東京・大塚のラーメン店「中華そば 喜富」。
東京・大塚駅前のホープ軒跡地に、2023年5月20日にオープンした「中華そば 喜富(きふ)」。
荻窪の老舗「丸長中華そば店」(1947年創業)の味を再現し、家系の雄・わいずが直系で手がける新鋭店だ。
不朽のつけそば文化を継承しつつ、現代のラーメン好きをも唸らせる完成度には、期待をはるかに超える驚きがある。
味玉チャーシュー支那竹つけそば 1,500円 2024年8月訪問
昭和22年(1947年)に創業した荻窪の老舗店「丸長 中華そば店」は店主の体調不良を理由に、2023年11月8日に閉店した。
豚骨スープに日本蕎麦の技法であるカツオ節やサバ節で旨みを加え現代のWスープを考案したと言われている。
創業者の青木勝治氏がまかないとして「ざるそば気分で」作ったのが「つけ麺」であり、これがのちのつけ麺で有名な「大勝軒」のルーツとなっている。
そんないまのラーメン界に多大なる影響を与えた店が惜しくも閉店し、この味を後世に残したいという想いから家系ラーメン店「わいず」のヤス社長が丸長の味を再現させた。
ここ、「中華そば 喜富」で「丸長」のが楽しめる。
場所は大塚駅前。めちゃいい場所と思ったらホープ軒の跡地でした。
食券機は外に設置。
店内は横一列のカウンター席。ちなみに外にもカウンター席があります。
店長はベトナムの方でめちゃ日本語が流暢。
わいずグループでは海外の方を積極的に採用している。
社長曰く、「働くのに国籍は関係ないと思っていて単に彼らが優秀だからです」とのこと。
・味玉チャーシュー支那竹つけそば 1,500円
丸鶏、豚ガラ、昆布、野菜など使用し、さらに煮干し、鰹節を重ね、風味が引き立つように数種類のスパイスをブレンドしたスープ。
チャーシューとメンマがたっぷりと入ってる。
国産小麦を使用したストレート麺は菅野製麺所の特注麺。太麺か細麺か選べるようになっている。こちらは太麺。
サラッとしたスープは甘くて酸っぱくて、だけど土台にはしっかりと動物系があって魚介の香りが何とも爽やか。
もはや昭和の時代に味が完成されていて、現代人にも美味しいと思える普遍的な旨味が仕上がっていたのに驚く。
何よりここから派生した大勝軒よりも強い味わいで中毒性がある。
なにこれ、近所ならしょっちゅう来るよ。
カエシには旨味の強い超特選醤油、丸大豆醤油など厳選した醤油を使用。
スープ割りをすれば今度は胡椒の風味とスパイシーさが際立つ。おまけに挽肉も最後まで楽しめるじゃないか。
表情を変え、最後まで駆け抜けダレることが全くない。
確かにこの味がなくなるのは勿体無い。
「中華そば 喜富」では、丸長のラーメン文化がそのまま受け継がれ、さらに現代のラーメン好きにも受け入れられるように進化している。どこか懐かしさを感じさせつつ、新しい味の発見を提供してくれる。
丸長が閉店したことはラーメン界にとって大きな損失ではあるが、その味を受け継ぐ「中華そば 喜富」の存在は貴重であり、ラーメン好きなら一度訪れる価値のあるお店だ。ごちそうさまでした。
極台湾ラーメン 2025年7月訪問
中華そば 喜富では精力的に期間限定を販売している。
何気なくみたお店の「極台湾ラーメン」のリール画像をみて射抜かれた。これは台湾ラーメン好きとしては絶対に食べないといけないやつだ。
・極台湾ラーメン 1,100円
うわぁ、こんな台湾ラーメン見たことない。ちょっと二郎系を彷彿とさせる盛り高だ。
そうそう、台湾ラーメンって赤いだけで結構見た目が地味なんだよね。
こんもりと山になった野菜に超粗びき豚挽肉。そしてまさかのメンマ。
スープを飲んでみるとニンニクのジャンクな香りに唐辛子の刺激。
なかなかの辛さだ。
鶏と豚出汁ベースで味わいとしてはわりとあっさりしてます。
デカ挽肉にまみれた麺をすくい出すと黄色い中太縮れ麺。つけ麺の麺とは異なるようだ。
プリッとしてもれなく挽肉が絡んでくる。
もはや野菜と挽肉をワシワシといただく感覚だ。
台湾ミンチは超粗びき豚挽肉100%。肉です。肉肉しいです。
麺の量としてはそんなに多くはないので、なぜかそこまで罪悪感がない。気のせいだろうけど。
この暑い夏にこそ食べてほしい新感覚・台湾ラーメンだった。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:東京都豊島区北大塚2-14-8 林ビル 1F
アクセス:JR大塚駅北口から徒歩1分
営業時間:月〜土・祝日 10:30〜22:00、日曜日 10:30〜18:00
定休日:不定休席数:12席(カウンター6席、外4席椅子あり)
支払い方法:現金のみ
予約:不可
コメント