東京・新宿西口にある天ぷら屋「天秀」。

新宿西口。雑踏とネオンが交錯するエリアに、静かに暖簾を掲げる天ぷら店「天ぷら 天秀」。
明治36年の「天兼」という老舗を母体に持ち、代々受け継がれた技が店の骨格をつくっている。
「天秀」ってどんな店?
オープンは1988年3月1日。
その歴史を遡ると、実は明治36年、四ツ谷・荒木町で屋台から始まった天ぷら処「天兼(てんかね)」にたどり着く(以前は「天ぷらの兼ちゃん」と言う名称で大正時代に「天兼」へと改名)。
大正期には屋台を降ろし店を構え、代々受け継がれてきた技と精神を土台に、のちに独立した父の代で「天秀」として新たに旗を揚げた。
現在の新宿・西新宿七丁目での営業形態になったのは平成元年前後とされ、天兼→天秀へと継がれた油の扱い・素材の見極め・江戸前の心意気は今も店の芯に息づいている。
そして2024年4月26日、天秀は店内を改装し、新しい装いで営業再開。
移転ではなく、これまでの場所でさらに磨きをかけた形だ。
店内は改装で一新され、カウンターは明るく、テーブル席も落ち着いた空気をまとった。
ランチは丼、定食スタイルで親しみやすく、夜はしっかり天ぷらと向き合える構成。
新宿で「ちゃんと天ぷらを食べたい」というニーズに応える一軒である。
老舗の歴史を守りながらアップデートを止めない姿勢は、この店の気質を象徴している。
天ぷらの技術
天秀は「軽いのに旨い」——そんな天ぷらを出す。
その理由は、代々受け継がれてきた揚げ油の使い方にある。
江戸時代から続く圧搾製法「王締め絞り」の胡麻油をベースに、サラダ油を独自の比率でブレンド。
軽さと香ばしさを両立させ、衣は薄く、素材の水分を閉じ込めたまま揚げる技法が特徴だ。
2025年11月訪問
新宿で天ぷらといえば「天ぷら 船橋屋 本店」や「つな八」なんかが思いつくが大きな街のくせしてあまり天ぷらに元気のない土地である。

さて、本日は前からの課題店だったこちらへ。
場所は西口。
平日11時35分で一番乗り。

やった、一番乗りと言う事は一番綺麗な油の天ぷらをいただけるというわけだ。
店員さんも愛想よく、二代目と言われる大将の接客もめちゃ気持ちいい。ここまで元気のいいお店も最近珍しいような。

ランチは「かき揚丼」「天重」「天ぷら定食」のみ。
かき揚にするか迷ったけどここは天重をオーダー。
・天重 1,650円

お重に綺麗に盛り付けされている。
具材は海老、穴子、いか、ピーマン、茄子、玉葱。

衣は薄く、タレにくぐらせているがまだサクッとした食感もある。
タイは甘くないタイプは丸みのある醤油ダレが適度で素材を活かしている。

海老は才巻海老だろうか?サイズは小さめだがしっかり香ばしい海老香とプリッとした食感と味がある。
イカはとにかく噛むのが楽しくなるほど柔らかい。玉葱は食感アクセントに甘味が出ている。

味噌汁は鰹の出汁がよく効いたもの。味噌や塩分は穏やかで出汁で勝負する味噌汁だ。好感が持てる。

お漬物、オレンジでひと通り1,650円はなかなか満足度が高い。新宿で手軽にランチならここは間違いないかと思われます。ごちそうさまでした。
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一万円台で名店の味を引き継ぐ店といえば…
店舗情報
• 名称:天ぷら 天秀(てんぷら てんひで)
• 住所:東京都新宿区西新宿7-12-21
• 最寄駅:新宿駅西口(徒歩約7分)/新宿西口駅(徒歩約4分)
• 営業時間:昼 11:30〜13:30/夜 17:00〜22:00(L.O 21:00)
• 定休日:日曜日
• 席数:カウンター・テーブル(リニューアルにより座席更新)
• 予算:昼 1,000〜2,000円前後/夜 6,000〜15,000円前後
• 支払い方法:各種クレジットカード可
• 駐車場:なし
• 備考:明治三十六年創業「天兼」をルーツに持つ/2024年4月26日リニューアル
• 創業:天兼(1903年)をルーツとし、天秀としては平成元年前後に成立






