九段下は、靖国神社や日本武道館を擁する一方、オフィスや大学も集まる街。平日の普段使いから、武道館でのイベントや観光時の食事まで、ランチを探す人の目的も幅広い。
本記事では、九段下駅より半径800mに絞って実際に食べ歩いた店をジャンル別に紹介。安く楽しめる店、おしゃれな店、ひとりでも立ち寄りやすい店など、用途に合わせて選べるランチをまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
ラーメン
二階堂|天然出汁の旨味を生かした無化調の中華そば

九段下駅から徒歩3分ほどの「二階堂」は、1997年創業の「杉本商店」を前身に持つラーメン店。
国産食材と天然出汁を使い、化学調味料に頼らず、鶏と魚介の旨味を丁寧に重ねた中華そばを提供している。
通常の醤油ラーメンに加え、つけそばや季節限定麺まで選択肢が広い。
醤油つけそばは、地鶏の濃厚な旨味に煮干しなどの魚介出汁を合わせ、りんご酢の爽やかな酸味で全体を引き締めた一杯。
つるりとした平打ち麺はみずみずしく、小麦の香りもしっかり感じられる。九段下で、出汁を軸にした丁寧なラーメンを味わいたいときにおすすめ。

九段下 中路│濃厚さの中にも重さたさを残さない味噌ラーメン専門店

2022年に九段下でオープンした味噌ラーメン専門店。赤味噌ラーメンは3種類の赤味噌と白味噌をブレンドし、牡蠣ペーストや自家製芝麻醤を加えた、濃厚さの中にも重たさを残さない一杯。
実食した赤味噌ラーメンは味噌の香りが立ちながら塩味は穏やかで、中太縮れ麺との絡みも良好。
挽肉や野菜の旨味もスープに重なり、最後まで飲み進めたくなるバランスの良さが印象的。

中華そば 勝本|料理人歴36年の技術を落とし込んだ清湯醤油

九段下からも歩ける「中華そば 勝本」は、フレンチの世界で36年間腕を磨いた松村康史氏が立ち上げた一軒。
長崎・九十九島産の煮干しをたっぷり使い、鶏や削り節を重ねたスープは、魚介の香りが立ちながらも雑味がなく、厚みのある旨味へきれいにまとまっている。
中華そばは、鶏油のコクをまとった清湯醤油に、いりこや節の香りがふわりと抜ける見事なバランス。
浅草開化楼の麺は主張しすぎず、しなやかな歯触りでスープとの一体感を優先している。昼休憩なしの通し営業なので、九段下周辺でランチの時間がずれたときにも立ち寄りやすい。

つけそば 神田 勝本│太さの異なる二種の麺で食わせる鶏清湯つけ麺

九段下から神保町方面へ歩いた場所にある「つけそば 神田 勝本」は、元フレンチ総料理長の松村康史氏が創業したつけ麺店。
「銀座 八五」の姉妹店でもあり、煮干しや節、鶏の旨味を重ねた清湯スープを軸としている。

「清湯つけそば」は、浅草開化楼の細麺と中太麺を二種盛りにした独特の構成。まろやかな醤油の清湯スープに、それぞれ異なる食感と喉越しの麺がよく馴染む。
大ぶりで柔らかなチャーシューも存在感があり、最後はすだちを絞ったスープ割まで楽しめる。

神保町 可以│「渡なべ」グループのケンちゃんラーメンインスパイアな一杯

高田馬場「渡なべ」系列として2010年にオープンした「神保町 可以」。

煮干し中華そばは、山形「ケンちゃんラーメン」を思わせる構成で、煮干しを強く押し出さず、動物系と重ねたじんわり奥行きのあるスープに仕上げている。
自家製の縮れ麺は小麦の風味が強く、硬めの食感と口の中で暴れるような存在感が印象的。

