大阪・鶴橋にある寿司屋「いり船寿司 本店」。
鶴橋駅から徒歩2分、東成区東小橋に店を構える「いり船寿司 本店」は、老舗「入船寿司」がリニューアルオープンした町寿司。
大ぶりかつ厚めにカットされた新鮮なネタを、昔ながらのシャリで味わうスタイルが特徴で、鰯や鰻など大阪ならではのネタも豊富に揃う。
【いり船寿司 本店】ってどんな店?
創業は昭和40年(1965年)。鶴橋駅近くの千日前通沿いにある、オープン前からいつも行列ができている人気店。
鶴橋と言うと焼肉のイメージだが、この店のためだけに訪れる人も少なくない。
基本は予約不可。ウェイティングボードに名前を記名し順番に案内。支払いは現金のみ。
店主厳選の日本酒や焼酎、〆のあらの味噌汁もご用意され、常連さんが多くにぎわう和の雰囲気漂う空間。
2023年9月28日(木)に閉店し、その6軒となりに10月2日(月)にリニューアルオープン。
開店から15時までは60分制、15時からは90分制と時間が区切られているのでめちゃめちゃ待たされるというストレスはない。
この辺の市場は?
鶴橋駅周辺にはかつて大阪市東成区・生野区にまたがる大規模な卸売市場群「大阪鶴橋市場(鶴橋鮮魚卸売市場)」がありました。
戦後の闇市を起源とし、乾物や日用品店と並んで鮮魚を扱う卸売店が約800店軒を連ね、早朝から京阪神の料理人が買い出しに訪れていた歴史あるマーケットです。
2023年に一旦閉場・更地化されましたが、同エリアの裏通りには7店ほどの鮮魚店が移転・営業を継続中で、一般客向けの小売も行っています(鮮魚店「魚徳商店」「ハヤカワ水産」など)。
さらに、鶴橋駅東側には「大阪鶴橋鮮魚卸売市場」があり、伊勢湾産の水産物を専用の「鮮魚列車」で直接仕入れるルートも存在。築地・大田市場などの大都市市場と同様に、鮮度重視のルートで関西一円へ魚を供給してきました。
したがって、いり船寿司本店など鶴橋界隈の寿司屋は、こうした地元の卸売市場から毎朝仕入れられた伊勢湾や近海の鮮魚をネタに使っていることが多いです。
調達先としては「鶴橋鮮魚市場」の小売店か、業務卸ルートを引き継いだ近隣の鮮魚問屋が主な供給元と考えられます。
2025年6月訪問
中途半端な平日の15時くらいに訪問したら1組待ち。店内に待機用の椅子があって中で待つことができます。
カウンターで食事している人たちがいる中で待つのもちょい気まずいが。
この日は4人で訪問ということでタイミングよくテーブル席に通されました。漬け場が真横なのでカウンターの臨場感はそこそこ味わえます。
鮨は江戸前のものとは全く異なっており、酢〆や煮切りなどネタに仕事をしたり、寝かせてイノシン酸をまわす旨味の方向性ではなく、鮮度命の「食感」に比重が置かれた鮨です。
シャリには砂糖がめちゃ使われてます。
これは押し寿司などの文化の流れで日持ちするシャリです。砂糖がふんだんに使われているのでネタの旨味よりもシャリに旨味がある。だからこそネタに旨味を宿す必要がないと思われます。
これでネタに仕事してたら重いなと感じてしまいます。
東京人の自分からするとこれがまた新鮮な体験でした。
・鱧
梅肉和えで甘味を引き立てます。
・貝柱(平貝)
こちらも食感、そして火入れにより味がでております。
・ウナギ 白焼き
塩山椒につけて食べると旨い。
・ヒラメ
小ぶりなシャリです。だけどネタはシャリに対してやや大きめ。
・剣先イカ、赤貝
・ウナギ 蒲焼き
野郎4人でお会計は一人6,300円。熱燗も何本か飲んで。
鮨を食べに来るというより居酒屋に近い感覚。また新しい体験でした。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:
大阪府大阪市東成区東小橋3-17-2
アクセス:
JR・近鉄・大阪メトロ「鶴橋駅」より徒歩約2分
営業時間:
11:15~21:00(L.O.20:30)/売り切れ次第終了/水曜定休
席数:
18席(カウンター12席+テーブル6席)
予算:
¥5,000~¥5,999(夜平均)
決済:
現金のみ(クレジットカード/電子マネー/QRコード決済 不可)