京都・烏丸にある日本料理店「浜作 新本店」。

本記事では、「浜作 新本店」についてレポートします。
「浜作 新本店」ってどんな店?
2021年7月、京都・新町通六角下ルへ移転開業した「浜作 新本店」。
前身となる浜作は1927年、初代・森川栄氏が祇園富永町で創業した日本初の板前割烹で、料理人がお客様の目の前で包丁を入れ、一品ずつ提供する現在の「カウンター割烹の原点」を築いたお店。
初代は魚屋「魚福」や樽本作次郎のもとで修業を重ね、「浜作」の名を掲げて京都に店を開業。
翌年には銀座本店浜作も誕生し、多くの文化人や政財界人に愛された。
二代目・森川武氏はホテル和食堂や百貨店惣菜売場など、新たな和食文化を切り開き、現在のホテル和食の礎を築いた人物としても知られる。
平成3年には三代目・森川裕之氏が28歳で跡を継ぎ、料理教室を30年以上にわたり続けながら板前割烹の技術を継承。
天皇陛下への献上料理も務めるなど、日本料理界を代表する料理人として高い評価を受けている。
現在は完全予約制で夜営業のみ。
創業100年を迎える2027年に引退を発表しており、約100年受け継がれてきた包丁方と煮方の技術、四季折々の食材を生かした料理、そして初代から続く板前割烹の精神を体感できる一軒となっている。
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実食レビュー【2026年7月訪問】
上の店の説明を読んでもらえたらこの店がどんな店なのかわかると思うのでここでは説明しないが、わかりやすくいえば「日本料理界のラスボス」。
来年で100年を迎えられ、そのタイミングで親方は引退を表明されてます。
場所は四条駅より徒歩8分ほど。
この日は祇園祭のまっただなかで京都の街は大渋滞。
コースは18時〜なのだが、直前に物凄いスコールに見舞われた。結局は5分ほどで止むのだが、一体なんなんだ。
おまけに「男性はジャケット着用必須」ということでこの猛暑&湿気の中、長ズボン、ジャケットで向かう。
普段、短パン、Tシャツ、サンダルの私にはこの時点で物凄いハードルである。
店へは17時半くらいに到着。

いまから始まる祇園祭の高揚感を感じながら、この日だけ解放された建物のなかの屏風などを眺めて時間を潰す。

すげーな。私なんて価値なんてわからないけど。

さて、時間が近づいたので浜作さんへ入店。
店内はL字のカウンター席のみ。
コース金額は、わからない。時価だからだ。
とにかくこの日は鱧がメインのコースであった。
コースが経過して途中で親方が奥へ引っ込んでしまった時に、病気をして体調も悪く、まさに「命を削って料理を提供している」ということを知った。
先に言ってしまうとお会計は10万円税別。これは親方が体調が悪く、出てない料理もあったのでサービスしてくれたようだ。
料理の説明は一切なし。
山本益博さんがこんな事を何かのメディアに書いていた。
「良い料理を味わうためには、料理人だけでなく客もまた見られる(試される)存在である」
それはまさに現代の「お客様は神様」という思想からは乖離している考えだが、全く否定できるかと言われるとそうでもない。
思えば、鮨屋でもなんでもそうだが一見客にピンネタなんぞは出てこない。これはどんな世界でもそうだが、店との信頼関係を構築したうえでのご褒美なのだ。
「客は金を出すんだから最高のサービスをしろ」というのはだいぶお門違いなのだ。店からすれば「おとといきやがれ」なのだ。
しかし、料理はさすがでした。
鱧はこれまで食べたどの鱧よりも美味しかった。
お椀はめちゃ味が薄いと思ったら全くそんなことはなく澄んだ鰹の香りが直線的で美しい。
どの料理も塩が抜群に決まっている。
親方は終始こちらに目を向けることもなく、常連さんとだけ談笑。これはいつもの光景らしい。
食事中に祇園祭の活気ある音が聞こえてくる。一年でこの時だけのめちゃめちゃ贅沢な空間だ。
以下、いただいた料理。


鱧は口に入れた瞬間ふわりとほどけ、淡い香りと、最後に甘い余韻が広がる。
お椀は鰹出汁がひたすら美しく、京料理なのでもっと淡いかと思われたが意外としっかり旨味を感じられるものだった。
しかし器がどれも素晴らしい。

鱧素麺は「鱧100%」というとんでもないシロモノだ。淡くも玄妙なる味わい。
こんな料理食べたことない。
逆輸入のバカラの器は売れば一つ100万円だそうだ。


鱧の湯引き。
口の中でストレスが全くない。ふわっと淡く儚いのにやはり澄んだ香りがある。
口に残らない。
旨い。なんじゃこりゃ。

海老と帆立のパン。

炊きもの。

この鮎は見事。鮮烈な香ばしさ、塩加減、苦味、身の甘さが順番にやってくる。

蓼酢の酸味も華やかだ。これ以上ない引き立て方。

イチジクの胡麻ソース掛け。この胡麻ソースは直前で親方が味見をして、レモンを加えてました。
この味の塩梅が素晴らしいのなんの。

鮑の天ぷらのみぞれ餡がけ。
天ぷらにして旨味を閉じ込めるわけだけど、これは蒸し鮑で食べたかったな。

関西の夏の風物詩である鱧寿司。

以上、腹パンコースでした。
なんだかね、色々と考えさせられるんですが、この曲げないスタイルで商売できるのってもう最後の世代なんじゃないかな。
おかげで非常にいい経験になりました。

非常に重いもの(学び、認識、経験)を持って東京に帰るのでした。ごちそうさまでした。
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店舗情報
店名:浜作 新本店
住所:京都府京都市中京区新町通六角下ル六角町360
最寄駅:阪急京都線 烏丸駅 徒歩約6分(約475m)
営業時間:18:00〜21:00(月・火・木・金・土)
定休日:水曜日・日曜日
席数:-
2021年7月オープン(新本店)/創業1927年9月
備考:完全予約制、カード可、電子マネー不可、QRコード決済不可、貸切可、全席禁煙、駐車場なし、ドレスコードあり(セミフォーマル・男性はジャケット着用)








