【ドラマ】半沢直樹2「魂を揺さぶる傑作の誕生」

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女優の竹内結子さんが亡くなったその日、半沢直樹の最終回が放送された。

「生きていれば何とかなる」

妻役の花ちゃんの半沢直樹に対する言葉が我々の胸に突き刺さった。

白井大臣の盆栽をぶん投げての「クタバレ」、半沢の辞表を破り紙吹雪の中颯爽と去っていく大和田の「あばよ!」

特に最終回は数え上げたらきりがないほど強烈なセリフのラッシュ。

そして箕部幹事長を追い詰める圧倒的なラスト。

前作と全く遜色のないほどのカタルシスをまさか続編で感じさせてくれるとは思わなかった。

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私は原作が好きで「ロスジェネの逆襲」までは楽しく読めたが実は四作目の「銀翼のイカロス」で規模が大きくなりすぎてしまって少し冷めてしまった思いがある。

今作はそんな「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」をドラマ化したものだが果たして後半の巻き返しがどうなるかやや不安であった。

規模が大きくなればなるほど物語に無理が生じてくるしそれだけ説得材料がいる。

だけど結果それは杞憂におわった。

役者の迫真の演技、アドリブ力、製作陣の大胆な原作からのアレンジがより良い方へ転がり、まるで作品に魂が宿ったような感覚だ。

まさか原作より面白くなるとは誰が予想しただろう?

視聴者は半沢直樹が最後に勝つ事は知っているしこのドラマがバッドエンドで終わるはずがないのもわかっている。

原作もので大枠が決まっていながらもそれをいい塩梅で崩し作り変える脚本家達の仕事に感服しかない。


 

たしかに多少の無理があるしツッコミどころは満載だ。

かくなる私も当初はこの半沢直樹第二期の一回目の放送を観て「コンプラが厳しいこの時代にそぐわない設定」や「役者の過剰演技」など否定的なツイートをしてしまったが途中から「そんなものはわかりきった上で作ってます」みたいな完全に開き直りともとれる内容に己のTweetのナンセンスさを認識した。

これだけ作品に魂が宿り回を追うごとに熱量が増していった要因はSNSの存在が大きい。

思えば毎回Twitterをのぞけば物凄い数のひとたちが感想をつぶやいてるし放送翌日には必ずYahoo!ニュースの記事になっている。

というか放送期間中は毎日何かしらの半沢直樹に関する記事がニュースになるという異例の事態。

(観てない人からすればウザかっただろうな)

似たような記事も多く見られるがそれでもコメント欄を観れば視聴者の熱い想いが綴られており、さらに驚いたことにこのドラマに関して否定的な文章がほぼ見当たらない。

番組を観ている国民が一丸となって半沢直樹を応援する。

SNSにまつわる暗いニュースが蔓延するこの時代になんて前向きなSNSの使い方だろうか。

その勢いがプラスとなり役者の目も回を追うごとにどんどん勢い付いていき、完全に役と同化していった。

物語の時代設定は古くとも、SNSといういまの時代に完全にハマった奇跡的な作品と言えよう。

次の放送までの一週間を心待ちにして各々あれこれと考察する。

録画して一気見するよりも長い間作品に浸ることができたという事を考えると本来のテレビのあり方みたいなことを考える。

すぐにネット配信しなかったのも巧みな戦略だ。決して見逃しは許されない。

録画機能が便利になりリアルタイムでテレビを観ることが古いとされる昨今、毎週欠かさず時間になればテレビの前にいる。

これがどれほど凄いことか。

と、だいぶアツイ感想になってしまったが観てない人は色眼鏡をつけずに是非観て欲しい。

これだけスケールの大きい作品になったので三作目の物語を作るのは正直厳しいだろうな…

けど必ず観ます。作ってください。

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