本日は「恵比寿えんどう」で漁師や鮨職人たちとの貸切会。
大将の遠藤記史さんは「鮨 水谷」、「鮨 さいとう」、「長谷川稔」と超が付く名店を渡り歩いた方。
オープンは2019年2月ですでに予約困難店となっている。
場所は恵比寿駅から徒歩5分ほどのビルの4階。
わりと静かな場所にあります。
大将 : 遠藤記史さん
会うのは2回目だが相変わらず妙に肩の力抜け切ったこの感じ。穏やかだが志は高い。
あと世界一マニアックなYouTubeやってます。
仕入れは豊洲、産直が半々。
めちゃめちゃ魚に対して造詣が深いです。
料理は基本的にこの上なくシンプル。
足す事よりもいかに素材の良さを引き出すかに注力しており非常に好感が持てました。
自分なりにこれまでの伝統を咀嚼し再構築しコースに盛り込む。
以下、いただいた料理。
鯛・鯵
産直で鯛が藤本さん、鯵が長谷川さんの。
神経〆。どちらも食感はフレッシュ、香りよく状態も流石です。
スッポン
甘辛の味付け、香ばしい香りに嫌みない程度のじんわりとした脂、むっちりと弾力のある肉質。
品のある山椒の香りが鼻腔を刺激する。
松葉蟹のしゃぶしゃぶ
シンプルに蟹味噌と。
鰻
宍道湖の鰻炭火焼き。
しっかり目に焼かれ、皮はパリッと、身はふっくら。
胡瓜
細かく包丁が入った胡瓜に自家製の塩麹を掛けたもの。鰻の後の油切りとして。
あん肝
コクあり旨味も強め。
余韻も綺麗な余市のあん肝。
カラスミ食べ比べ
奥が産卵直前、手前が産卵初期のもの。
産卵初期はつぶつぶが大きく玉子感が強い。
塩味は控えめでナチュラルな味わい。
少量のご飯と一緒にいただいた。
メジマグロ
細かい包丁をいれた皮は非常に脂がのっておりパリパリ。
半レアのムチっとした身とのグラデーションを楽しむ。
そう言えば鮪の皮を食べる機会ってなかなかないな。
金目鯛
鴨川。脂はいい感じ、香りもそこそこ。
シャリは米酢のみかな?あくまでネタが主役と言わんばかりの優しいタイプ。
ホロリと解け感がいい感じ。
鰆
答志島。香りよりも昆布感の旨味が強い。
赤貝
藤本さんの愛媛の赤貝。
香りはちょい淡めだが甘みはバッチリ。
あとフォルムが珍しい。
中トロ
三厩釣り。
赤身
三厩釣り。
アオリイカ
本来の烏賊の甘みがよく出てます。
ねっとりとして旨味も強くシャリ馴染みもいい。
カンパチ
串本。トロを思わせる脂の強さで味もしっかりしてる。ネタの存在感としては今日一か。
帆立
野付。かなり厚めで食感も爽快、甘味、海苔の香りも素晴らしい。
鯖
三重の長島。
シャリのおこげ
これも珍しいです。
ひたすら香ばしさの余韻を楽しむ。
鰻
なんと穴子じゃなく鰻の握り。
この時期は穴子がない為この店では鰻を出すとのこと。
確かに中途半端なクオリティで出すよりもこちらの方が前向きである。
そして美味い。
トロタク
手巻きで海苔は有明。
いただいた酒
お会計は29,800円。
ここではそもそも魚じゃないという理由で玉が出ない。
本来巻物に使用する巻き簾(まきす)もパリパリの海苔で提供する手巻きにしてしまえば使う意味はないということで不使用。
鮨屋ですっぽんも出すし、いい穴子がない時には代わりに鰻を握る。
無条件に「それが文化だから」と自分の頭で考えることをやめてしまう職人とは一線を画し、今までの伝統を遠藤大将なりにブラッシュアップしていってる感じ。
時代を作っていくのはこういう人なんだろうな。ごちそうさまでした!
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