2007年/アメリカ映画/152分
ビリー・コスティガンは犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志す。
一方、ボストン南部一帯を牛耳るマフィアのボス、コステロの手によって幼い頃から腹心の弟子として育てられてきたコリン・サリバンもまた警察官を志す、コステロの内通者となるために。
同じ警察学校で優秀な成績を収めた二人はお互いの存在を知らぬままそれぞれの道を歩き出す。
マフィアへの極秘潜入捜査を命じられたビリーは自ら犯罪者へと身を落としてコステロのもとへ身を寄せ、少しでも疑われれば殺される、危険と背中合わせの日々を送る。
一方コリンは、エリート警察官としてマフィア撲滅の最前線に立ちながら、警察の動きをコステロに逐一知らせ、捜査の手から逃し続ける。やがて、マフィアと警察の双方で始まったスパイ探し。自分の正体を暴かれることなく、どちらが先に相手にたどり着けるのか。
ラストまで目が離せないけどラストが…
最近になってやたらとお気に入りの巨匠マーティン・スコセッシ監督作品。
レオナルド・ディカプリオ、マッド・デイモン、ジャック・ニコルソンらの豪華俳優陣を迎えてのギャング映画。
マフィアであるジャック・ニコルソンを逮捕する為に潜入捜査を命じられるディカプリオ。
そして裏でジャック・ニコルソンと繋がっているエリート警察のマッド・デイモン。
二人の「ネズミ」を軸に物語は進むんだけど結構これがハラハラする。
鑑賞する者としてはやはりディカプリオを応援したくなるんだけど(マッド・デイモンはなかなかゲスいし)、いつ正体がバレるのかハラハラドキドキのシーンの連続。
スコセッシ監督の見せ方は本当に上手くて最後までダレることなく観ることができる。
本当毎回感心するばかり。
というか彼の作り出す空気感が自分に合ってるのかな。
いま好きな監督は?と聞かれれば間違いなく彼の名前を挙げるだろう。
だけど今回は結論から言うと最後の最後でちょっと尻すぼみといった感じ。
一年間もの潜入捜査の末、めちゃめちゃあっけなくディカプリオが殺されるんですよ。
銃で「パン」って。
たしかに驚くよ。
原作観てないからこの後のストーリー知らんし。
けどね、観てる方からしたらこの一年間なんだったんだよ。
っていう感じ。
おまけにマッド・デイモンから個人データも消され、報酬ももらえず殺されるディカプリオはあまりにも報われなさすぎるのではないだろうか?
そもそもなんだけど「警察のネズミがマッド・デイモンだ」ということに気づいたディカプリオは何でわざわざビルの上にマッド・デイモンを呼び出したのか?
マッド・デイモンを追い詰める何かとっておきの策があるのかな?と思ったけど
「お前ふざけんなよ!」って殴るだけ…
なんじゃそりゃ。
警察を裏切っていたんだからマッド・デイモンがネズミだという証拠を警察にぶちまけるとかもっとうまいやり方で反撃の仕方があったはずなのにあまりに幼稚するぞディカプリオ。
原作では十年間ものマフィアへの潜入捜査で自分が警察なのかマフィアなのかわからなくなるくらい錯乱してしまうと言った精神的に追い詰められる描写があるらしいが本作では潜入捜査は一年間。
一年間であんなに薬がいるくらいになるのかな?
マッド・デイモンは最後の最後で警察を辞めたマーク・ウォールバーグに銃に撃たれてあっけなく死んでしまうのもなんだか…
っていうかなんでお前辞めたくせに色々情報掴んでんだよ。
都合良すぎだろ!
という風に丁寧にコツコツと積み上げてきた物語が最後はちょっとパッパッと行きすぎてなんか物足りなさを感じた。
確かにこの時点で映画の尺は2時間半なので色々と事情があったのかは知らないがこのラストなんて明らかにもうひと盛り上がりできたでしょう?
これなら3時間くらいに尺を伸ばしてもっと丁寧にラストも描いて欲しかったというのが個人的な感想。
まぁ気になった点は最後くらいでトータル物語の構成は上手いし楽しめた。
設定がどう考えても面白くなるストーリーだしね。
何年かしたらまた見返したい映画でした。
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