東京には、国内外の美食家を引き付ける世界最高峰の高級天ぷら店が集まっている。
銀座、日本橋、麻布などの中心街には、職人が目の前で揚げる伝統の江戸前天ぷらの名店が軒を連ねている。
本記事では、実際に訪問した高級天ぷら店を実食レビューとともに紹介。接待や記念日、自分へのご褒美など、特別な一日に訪れたい名店を厳選してまとめた。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
銀座・築地エリア
天麩羅なかがわ

築地で20年近く暖簾を守る「みかわ是山居」系譜の名店。
店主・中川崇氏は「みかわ是山居」で17年間研鑽を積み、2004年に独立。高温で一気に火入れする香ばしい江戸前天ぷらを軸に、素材ごとに揚げ方や脱水具合を細かく変えながら、独自の理論でそれぞれの持ち味を最大限に引き出している。
車海老は火入れを変えて二本提供するなど、一品ごとの仕事の細やかさが印象的。
魚介や山菜、野菜まで香ばしさと旨味の輪郭が際立ち、追加注文する常連が多いのも納得の完成度。東京を代表する高級天ぷら店として、一度は訪れたい実力店。
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清壽

2008年に築地で開業した「清壽」は、赤坂の名店「楽亭」で研鑽を積んだ清水良晃氏が営むミシュラン一つ星の天ぷら店。
毎朝築地市場で仕入れる旬の魚介や野菜を用い、江戸前天ぷらの王道を丁寧に表現する一軒として高い評価を集めている。
太白胡麻油を使用し、一組ごとに油を替える徹底した管理のもと、薄衣で素材の旨味を閉じ込める軽やかな天ぷらを提供。
華美な演出ではなく、素材と技術で魅せる正統派の江戸前天ぷらを堪能できる、東京を代表する名店の一軒。
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日本橋・人形町エリア
みかわ 是山居

2009年、門前仲町に開業した「みかわ 是山居」は、半世紀以上にわたり天ぷらと向き合ってきた「天ぷらの神様」と称される早乙女哲哉氏の集大成ともいえる一軒。
車海老の甘味、鱚の水分、墨烏賊の歯切れなど、素材ごとに異なる揚げ時間を見極め、食べ手が口へ運ぶ瞬間から逆算して火を入れる。
薄衣で素材の香りを立たせ、車海老は中心をレアに、鱚は旨味を残して脱水し、穴子は香ばしい衣とふわりとした身を両立。
雲丹の大葉巻きや小柱のかき揚げまで、江戸前天ぷらの一つの基準を築き上げた。
やぐち、あらたみかわ、うめ庵など多くの独立店へ技術と哲学が受け継がれる、東京の天ぷらを語るうえで外せない存在である。
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天ぷらやぐち

2020年7月に人形町で開業した「天ぷら やぐち」は、ミシュラン一つ星を獲得する人気店。
店主の谷口一樹氏は、天ぷら界の名店「みかわ是山居」で22年間修業を積み、同店で最も長く研鑽を重ねた職人。
師・早乙女哲哉氏から受け継いだ江戸前天ぷらを礎としながら、自身の感性を加えた王道の天ぷらを提供している。
綿実油と胡麻油を用いた高温での火入れにより、香ばしい衣と素材本来の力強い旨味を引き出すのが特徴。
特に矢口さんの天ぷらは高温でハードで香ばしい衣が印象的。
みかわの流れを受け継ぎながらも、谷口氏ならではの豪快さと繊細さが共存する一皿を味わえる、東京を代表する高級天ぷら店の一軒。
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ふく庵

「みかわ是山居」で7年間修業した中島昭彦氏が2017年に門前仲町で独立。
師譲りの江戸前天ぷらを驚くほど良心的な価格で提供する一軒で、夜のおまかせコースでも気軽に楽しめる価格設定が大きな魅力。
車海老の半レア気味の火入れや、ふわりと仕上げた鱚、甘みを引き出したアオリイカ、香ばしく揚げた穴子など、一品ごとに素材に合わせた火入れが光る。
みかわ系譜ならではの技術を肩肘張らず堪能できる、高級天ぷら入門にもおすすめの実力店。
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江戸前晋作

