2000年/アメリカ映画/125分
優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験することで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタジー。成功を夢見て恋人ケイトと別れロンドンへ旅立ったジャック。13年後のいま、ジャックは大手金融会社の社長として、優雅な独身生活を満喫していた。クリスマス・イブ、昔の恋人ケイトからの電話があったが、かけ直すことはしなかった。その夜、自宅で眠りについたジャックだが、目覚めると、ケイトと我が子2人に囲まれた家庭人ジャックになっていた……。
これ20年も前の映画なんだ。
昔から存在は知っていたけどなかなか手を出せずにいたのは邦題のセンスのなさ。
「天使がくれた時間」っていかにも過ぎるではないか。
あらすじを読めば内容もわかってしまう様な映画なのでさらにこの邦題は観る者を遠ざけるのに一役買ってしまっている。
原題は「THE FAMILY MAN」。
うーん、多少なりともまだこちらの方が。
さて、いま触れた様にこの映画、あらすじでほぼ内容がわかってしまう。
いわゆる「もしもシリーズ」である。
ある日目覚めると昔振った彼女と結婚しており子供までいるもう一人の自分になっている。
公開当時なら斬新だったかもしれないが現代ではもう何度もこすられた手法である。
最初は裕福ではない暮らしに不満を募らせるが次第に妻や子供の存在の有難さを知るという超王道ストーリーである。
とは言えニコラスケイジの演技がなかなか良くて最後までダラダラと観れてしまう。
冒頭の全裸ハイテンションなんかも振り切ってます。「ガキの使いやあらへんで」のザ・ハイテンションベスト10に出てもらいたいくらいだ。
ていうか独身のニコラスケイジも凄い楽しそうじゃないか。仕事はめちゃ順調な上セフレもいるし。
結婚という選択肢を取らなかった者も結局はそれはそれで幸せなんでしょう。
家族の大切さは勿論わかるんだけどこの映画、何か少し古い結婚観に縛られてるように思えてならない。
これが今の時代なら「独身でもいいじゃないか」みたいな逆の作品にもなっていたかもね。
さて、気になる点と言えばキーマンとなる黒人。この黒人が別世界の案内人的な立ち位置なんだけど最後までコイツが何なのか明かされません。だから唯一モヤモヤが残るとしたらこの黒人です。
それに元の世界に戻ったニコラスケイジが元カノに会いに行くシーン。
女からしたら昔の男がわざわざ空港まで追っかけてきて存在しない子供の名前なんか言い出すあたりかなり気持ち悪いと思うんだけど。
絶対普通なら頭のイカれたやつだと思われるよね。
まぁあくまでこれは映画だから綺麗に終わろうとしたんだろうけど、例えば最後にはお互い別々の道を歩む「ラ・ラ・ランド」みたいなラストに惹かれてしまう私としてはどうしても余韻の物足りなさを感じてしまう。
独身時代に観ればありがちな結婚観に嫌気がさしていたであろうが妻子持ちのいま観るとなんだかんだわかるよ。みたいな。
人って観る環境によって映画の印象ってガラッとかわるんだなと改めて思いました。
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