沖縄・宜野湾にある天然酵母ベーカリー「宗像堂」。

宜野湾市の高台、静かな住宅街の一角。
南国の太陽と風に包まれた場所に、全国のパン好きが足を運ぶ小さなベーカリー「宗像堂(むなかたどう)」。
こちらは沖縄を代表する天然酵母パンの名店であり、パンマニアからは「パンの聖地」とも称される。
「宗像堂」ってどんな店?

宗像堂は、沖縄県宜野湾市嘉数1-20-2にある天然酵母パン専門店。
創業は2003年
店主・宗像誉支夫(むなかた よしお)さんが、大学院での微生物研究をきっかけに、酵母の奥深さに魅せられたことから始まった。
「生きているパン」を目指して、天然酵母・石窯・薪焼きという3つの要素を徹底的に磨き上げ、現在では、沖縄のみならず全国からパン愛好家が訪れる存在となっている。
古い外国人住宅を改装した店舗は、まるで南フランスの田舎に迷い込んだかのような穏やかな空気に包まれている。
外観は白壁と木の扉、店内には石窯の温もりが漂い、入った瞬間から香ばしいパンの香りに包まれる。
パンはすべて、宗像さん自らが手ごねし、長時間熟成させ、薪の火でじっくりと焼き上げる。
時間を惜しまず、手間を惜しまず、自然とともにあるパン作りを貫いてきた。
創業の背景と「天然酵母」へのこだわり
宗像誉支夫さんは、琉球大学大学院時代に微生物の研究をしていた異色の経歴を持つパン職人。
酵母菌の働きに魅せられ、独自の発酵理論をパン作りに応用したのが宗像堂の始まりだ。
使う酵母は、沖縄の風土で生きる自家培養酵母。
小麦粉・水・塩、そして酵母。それだけで、香り高く深みのあるパンを焼き上げる。
添加物・乳化剤・防腐剤は一切不使用。
酵母の活動を最大限に引き出すために、長時間発酵と低温熟成を採用。
パンの中に残る微生物の息づかいが、噛むほどに広がる旨味を作り出している。
沖縄で「石窯パン」を焼く理由

宗像堂のパンは、すべて店主手作りの石窯で焼かれている。
燃料はガスでも電気でもなく、「薪」。
この薪の火が、パンの外側を香ばしく、中をしっとりと焼き上げる。
沖縄という湿度の高い気候の中で、宗像堂は環境そのものと向き合うパン作りを選んだ。
風の流れ、気温、湿度。
そのすべてを肌で感じ取りながら、毎日生地の状態を見極める。
自然はコントロールできない。だからこそ、毎日が違う。それが面白い
宗像さんは語る。
工業的なパンでは決して出せない、その日だけの味わいが宗像堂の魅力だ。
2025年9月訪問
「沖縄本島にいいパン屋があるので是非行ってみてください」
「浅草寿司清」の長岡親方からそう言われて我々は山奥まで車でやってきた。
店は完全に風景と同化しており、「本当にこんなところにパン屋があるの?」と疑ってしまうほどのロケーションだ。

店内にはズラッとパンが陳列している。お客がひっきりなしに来ている感じは全くなく、ゆったりとした時間と空気が流れている。
パンを購入して外のテラス席でいただくことができる。
天気もいいしロケーションもいいしそれだけでテンションが上がります。蚊にやられなければ。

さて、天然酵母のパンって酸味があって、ハードな食感が特徴。

お店を出した当初、天然酵母独特の酸味や香り、噛みごたえのあるハード系パンはなかなか受け入れられず、売れ残ってしまうことも多かったそうだ。

表面はパリッ、中はもっちりと水分量が多い。
噛み締めるほどに滋味あふれる香りと味わいが広がる。
もちろんシンプルなパンもいいが惣菜系のパンも決して小麦の香りが負けていない。
パンをこんなにも味わっていただいたのはいつぶりだろうか。また近くに寄る機会があれば。
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【宗像堂】の動画
店舗情報
店名: 宗像堂(むなかたどう)
住所: 沖縄県宜野湾市嘉数1-20-2
アクセス:
・那覇空港から車で約30分
・ゆいレール「浦添前田駅」から徒歩約25分
・国道330号線「嘉数」交差点からすぐ
営業時間: 10:00〜18:00
定休日: 水曜日(その他不定休あり)
電話番号: 098-898-1529
創業: 2000年(平成12年)頃
席数: イートインスペースあり(テラス席を含め約6席前後)
駐車場: あり(店舗前に数台分)
決済方法: 現金のみ
公式サイト: https://munakatado.com
Instagram: @munakatado




