東京・三軒茶屋にあるちゃんぽん屋「來來來 (らいらいらい)」。
東京・三軒茶屋の街を歩くと、カフェやバルが軒を連ねる中に、ふと昭和の香りがする一軒が現れる。
白地に朱文字の看板、そして暖簾に染め抜かれた「來來來」の三文字。
「來來來(らいらいらい)」──。
都内でも屈指の長崎ちゃんぽん・皿うどん専門店である。
創業は昭和59年(1984年)。
以来、40年以上にわたり、地元民だけでなく九州出身者にも愛され続けてきた“東京ちゃんぽん界の顔”とも言える存在である。
「來來來」ってどんな店?
場所は東急田園都市線「三軒茶屋駅」北口B出口から徒歩3分。
キャロットタワー方面へ向かう途中、商店街の賑わいが少し落ち着いたあたりにある。
創業者は長崎出身。
上京後、地元で慣れ親しんだ“本場ちゃんぽんの味”を東京で再現したいと、1984年に三軒茶屋で「來來來」を開業。
今では都内で“ちゃんぽん”といえば必ず名が挙がる存在となった。
現在は2代目に引き継がれ、小さな店ながらも昼時には行列ができる。
外観はレトロな白地看板に朱色の文字で「來來來」。
店内はカウンター5席、テーブル2卓の計13席。
壁には年季の入ったメニュー札、奥には中華鍋が唸りをあげる厨房。
どこか懐かしい空気が流れ、昭和の町中華の良き時代を感じさせる。
創業以来、親子二代で守られてきた味。
「來來來」のちゃんぽんは、“東京における長崎ちゃんぽんの原点”とまで称されることもある。
厨房から響く中華鍋の音が心地いい。
長崎ちゃんぽんの真髄
看板メニューはもちろん「ちゃんぽん」。
白濁したスープにたっぷりのキャベツ、モヤシ、玉ねぎ、にんじん、キクラゲ、豚肉、エビ、イカ、かまぼこ、竹輪──が泳ぐ。
この一杯のために用意される具材は実に10種類以上。
一杯の丼に、まるで長崎の港町の恵みが凝縮されているようだ。
スープのベースは豚骨と鶏ガラを合わせたもの。それを香味野菜で整え、ラードの香ばしさを少しだけ纏わせる。
見た目は濃厚だが、実際に口に含むと驚くほどあっさり。脂の重さがなく、むしろ野菜の甘みが立つ。
スープを飲み進めるうちに、じんわりとコクと深みが増していく。
麺は長崎から仕入れる専用ちゃんぽん麺。
少し太めの中太麺で、柔らかめに仕上げるのが特徴。
この「少し柔らかい」食感こそ、ちゃんぽんの命である。
ひと口すすると、甘み、コク、香ばしさが絶妙に混ざり合う。
ラーメンのようにスープと麺を別々に作るのではなく、ちゃんぽんはひとつの鍋で全てを仕上げる。
そのため、具材の旨味がダイレクトにスープへ移り、麺がその旨味をまるごと吸い上げる。
まさに一体化した料理と言える。
「來來來」のスープは派手ではない。
しかし、飲み進めるごとに深みが増していく。
この静かな旨味の積層こそ、東京で40年愛される理由だろう。
皿うどんも名物
「皿うどん」は、細麺タイプと太麺タイプが選べるのが「來來來」の面白いところ。
細麺皿うどん:パリパリに揚げた極細麺の上に、具沢山のあんをとろりとかける。
太麺皿うどん:モチモチとした中華麺を炒め、香ばしく焼き上げる。
具材はちゃんぽんと同じく、野菜・海鮮・肉類がたっぷり。
ラードの香りが食欲を刺激し、あんのとろみが麺によく絡む。
スプーンですくえば、熱々の餡から立ち上る湯気と香ばしさ。
シャキッとした野菜の歯応え、ぷりっとしたエビ、イカの旨味──。
特に太麺皿うどんは“東京では珍しい存在”。
焼きそばのようでいて、味わいはちゃんぽんスープの延長線上。
