東京・麻布十番にある鮨屋「鮨 薪介」。
東京・港区、麻布十番。高級レストランや個性派グルメが軒を連ねるエリアの中でも、鮨好きの間でひそかに話題になっているのが「鮨 薪介(すし まきすけ)」。
場所は麻布十番駅5b出口からすぐ。叙々苑の隣のビルの一角にひっそりと佇み、入り口はやや奥まっているため、初見では少し迷うかもしれない。しかしその先には、“港区の鮨屋”のイメージを体現する上質な空間が広がっている。
店内はL字型カウンターのみ。椅子はまったく寿司屋らしくない、ラグジュアリーなソファ仕様で、まるで高級ラウンジのよう。照明や設えにもかなりお金がかかっていることが一目でわかる。
コースは税込27,500円の一本勝負。つまみから握りへと続く王道の流れですが、その内容には随所に大将のセンスと遊び心が光る個性派演出が。全体で3時間弱とやや長めですが、リクエストすればペース調整にも快く応じてくれる柔軟さも魅力です。
コースはつまみ数品、握りの流れで会計までいれて3時間弱とややロング。店内、我々だけになったので少しスピードアップをお願いしたら快く対応してくれました。
つまみから攻める、個性豊かな前半戦
「鮑」や「鰹」といった定番の一皿からコースはスタート。
中でも柔らかく煮た蛸は甘めの味付けで、素材の味を残しつつ優しく包み込むような仕上がり。蛸本来の味も濃厚。仕事の丁寧さが光ります。
ここで鯵の握り。小さな鮨下駄に乗せて提供されるなど、遊び心のある演出も。かわいらしいです。
そして驚かされたのが「ボウズギンポ」。都内の鮨屋で出すのはかなり珍しいのでは?フワフワ・トロトロの身に、皮のゼラチン質の旨みが絡み、甘辛の味付けが抜群。
さらなる個性派が「ノドグロ×ほうれん草の手巻き寿司」、通称「ノドれんそう」。
ベーコンやラーメンにも合うほうれん草の脂との相性に着目して生まれた一貫。
では、魚で合わせるならと考えたのがノドグロだったそうだ。
海苔の香りとノドグロの脂が絶妙に調和。こういう発想は、鮨職人というより料理人の引き出しを感じさせます。
握りは伝統と革新が共存する美しさ
後半は握りへ。
白烏賊から始まり、中トロ、大トロ、小肌、赤身の漬けなどを経て、胡麻鯖、北寄貝、縞鯵へ。
特に縞鯵は舌触りトゥルントゥルンでエロい身質です。
穴子は煮るのではなく、干し焼きで醤油を塗ると言う個性的な仕事。いつものフワフワではなく香ばしさと焼き魚の旨みがシャリに合う。
ビールと烏龍茶一杯で約29,000円。
唯一残念だったのが隣の同伴のおじさん、大将にタメ語で偉そうにしててマウント取ってたこと。
ああいういかにも港区な老害にはならないよう気をつけようと思う夜でした。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:東京都港区麻布十番2-19-7 綱代マンション102
アクセス:東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番駅」から徒歩約2分(約194m)
営業時間:火~日 17:00~23:00(最終入店 20:00)
定休日:月曜日
座席数:カウンター8席のみ
予算:ディナー 20,000~29,999円
支払い方法:クレジットカード可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
予約方法:電話予約(03-6809-6716)または公式Instagram経由
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