2022年5月、人形町へ移転した「江戸前晋作」は、独学で天ぷらを極め、ミシュラン一つ星を獲得した西村晋作氏が営む予約困難店。
「みかわ是山居」の天ぷらに衝撃を受けながらも弟子入りはせず、自宅で幾度も試作と検証を重ね、独自の理論と技術を築き上げた異色の経歴を持つ。
食材ごとに粉や衣の配合、火入れ、調理法を変える徹底した探究心が最大の特徴。
穴子や魚介はもちろん、蕪やジャガイモといった野菜にも焼きや蒸しの技法を組み合わせ、それぞれの素材に「天ぷらにする意味」を与えている。
既成概念にとらわれない発想と圧倒的な技術で、江戸前天ぷらの可能性を広げ続ける東京屈指の名店。
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日本橋 蕎ノ字

2000年に静岡で創業し、2016年に人形町へ移転した「日本橋 蕎ノ字」。
島田市の蕎麦店に生まれた鈴木利幸氏が、「天ぷら食って蕎麦で〆る」を形にしたミシュラン一つ星の予約困難店。
駿河湾の魚介や掛川の野菜、自ら採る山菜、静岡の塩や地酒まで揃え、東京で静岡の風土を表現している。
太刀魚に加え、クルミの新芽、島田人参、舞阪海苔、鹿肉など、土地の個性が明確な食材を天ダネに選ぶのも特徴。
アスパラガスは穂先と根元で揚げ時間を変え、島田人参は約20分かけて甘味を引き出すなど、素材ごとの香りと水分を細かく調整。
最後は桜海老のかき揚げ蕎麦と香り高い二八蕎麦で油を切り、天ぷらと蕎麦を一続きの料理として完成させる。
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日本橋 天ぷら浅沼

2022年9月に日本橋で開業した「天ぷら浅沼」は、銀座の名門「天一」で約9年間研鑽を積んだ浅沼努武氏が営む高級天ぷら店。
山形県出身の店主が地元食材も積極的に取り入れ、開業から最速で食べログ百名店に選出されるなど、高い評価を獲得している。
最大の特徴は、食材ごとに配合を変えるマイナス23℃の衣と、100%胡麻油による軽やかな揚げ上がり。
さらに塩や天つゆだけに頼らず、自家製醤油や黒七味など調味料まで組み合わせ、一皿の料理として完成させる独自のスタイルを確立。
山形の食文化や感性を織り交ぜながら、伝統的な江戸前天ぷらに新たな価値を加える、東京でも個性際立つ一軒。
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赤坂・麻布エリア
虎ノ門 天ぷらあらたみかわ

2024年8月、虎ノ門ヒルズにオープンした「天ぷら あらたみかわ」は、「みかわ是山居」で11年間研鑽を積み、免許皆伝を受けた小川比佐男氏が独立した江戸前天ぷら店。
「新しいみかわ」という意味を込めた店名は、師である早乙女哲哉氏が名付けたもので、みかわの伝統を受け継ぎながら独自の表現を追求している。
太香胡麻油と綿実油を用い、高温・短時間で素材の持ち味を引き出すみかわ流を軸としながら、車海老や穴子、アオリイカ、季節野菜まで一品ごとに最適な火入れを施す。
メゴチ、ギンポ、マッシュルームなど、師の技術を継承しつつも小川氏ならではの個性が随所に光る。
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天てんぷら うち津

2008年7月オープン。ミシュランガイド東京で二つ星を獲得する「天てんぷら うち津」は、店主・内津貴久氏が手がける名店。
和食で培った技術を土台に、食材ごとに衣を作り替え、その日の状態を見極めながら揚げる独自の天ぷらで高い評価を集めている。
油は太白胡麻油と綿実油をブレンドし、旬を最優先した素材選びを徹底。
そのため、江戸前天ぷらの定番にこだわらず、香箱蟹や下仁田葱、子持ち蝦蛄、河豚の白子など、その時季に最も状態の良い食材を天ぷらへと昇華させる。
さらに和食の技法を取り入れた椀物や締めの食事まで完成度が高く、伝統と創造性が融合した唯一無二の天ぷらコースを味わえる一軒。
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南青山 まさみつ

