渋谷駅周辺はもちろん、神泉や桜丘、代官山方面まで個性豊かなイタリアンが点在するエリア。
本格郷土料理を味わえる一軒から薪窯ピッツァ、ワインを楽しめるトラットリアまで、幅広い選択肢がそろっている。
本記事では、渋谷駅から徒歩圏を中心に実際に訪れたイタリアンを実食レビューとともに紹介。ランチやディナー、デート、記念日など、目的に合わせて選びやすい店をまとめている。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
イタリア料理
ess.|名店出身のWシェフが素材の本質を引き出す神泉のイタリアン

2024年11月、神泉にオープン。「イル・テアトリーノ・ダ・サローネ」や恵比寿「Lemon」で経験を積んだ北野敏庸氏と山口智也氏が、役割を固定せず二人で一皿を仕上げる。

愛媛・藤本さんの蛸は根セロリとクラムチャウダーの泡を重ねても濃い味と香りが埋もれず、山利のしらすはコラトゥーラ、レモン、カラスミで冷製フェデリーニに。熊本あか牛のボロネーゼや、血の旨味を残したかすみ鴨まで、素材の個性を料理として明確に立たせている。
カウンター越しに調理を眺められ、コースとアラカルトの両方に対応。奇をてらわず、素材の質と火入れ、組み合わせの精度で食べさせる、渋谷・神泉で間違いなく美味しいイタリアンがいただける。

ARMONICO|大分の豊かな食材を独自の感性で再構築する代官山の実力派イタリアン

2013年に恵比寿で創業し、2018年に代官山へ移転。イタリア三つ星「オステリア・フランチェスカーナ」で研鑽を積んだ佐々木泰広シェフが、大分の食材とイタリア料理を融合させるコースを提供する。
「調和」を意味する店名の通り、イタリアの技法を土台に、日本の風土や食材を取り入れた独自の料理が魅力。
由布院のモッツァレラや佐賀関のイサキ、大入島の牡蠣、臼杵の赤足海老など、大分の食材を主役に据えながら、それぞれの持ち味を丁寧に引き出す構成が印象的。
特に魚介の旨味を幾重にも重ねた牡蠣の一皿や、香り高い赤足海老のタリオリーニ、熟成した京都中勢以の但馬牛など、一皿ごとに素材の個性が際立ち、最後まで飽きることなく楽しめる。
イタリア料理をそのまま再現するのではなく、日本だからこそ表現できる形へ昇華させたコースは完成度が高く、価格以上の満足感がある。

CUJORL|和の感性を取り入れた創作イタリアンと個性派パスタランチ

2009年オープン。ニューヨークやパリのレストラン、プライベートヨットなど国内外で経験を積んだ船越雅代シェフが手がける創作イタリアン。イタリア料理を軸に、和の食材やスパイスを組み合わせた自由な発想の一皿を提供している。
山椒やへべすなど和のエッセンスを取り入れた料理に加え、ランチでもその個性を感じられるのが魅力。
マグロとししとうのアラビアータは、細かくほぐしたマグロがひき肉のような食感で旨味を広げ、ごま油を思わせる香ばしい風味が重なることで、中華を連想させるような独特の味わいに仕上がっていた。定番のイタリアンに一工夫を加えた料理を楽しめる一軒である。
ランチはパスタやメインなど複数のセットを用意し、サラダ付きで1,400円前後と利用しやすい価格帯。セルリアンタワー裏の落ち着いた立地で、渋谷駅近とは思えない雰囲気の中、ゆっくりランチを楽しめる。

Italian bar Jurio|サンマのコンフィと手頃なパスタランチを楽しめる神泉のイタリアンバル

神泉駅から徒歩約2分、渋谷の喧騒を離れた路地裏に構えるイタリアンバル。
赤いテントと手書きの黒板メニューが目印で、カウンターとテーブルを配した小さな店内には、現地の食堂を思わせる温度感がある。
夜は赤身の旨味を楽しめるアンガス牛モモ肉のタタキや、骨まで柔らかく仕上げた丸ごとのサンマのコンフィなど、ワインを飲みながら少しずつつまめる料理が揃う。
突出した高級感ではなく、料理と価格、空間のバランスがよく、神泉で気軽に大人飲みしたいときに重宝する。
平日のランチはパスタにサラダ、パン食べ放題、ドリンク、プチデザートが付いて1,100円前後。ボリュームと価格の両方に優れ、渋谷・神泉で普段使いできるイタリアンとして覚えておきたい一軒。

