静岡県静岡市にある蕎麦屋「手打ち蕎麦 たがた」。
静岡市・常磐町。街の喧騒を抜けた先に、ひっそりと暖簾を掲げる「手打ち蕎麦 たがた」。
在来種そばの魅力を広めるために立ち上げられ、全国のそば好きから注目される、静岡の隠れた名店です。
「手打ち蕎麦 たがた」はどんな店?
店主・田形治さんについて
店を切り盛りするのは店主の田形治さん。
「ラーメンやうどんのように、誰もが当たり前に食べてきた蕎麦こそ、地域の文化を映すもの」と語る田形さんは、静岡在来作物連絡推進協議会の会長を務め、地元の在来そばの保存と普及に尽力しています。
井川地区での焼き畑そばの栽培にも携わり、ただ蕎麦を打つだけではなく、“食文化の伝承者”として活動しているのも大きな特徴です。
お店の雰囲気
和紙や土壁を使った落ち着きのある和モダンな空間。
カウンター7席にテーブル席、さらに掘りごたつ席も用意されており、一人でふらりと立ち寄ることも、家族や友人としっかり食事を楽しむこともできます。
夜には10〜20名規模での貸切にも対応しており、そば会席を囲んでの集まりにも最適です。
在来そばへのこだわり
「たがた」の最大の魅力は、日替わりで登場する在来種そば。
静岡在来が並ぶ日もあれば、長野や福井など全国から取り寄せたそばが提供されることも。
しかも、産地だけでなく製粉や挽き方を変えることで、まるで違う表情を見せるのが面白いところです。
さらに、それぞれのそばに合わせてつゆも調整されるため、そばとつゆのペアリングを楽しむことができるのも醍醐味。
実食レビュー 2024年8月訪問
しまった。11時半オープンに合わせてホテルで時間調整してた私がバカだった。
来てみるとすでにオープン前から行列ができてるじゃないか…
こちらは記帳制です。
1,300円で蕎麦に小野菜天丼とお新香までつくランチセットもそそられるが、ここはせっかくなので二種食べ比べにしよう。
20分待ってようやくカウンターへ案内される。
店員さんはキビキビとした動きにハキハキとして気持ちのいい接客です。店は狭いのでやや忙しないが。
店主の田形さんによる蕎麦の食べ方。
・もり二種食べ比べ 1,500円
最初につゆとイタリアの塩が出てきた。塩は海外産特有のキメが粗いものですね。
鹿児島の十割。
鼻を近づけてみると、蕎麦の香りが強く、鮮烈です。十割特有のざらっとした舌触り。
穀物の渋みを感じたあと、徐々に甘味が増していくこのグラデーションが楽しくなっていく。
イタリアの塩は見た目通り塩味が強く、それが逆に蕎麦の甘味や香りの輪郭を際立たせてくれる気がします。
ここで次に使う塩昆布つゆが出てきた。蕎麦屋でこんなのが出てくるんだ。こりゃ面白い。
2種目は福井の十割。
見た目なんてほぼ変わりません。だけど香りで言えばさっきの鹿児島の方が強いな。
しかしだ、甘いぞ。
噛めば噛むほど味が湧き出てくると言うか、福井より甘くなっていく。これはいい。
産地でこれほど違いが出るとは。香りや味わいの違いを表現したいから十割にこだわってるんだろうな。
もちろん工業製品ではないのでその時によって風味なんかは変わってくるだろうし、「福井はこういう味」「鹿児島はこういう味」だとか自分の中で決めつけ過ぎるべきではないと思ってます。
じゃあなんで食べ比べするの?と言われるとただ単純に同じ十割なのに違うというのが楽しいからです。
それはただ胃袋におさめるだけの行為ではなく意外と脳を使うものです。食事に向き合って食事を楽しむ。そのきっかけを与えてくれるのが食べ比べなんじゃないかな。って自分一人語りでした。
こちらでは自家栽培に加え、各地から厳選仕入れする蕎麦の実は、日替わりでのご提供されるので、リピーターを産む。
機会があればいつかコースも食べてみたい。ごちそうさまでした。
店舗情報
店名:手打ち蕎麦 たがた(てうちそば たがた)
所在地:静岡県静岡市葵区常磐町2-6-7(常磐公園すぐそば)
アクセス:JR静岡駅より徒歩約10分。専用駐車場あり(3台)で車でも便利です
店内空間:和紙や土壁を使ったモダンな和風インテリア。カウンター7席、テーブル1卓、掘りごたつ席もあり、10〜28名の貸切にも対応可能
営業時間・定休日:昼 11:30〜14:00(LO13:30)、夜 17:30〜21:30(LO21:00)。
定休は月曜と日曜夜
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