の甘味はジーマミー豆腐の葛焼きに落花生ソース。
まだ9月にオープンしたばかりだがすでに予約も取りにくくなりつつあるようで、今後もさらにその傾向が続くでしょう。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:東京都港区赤坂3-21-8 久保ビル 3F
アクセス:東京メトロ「赤坂見附駅」10番出口より徒歩1分(約97m)
営業時間:17:00~23:30(最終入店時間は予約時に確認を推奨)
定休日:日曜日(その他不定休あり)
席数:カウンター8席のみ(個室なし)
予約:完全予約制(OMAKASE、一休.comなどで受付)
支払い方法:クレジットカード可、電子マネー・QRコード決済不可
喫煙:全席禁煙
駐車場:なし(近隣にコインパーキングあり)
コメント