肉割烹は、和牛をはじめとする肉を主役に、焼く、炙る、煮る、揚げるなど多彩な調理で仕立てる日本料理のスタイル。
東京にはコースを中心とした高級店だけでなく、比較的リーズナブルに肉料理を楽しめる店も点在している。
本記事では、東京で実際に訪れた肉割烹をエリア別に紹介。肉の質はもちろん、料理の組み立てや調理法にも注目しながら、おすすめの店をまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
肉屋 田中|肉師・田中覚氏が生産者から受け継ぐ、和牛料理の到達点

精肉店に生まれ10歳から包丁を握ってきた肉師・田中覚氏が自らの名を掲げる肉割烹。
神戸牛や但馬牛を中心に、生産者や血統、月齢まで見極め、卓越した「磨き」と火入れでその個性を引き出す。
昆布〆した長期肥育のサガリを炭火で焼き、サーロインは一番出汁でしゃぶしゃぶに。40カ月を超えるシャトーブリアンなど、余計な技巧を重ねず肉そのものの香りと味の濃さを際立たせる。
生産者から受け取った和牛を最高の状態で客へつなぐ、田中氏の肉への哲学が凝縮された一軒。
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まとい 銀座|神戸牛を日本料理の技法で引き出す銀座の肉割烹

銀座に構える「まとい 銀座」は、神戸牛を中心に、和牛と旬の食材を組み合わせた肉割烹。
料理長の伊藤平氏は「SATOブリアン」出身で、焼肉で培った肉への理解を土台に、炭火焼き、刺身、椀物、しゃぶしゃぶ、鮨、かつサンドまで、和牛を多彩な料理へ展開している。

特徴は、肉の質だけなく、温度や香り、出汁との組み合わせまで細かく考えられていること。
神戸牛ロースは昆布〆やしゃぶしゃぶで脂の融点と甘みを見せ、サーロインやヘレは炭火焼きで個体ごとの香りと余韻を引き出す。
さらに白甘鯛や松茸、季節野菜などを織り交ぜることで、肉料理の連続でも単調にならない。和牛を主役に据えながら、日本料理として一つのコースにまとめ上げる完成度の高い肉割烹。
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日本焼肉はせ川 表参道店|黒毛和牛を日本料理の技で味わう肉割烹

表参道に構える「日本焼肉はせ川 表参道店」は、焼肉と日本料理を融合させた独自のスタイルを掲げる。
芝浦の老舗肉卸「神谷商店」から仕入れる内臓肉や厳選した黒毛和牛を扱い、肉質だけに頼らず、切り方や火入れ、出汁、季節食材との取り合わせまで日本料理の発想で組み立てている。
コースでは焼肉を軸としながら、和牛を刺身や手鞠寿司、椀物といった異なる仕立てでも表現。
実食ではサーロインを松茸の沢煮仕立てにするなど、和牛の脂を出汁へ溶け込ませ、その旨味まで料理として生かす仕事が印象に残った。焼肉の力強さと割烹料理の繊細さを一つの流れで味わえる。
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士士(SISI)|和牛を和食の技で昇華する完全予約制の肉割烹

六本木に構える「士士(SISI)」は、「吉兆」で20年腕を磨いた大槻隆昌氏が手がける完全予約制の肉割烹。
扇矢精肉店が選ぶ但馬牛や近江牛、神戸牛を使い、焼くだけでなく、握り、たたき、椀物、すき焼き、茶漬けなど和食の技法で肉の表情を引き出していく。
印象的なのは、肉の脂や旨味を単体で完結させず、出汁や旬野菜へつないでいく構成。甘鯛の椀には和牛の脂を忍ばせ、椎茸や筍にも肉の旨味を重ねるなど、コース全体で「和牛をどう料理するか」を見せてくれる。
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肉割烹 上|38カ月飼育の但馬牛を料理として昇華する、うしごろの肉割烹

うしごろグループが西麻布で手がける「肉割烹 上」。ミシュラン一つ星を獲得した肉割烹で、料理長・大久保丈太郎氏がサシの量ではなく赤身の旨味に目を向け、長期飼育の但馬牛を軸にコースを組み立てる。
刺身や鮨、すき焼き、ステーキと牛肉の表情を変えながら、スッポンや魚介の出汁、雲丹、毛蟹、甘鯛などを織り込み、肉をより旨く食べさせる流れを構築。
高級食材の華やかさに頼らず、温度や食感、香りの重なりまで計算され、重さを残さずフィナーレへ運ぶ構成力が光る。
鮨店を思わせる6席のカウンターを中心とした端正な空間も含め、肉質だけでは語れない「料理としての和牛」を味わえる。
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六本木 大皿焼肉 老中|古伊万里の大皿で魅せる、焼肉と割烹の交差点

名古屋で支持を集める「大皿焼肉 老中」が、2025年に六本木一丁目へ進出。
古伊万里の金襴手にその日の上質な肉を盛る「大皿焼肉」を軸に、刺身、椀物、土鍋ご飯など日本料理の要素を織り交ぜ、焼肉をコース料理として組み立てている。
肉は味噌漬けや泡醤油、黒七味といった和の調味で表情を変えながら展開。
後半にはタンやヒレ、赤身などを大皿で供し、肉そのものの味へ着地させる流れも特徴的。
器や空間まで和の美意識で統一し、従来の高級焼肉とは異なる肉割烹的な世界観を打ち出している。
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肉亭ふたご iki 本郷三丁目店|焼肉を和食の発想で組み立てる「ふたご」の高級業態

「大阪焼肉・ホルモン ふたご」を展開するFTG Companyが手がける「肉亭ふたご iki」。
熊本県産の黒毛和牛「黒樺牛」などを軸に、焼肉へ出汁や薬味、季節の食材を重ねた肉割烹を展開する。
厚切りのタンは肉汁を残し、小腸は脂を落としすぎないよう火を操るなど、専属の焼き手が部位ごとに仕上げを変える。
牛肉の手巻きなど和の趣向を織り交ぜ、上質な肉を単に焼くだけではなく、一つのコース料理へと組み立てている。
旅館を思わせる完全個室も大きな魅力。料理、焼き手の技術、プライベートな空間まで一体となった、接待や記念日にも使える肉割烹となっている。
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