「鮨 全国制覇」第13弾は福岡県。
福岡も鮨処で他にも気になる店があるがまずは今話題の「菊鮨」へ。
博多駅から鹿児島線に乗り換え大野城駅まで約20分ほど。駅から店まで徒歩10分くらい。
辺りはとても静かな住宅街。そこにポツンとお店がある。
1980年創業、2012年に二代目が引き継ぎ名をあげたお店。
大将はモナコの五つ星レストランで副料理長として活躍していたそうだ。
引き継いだ当初は1,000円ランチを出すなど地元客向けだったが自分のやりたい事をやる為、今の独自路線に走る。
では入ってみるとする。
とても静かな空間だ。
大将は積極的に会話をするタイプではないが質問すれば真面目にこたえてくれる。
本日はランチのおまかせコースを。
まずはビールで1人乾杯。
真蛸の酢の物
蛸の上にジュレ、オクラのたたきが乗ったもの。
真蛸自体は柔らかくオクラと酸味のあるジュレも爽やかだ。
店内が酢のいい香りが漂う
二種類の赤酢を入れシャリをきる。
梅の茶碗蒸し
金目で出汁をとった梅の茶碗蒸しは非常にシンプル。
酸も強すぎず風味も品に満ちている。
中にはユリ根が入っておりいいアクセントに。
ガリ
酸味を感じ辛さと甘さはかなり控えめ。
甘鯛
島原の甘鯛で塩と昆布で締めて5日寝かせたもの。
寝かせただけあって水分がいい具合に抜けてねっとりと品のある甘みに。
シャリは米の水分量を指定して農家さんに作ってもらっているそうだ。
もっちりとして硬さもちょうどいい。
握りはソフトで繊細。
イサキ
五島列島のイサキ。舌触りよく脂ののりもよく香りもいい。
春子鯛
玄界灘の地物のチダイ。
他のネタは水分を抜く仕事を行うがこちらはチダイの持ってる水分を活かした一品。
みずみずしさが印象的。
鯵
壱岐の鯵。まさに旬の鯵は特に香りが素晴らしくフレッシュだ。
淡々と握っていくが、表情はとても穏やかな大将。
大トロ
シャリの色が変わりさらに濃くなった。
こちらも赤酢です。
沖縄の鮪で半月寝かせたもの。
圧倒的な香りと甘味がこのパンチのある赤酢のシャリとよく合っている。
九州でまさか熟成鮨が出てくるとは思わなかった。
九州の人達はどう思うのか知りたい。
煮帆立
塩をあてて三日寝かせ、低温で火入れをして帆立から出た出し汁に味をつけて漬け込んだもの。
とても柔らかくみっちりしておりツメも濃厚。
小肌
3日寝かせた小肌。
締めてからじっくり水分が抜かれておりムチムチの食感は独特だ。
太刀魚
皮目を炙っており香りもいい。身質もきめ細かくしっとりと。
大将は穏やかに、淡々と握っていく。
とても柔らかい雰囲気の人だ。
車海老
志賀島。甘みも強い。
この赤酢のとの相性も抜群。
アサリ
こちらは握りでなくお皿で出てきた。
煮アサリに濃厚なツメの甘み、ツンとした山葵と酸味とコクがある赤酢のシャリ。
丼でいただきたいくらい。
紫雲丹
壱岐。トロンとしてマイルド。
まさにこの赤酢のシャリとの相性がいい。
赤出汁
ナメコ入り。ホッとする。
穴子
あまりいい時期じゃないが何千本の中の一本という超エリートのもの。
炊いた後で焼いておりフワフワトロトロ。
ラストの玉子焼き
玉子焼き
芝海老の風味が爽やかで中心にいくにつれてカスタードの様になっていく。
デザート
グレープフルーツとキュウイとジュレ。
爽やかな水物で〆る。
以上がランチのお任せコース。
全体的なテンポは非常にゆったりとしている。
豊洲はほとんど通さないそうだ。
というか食材は九州で揃うので通す必要がないとのこと。地物のものをたっぷり堪能できる。
今回は大将の意向で金額は伏せる。
だけどその金額に驚きます。
是非一度来てビックリしてください。
昼は赤字でやる時もあるらしいが九州にも江戸前鮨をもっと広めたいというアツい想いがある様だ。
そして訪問後に「ミシュラン一つ星獲得」とのニュースが。おめでとうございます。
遠くてもわざわざ訪れたいお店でした。ごちそうさまでした!
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