2017年10月に開業した「南青山 まさみつ」は、住所・電話番号非公開の完全紹介制店。
店主の泰間正光氏は、ザ・リッツ・カールトン東京「ひのきざか」で統括料理長を務めた経歴を持ち、一日一回転に限定して、その日の食材と向き合いながらコースを組み立てている。
海苔の天ぷらに雲丹をのせた一品から始まり、イクラを裏ごししたソースで味わう餅、キハタの西京漬け、焼いてから揚げる手羽先、帆立天を添えた冷やしカレーうどんまで、天ぷらと和食の境界を自在に行き来する。
素材の甘味や香りを引き出すだけでなく、調味料や見せ方まで含めて一皿を完成させる、経験豊富な料理人だからこそ成立する独創的なコース。
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渋谷・恵比寿エリア
天ぷら 元吉

外苑前から恵比寿へ移転した「天ぷら 元吉」は、店主・元吉和仁氏が手がける東京を代表する革新派天ぷら店。
ミシュラン一つ星を獲得し続け、従来の江戸前天ぷらの枠にとらわれない自由な発想と独創的なコースで国内外の食通を魅了している。
素材ごとに火入れや構成を変え、生と揚げを組み合わせた白海老や、四角く成形した野菜の天ぷら、湯葉で具材を包む一皿など、他では味わえない表現が次々と登場。
香りや温度、食感まで緻密に計算された料理は、天ぷらという料理の可能性を大きく広げている。
移転後は空間演出もさらに磨かれ、料理・店内・体験すべてが一体となった唯一無二の天ぷら店へと進化を遂げている。
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天ぷら北川

2025年1月に恵比寿で開業した話題店。店主・村田直彦氏は静岡の名店「成生」の天ぷらに衝撃を受けて独学で天ぷらを研究し、技術を磨き上げた。

低温でじっくり火を入れる独創的な揚げ方と、静岡の生産者から届く食材を生かしたコースで、新しい天ぷらの表現を追求している。
サスエ前田魚店の鮮魚や長期熟成した野菜などを使い、魚は旨味を凝縮させ、野菜は素材の甘みを閉じ込めるように仕上げるのが特徴。
軽やかな衣と繊細な火入れによって素材本来の個性を際立たせる一皿が続き、従来の江戸前天ぷらとは異なる魅力を体験できる注目店。
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天婦羅 みやしろ

中目黒駅から徒歩約5分、築100年の長屋を改装した「天婦羅 みやしろ」。
ホテルなどで料理長を務めた宮代直亮氏が腕を振るい、ミシュラン一つ星を獲得する完全予約制の天ぷら店。
看板のない古民家の外観に対し、内部には洗練されたカウンターが広がる。
車海老や鱚といった天ダネに加え、海老天の海苔巻き、鮑の肝ソースに天むすと雲丹を合わせたリゾット風の一皿、シャトーブリアンの湯葉巻きなど、和食の技法を組み込んだ構成が特徴。
締めもトマト入りの昆布出汁ご飯とかき揚げを混ぜ合わせ、天ぷらをコース料理として展開する宮代氏の発想が随所に表れている。
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飯田橋・神楽坂エリア
飯田橋 てんぷら拓

2024年に神楽坂エリアへ移転した「てんぷら拓」は、独学で天ぷらを極めた増田拓実氏が営む注目店。
春日部で開業後すぐに高い評価を集め、東京進出から間もなくミシュランガイド東京2025のセレクテッドレストランに掲載された実力派。
最大の特徴は、炭酸水を使った軽やかな衣と繊細な火入れ。太白胡麻油を用い、食材ごとに温度や衣の状態を細かく調整することで、素材本来の旨味や甘味を引き出している。
車海老や穴子、旬の魚介や野菜まで、一品ごとに異なる表情を見せる天ぷらは、重さを感じさせず最後まで心地よく食べ進められる。伝統を尊重しながら独自の表現を追求する、次世代を代表する天ぷら店の一軒。
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上野・秋葉原エリア
天々蕎々 うめ庵

2025年3月オープン。「みかわ是山居」で約8年間研鑽を積んだ梅澤崇氏が独立し、天ぷらと手打ち蕎麦を一つのコースで味わえる新しいスタイルを打ち出した一軒。
10歳から蕎麦を打ち続けてきた経験も生かし、店名の通り天ぷらと蕎麦を両輪に据えたコースを提供している。
素材の旨味をじっくり引き出す火入れが持ち味で、車海老や鱧、穴子、椎茸などは香ばしさと凝縮した旨味が際立つ仕上がり。
締めには手打ち蕎麦やかき揚げ蕎麦、お抹茶まで楽しめ、みかわ系譜の技術と蕎麦文化を融合させた、東京でも注目を集める新世代の高級天ぷら店。
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