新潟駅から徒歩10分ほどにある味噌ラーメン店「ラーメン東横 笹口店」。
1980年代、札幌味噌ラーメンに端を発したご当地ラーメンブームが全国を席巻し、1990年代に入ると“最後のご当地ラーメンの聖地”として静かに注目を集めはじめた新潟。今や新潟は、ラーメンフリークにとって避けては通れない“ラーメン王国”として、テレビ番組や雑誌などでしばしば取り上げられる存在となっている。
南北に長い新潟県では、その土地に根付き、地域に愛されてきたご当地ラーメンが多数存在している。その中でも特に知名度が高く、独自の進化を遂げてきた5種類のラーメンが「新潟5大ラーメン」と呼ばれる。
すなわち──
・新潟市古町周辺に根付く「あっさり醤油ラーメン」
・燕市発祥の「燕背脂ラーメン」
・三条市の「三条カレーラーメン」
・長岡の「生姜醤油ラーメン」
・そして「新潟濃厚味噌ラーメン」である。
この新潟濃厚味噌ラーメンの元祖として知られるのが、「ラーメン東横」であり、その一店舗が今回訪れた「ラーメン東横 笹口店」だ。
地元で長年愛される「笹口店」
場所は新潟駅南口から徒歩約10分ほど。まぁまぁ遠く感じる立地だが、地元の人にはよく知られた老舗店。
1983年に創業し、2001年に本店が紫竹山に移転した後も、初代店主の弟がここ笹口店を守り続けている。
店舗はL字のカウンターに加え、小上がりもあってキャパは広め。味噌ラーメン屋?と思うくらい豚骨の香りが漂う。
この日は平日の17時半だったが、すでに半分以上が埋まっている。
客層は地元のサラリーマンから家族連れまで様々で、地方ならではの緩い雰囲気が漂っている。
店舗情報
住所:新潟県新潟市中央区南笹口1-1-38 コープオリンピア笹口 1F
アクセス:JR新潟駅南口から徒歩約10分(約614m)
電話番号:025-243-2460
定休日:火曜日
営業時間: 月・水~土:11:00~22:00 日:11:00~21:00
クレジットカード:利用不可
電子マネー:利用不可
QRコード決済:PayPayが利用可能
看板は「越後味噌100%使用・割りスープ付き」の味噌ラーメン
注文はもちろん、看板メニューの「味噌ラーメン」。
最大の特徴は、「割りスープ」がデフォルトで添えられてくること。
最初は濃厚なスープをそのまま味わい、途中で自分好みに割る──というスタイルなのだが、正直このお好みでどうぞ文化には少し違和感もある。
店主がこだわって作った完成形が目の前にあるのなら、それを黙って味わいたい派。わざわざ提供前に「これ入れてね」なんて言われると、味を変える前提の設計に見えてしまって少し興ざめしてしまうのも本音だ。
とはいえ、スープ自体のインパクトはかなり強烈。豚骨の動物系の出汁がガツンと効き、そこに越後味噌の甘みと塩気が重なる。
味噌というより、醤油のコクやキレも感じる複雑な仕上がりで、例えるなら豚骨味噌醤油といった感じだ。
自家製の太麺は火が通り切ったような均一な食感。柔らかいわけじゃない。
無料トッピングのニンニクと背脂をいれた。ニンニクはすりおろし。余計香る。ジャンクな香りがぷんぷん。
なるほど、ガッツリ濃厚。なんだか東京の二郎のような中毒性。それこそ学生さんや身体を動かす仕事をされてる方に好まれそうな味。
ラーメン県・新潟を代表する一杯
「ラーメン東横 笹口店」は、新潟5大ラーメンの中でも特に「濃さ」という武器で勝負している貴重な存在。
近年は淡麗系や中華そば風のラーメンが脚光を浴びる中、このど直球で重たいしょっぱ旨い一杯が存在感を放っているのは頼もしい限りだ。
味の濃さに関しては賛否両論あると思うが、「新潟で濃厚味噌ラーメンといえばここ」と地元民が口を揃えて言うだけの理由が確かにある。出汁割りがあろうがなかろうが、一口目のインパクトと余韻は唯一無二。
胃袋にガツンと響く味噌ラーメンが食べたくなったら、迷わず「東横 笹口店」へ。
最後まで出汁割は使わなかったぜ。ごちそうさまでした。
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