この融合が、常連客の心を掴んで離さない。
サイドメニューと一品料理
ちゃんぽんと皿うどんの二枚看板に加え、「とりちゃんぽん」や「ソボロちゃんぽん」といった派生系も人気。
一品料理も町中華の魅力が詰まっている。
- 餃子(6個) ¥550
- チャーハン ¥850
- 半ちゃんぽんセット ¥1,250
特にチャーハンは秀逸。パラリと炒め上げた米粒に、ラードの香りが心地よく広がる。
シンプルながらも、ちゃんぽんとの組み合わせが最高のバランスだ。
2018年7月訪問
三軒茶屋にはちゃんぽんの名店が二店ある。
一つは「長崎」という店。
どちらかというとこの店は全体的にかなり薄味たった。優しい味わいだが少し味としては物足りなさを感じた。ボリュームはかなり多い。
そして本日は「來來來」へお邪魔する。
この店、福山雅治やラーメン王の石神氏など有名人などから熱烈な支持を得るお店。
来てみると意外と空席あり。
暑いもんね。
店内はカウンターとテーブルが二つ。
店員は2名。
ちゃんぽんってよくラーメンと混合されがちだけど作り方が違うんです。
ラーメンはスープはスープ、麺は麺でそれぞれ独立して作って最後にスープと麺を混ぜる。
だけどちゃんぽんは同じ鍋で全て作られる。
だから麺も柔らかめ。はい、豆知識。
10分もしないうちにやってきた。
ちゃんぽん 1,000円
野菜が盛り盛り。半分が野菜。
野菜高いから贅沢だね。
シャキシャキとクタの中間くらい。
具材はキャベツ、玉ねぎ、モヤシ、ゲソ、エビ、豚肉…etc…
とにかくたくさんの具材が惜しげもなく入っている。
野菜の甘み、スープのまろやかさが渾然一体となってて美味い。
麺は細めかな?
ちゃんぽんの麺なので少し柔らかめ。ちゃんぽんはこれでいいんです。
全体のボリュームはなかなか。
鶏出汁なのか豚出汁なのかは分からなかったがライトでありながらもしっかり旨味を感じるスープ。
クドくもなく物足りなくもない。
「長崎」のように薄味ではなく味の輪郭はハッキリしている。
無我夢中で食べる。
汗だらだら。
こういうのがいいんだよ。
ちゃんぽん屋で上品に食うことなかれ。
個人的にここのちゃんぽんはかなりオススメです。昔、本場長崎で食べたちゃんぽんを思い出しました。
味は最高だけどドアが開きっぱなしだった為、蚊に刺されたこと以外はいいお店だと思います。次は皿うどんが食べたい。
東京で“長崎”を食べる
東京におけるちゃんぽんの店はいくつかある。
しかし、昭和から味を守り続けている店は数えるほどしかない。
「來來來」は、そんな“数少ない生きた伝統”だ。
ラーメンとは違う、炒めと煮込みの融合。
スープを吸った柔らかな麺、香ばしいラード、野菜の甘み。
九州の味を東京で体現するということ。
それは、郷愁を再現するだけでなく、東京の水・空気・人に馴染ませてきたからこそできたことだろう。
【來來來】の動画
店舗情報
住所:東京都世田谷区太子堂4-27-10
アクセス:東急田園都市線「三軒茶屋駅」北口B出口から徒歩約3分
営業時間:
平日 11:30〜15:00/17:00〜21:30
土日祝 11:30〜20:30
定休日:水曜日・第3木曜日
席数:全13席(カウンター5席+テーブル2卓)
予算:¥1,000〜¥2,000
決済:現金のみ(クレジットカード・電子マネー不可)
コメント
コメント一覧 (1件)
「こういうのがいいんだよ。」でIKKOさんと五郎さんがシンクロしました。。。^_^ ;