東京・根津にある鯨料理専門店「食滋楽」。
「くじら」と読む通り、鯨に特化した都内でも珍しい鯨料理専門店。
鯨っていうと浅草の「捕鯨船」が思いつくけどあそこは煮込みしかなかったっけ?いや、鯨肉も出してるよね?
赤提灯がなんとも味のある外観だが、店内には鯨の資料やビデオなんかも流れており、ちょっとした鯨博物館。店主も鯨博士で、言ってしまえば変態系です。
現在は一日一組のみの営業で貸切状態。
2名〜受け付けているのも凄い。
一部位ごとにかなり丁寧に説明していただけるのでまさに鯨の勉強会のよう雰囲気に笑
鯨ってこんなに美味しかったんだ。そう思える貴重なお店。
この動画は一番下のリンクから❗️
以下、いただいた料理。
青海苔
・鯨出汁のお吸い物
鯨は非常に血が多い生き物。
炊けばたくさんのアクが出てきて、真っ茶色に。何度も漉して水と炊いた鯨出汁は海の生き物のような香りと滋味深さがあって、「え?鯨ってこんな味だったの?」という驚きが大きかった。
・鯨の尾鰭
皮を剥いたゼラチン質のようなコラーゲンたっぷりな尾鰭と鯨出汁と合わせた土佐酢、天然に近づけて育てられた大なめこ。
こちらは味と言うよりも食感を楽しむ一品。
・ニタリクジラの中トロの刺身
ニンニク、山葵、大葉、先ほどの鯨出汁でいただく。
フワフワの食感、どこか鉄っぽさがあり、脂は控えめ。クセなんて全くありません。
・菜の花の胡麻和え
この菜の花の苦味と鯨の血の鉄っぽさがやたらと合う。
・鯨のあいなめ
タルタル状にし、梅、味噌などと合わせて、上には山芋を。酒が合う味付け。
・カノコ
カノコ、潮吹き、尾の身が鯨の中でもサシが入った部位だそうで、カノコも珍しい部位。
大将のこの角度。真剣そのものです。
筋も旨味。噛めば噛むほど味が出るまさに大トロの蛇腹のような旨みがある。
さらに希少なコメカミの部分。
もはや肉です。魚っぽもあるけど味わいは肉。だけど牛の様な臭さもない。まったく不思議です。
もはや臭みのないジビエですな。
・鯨ベーコン
脂はあるけど全く残らない脂。
・鯨の竜田揚げ
衣にジャガイモを使用。この衣自体も美味しい。
大葉とレモンのタルタルソース。
・鯨のタン(さえずり)鍋
鯨は海で歌うことからタンのことを「さえずり」と呼ぶらしい。だから「さえずり鍋」。
とは言っても大将曰くメインディッシュはスープ。「腹一杯だったら残していいです」って言われると余計全部食べなくなる。
油膜が張って全然スープが冷めません。けどこの出汁、うま過ぎる。クリアでいて濃厚という矛盾。
・鯨のおじや
テーマは滋養強壮。
鯨、浅葱、山芋と精のつく食材で作られたおじや。腹パンだけど脂がクドくないから不思議と食べられる。
・リンゴとレモンのシャーベット、蜂蜜がけ
お会計は一人約21,000円。
調味料から食材、さらにはお酒までこだわりまくっており、単なる鯨料理店にあらず。
なにより大将の変態性が最高でした笑。ごちそうさまでした。
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