neo|本格的な小皿料理とナチュラルワインを気軽に楽しめる神泉の立ち飲みイタリアン

2021年8月、神泉にオープン。下北沢「ダニエラ」などで経験を積み、「アウレリオ」「日和」を展開する大本陽介氏が手がける3店舗目で、ナチュラルワインとイタリア料理を立ち飲みで楽しめる一軒である。
低温で火入れした自家製プロシュートコットは、西洋山葵の香りが肉の旨味を引き立てる。
熱々のパンにアンチョビバターを合わせた一皿や、砂肝と野生エノキをニンニク、オリーブオイル、イタリアンパセリで炒めたピエモンテ風の料理など、シンプルながらワインの進むツボを押さえている。
予約不可のスタンディング形式で、一軒目から二軒目まで使い勝手がいい。料理のポーションとワインの価格も現実的で、神泉で軽く飲みたいときにおすすめ。

ピッツァ
ピッツァ ケベロス 明治神宮前店|SAVOYの流れを汲む、軽やかなナポリピッツァ

2014年7月、明治神宮前にオープン。ナポリピッツァの名店「SAVOY」で経験を積んだ小原直氏が手がける一軒で、店名の「KEVELOS」はギリシャ語で「窯職人」を意味する。

気温や湿度まで見ながら長時間発酵させた生地を薪窯で焼き上げ、サクッと軽く、内側にはもっちりとした食感を残す。
一番人気のマリナーラは、酸味の立ったトマトにほのかなニンニク、しっかり効かせた塩味、薪窯による焦げの苦味が重なる。構成はシンプルだが、生地の軽さと香ばしさが明確で、SAVOYの系譜を感じさせる仕上がりである。
ランチにはサラダが付き、明治神宮前駅から徒歩約2分とアクセスも良好。
職人の動きを間近で見られるカウンターもあり、原宿・表参道エリアで本格的なナポリピッツァを気軽に味わえる一軒。

ピッツェリア カンテラ|全粒粉の香ばしい生地と夜景を楽しめる明治神宮前のピッツェリア

明治神宮前の「Q plaza」9階に構えるピッツェリア。開放感ある店内から東京の夜景を望め、若い客層で賑わう一方、料理は雰囲気先行ではなく、生ハムや前菜、ピッツァ、パスタまでしっかりと作り込まれている。
特徴は全粒粉を使った香りの強いピッツァ生地。
ビスマルクは厚みのあるもっちりとした生地に、生ハム、半熟卵、モッツァレラ、グラナパダーノを重ね、全粒粉の香ばしさと具材の塩味を卵のまろやかさがまとめる。
透けるほど薄く切った22か月熟成プロシュートや、釜揚げしらすとカラスミのペペロンチーノもワインを自然に呼ぶ仕上がり。
ナチュールワインも充実し、夜景を眺めながらカジュアルに食事を楽しめる。華やかな立地にありながら料理の軸はぶれず、デートや友人との食事に使いやすい一軒。

閉店・移転した店
テアトロアッカ|ピッツァとリストランテを融合させた原郁人シェフの独創的イタリアン

2021年12月、神泉へ移転オープン。原郁人シェフが手がけるイタリアンで、薪窯ピッツァとコース料理を融合させた独自のスタイルを確立した一軒。
店名の「テアトロ(劇場)」の通り、料理が次々と展開するライブ感も魅力。
「鮨」に見立てた前菜や生ハムのパンナコッタから始まり、雲丹・ノレソレ・ホタテ・タラバガニを合わせた魚介のピッツァ、薪焼きの土佐あかうしと一年熟成米のリゾット、モリーユ茸と白子のタリオリーニなど、既成概念にとらわれない発想が続く。
料理ごとにワインを惜しみなく注ぐペアリングも名物で、最後まで「驚き」と「楽しさ」が途切れないコース。
なお、2026年2月に千葉県木更津へ移転し、「ACCA OSTERIA」として営業している。

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