中華
おけ以│ニンニク不要の老舗餃子店

飯田橋で1954年創業の「おけ以」は、手作りの皮と餡にこだわる老舗餃子店。
ニンニクを使わず、豚肉、白菜、ニラを包んだ餃子は、こんがりとした羽根が印象的。
焼き上がりは薄皮がパリッと香ばしく、中は肉汁を含んでトロッと柔らかい。奇をてらわない昔ながらの王道の味わいで、ニンニク不使用のためランチでも食べやすい。
九段下から飯田橋方面へ足を延ばしてでも味わいたい一軒。
三幸園 白山通り店│何食べても旨い行列町中華

神保町で1956年創業の「三幸園 白山通り店」は、餃子を中心に幅広い中華料理が揃う老舗町中華。
焼き・水・揚げと3種類の餃子を楽しめるほか、チャーハンやニラそば、生姜焼きなどランチ向きのメニューも充実している。
焼餃子は香ばしい皮とジューシーな餡、水餃子は厚めでもっちりとした皮が印象的。
チャーハンはラードの香りが食欲を誘い、ニラそばは鶏ガラ醤油にたっぷりのニラと生卵を合わせた昔ながらの味わい。

揚子江菜館│冷やし中華発祥?美しき冷やし中華がいただける

神保町で1906年創業の「揚子江菜館」は、冷やし中華発祥の一説を持つ老舗中華料理店。
名物「五色涼拌麺」は富士山の四季をイメージし、錦糸卵、チャーシュー、きゅうり、椎茸など多彩な具材を盛り込む。
タレは甘みを軸にほどよい酸味を効かせ、中細ストレート麺はしっかりとしたコシがある。肉団子やうずらの卵まで隠れた具沢山の一杯で、見た目の華やかさだけでなく食べ進める楽しさもある。
純中国伝統料理四川料理 芊品香│本場の味をそのままに

2015年にオープンした「純中国伝統料理四川料理 芊品香」。四川から仕入れる香辛料を使った麻婆豆腐や、手作りの刀削麺を中心に、本格的な四川料理を手頃な価格で楽しめるお店。
実食した麻辣刀削麺は、胡麻のまろやかさに酸味と辛さを重ねたスープに、ほうとうを思わせる極太の刀削麺を合わせた一杯。
不揃いの麺はツルッとした舌触りとモチモチの弾力があり、挽肉やパクチーもアクセントになっている。

カレー
タケウチ 神保町本店│フレンチ・イタリアンを経験したシェフによるカレー

九段下から神保町方面へ足を延ばした場所にある「タケウチ 神保町本店」は、ホテルやフレンチ、イタリアンで経験を積んだ竹内智シェフが手がける洋食店。
牛すじと香味野菜をベースに、独自のカレーを仕立てている。
実食した「海の二重奏」は、エビやホタテ、イカを使ったクリーミーなカレーと魚介のキーマ風を組み合わせ、色鮮やかな野菜や果物を添えた一皿。まろやかなコクとスパイス、魚介の旨味が重なる。

ガヴィアル│神保町を代表する欧風カレーの名店

神保町で1982年創業の「ガヴィアル」は、創業以来継ぎ足してきたソースに28種類のスパイスを合わせる欧風カレー専門店。
玉ねぎや香味野菜をじっくり仕込み、濃厚なコクと甘みの奥から辛さが広がる。
実食したミックスカレーは、アサリ、海老、チキン、うずらの卵など具沢山。最初に甘みが立ちながら、食べ進めるほどスパイスの辛さと深みが重なり、硬めのライスと溶けたチーズもよく馴染む。
じゃがいもとバターが添えられる昔ながらのスタイルも含め、神保町らしい欧風カレーを味わえる一軒。
ライスカレー まんてん│昭和のライスカレーを食べられる店

神保町で1981年創業の「ライスカレー まんてん」は、路地裏に構える昔ながらのライスカレー専門店。
ひき肉が溶け込んだ、とろみの強いルーに、カツやシュウマイ、コロッケ、ウインナーなどを組み合わせられる。
実食したかつカレーは、素朴で丸みのある重たいルーに、サクッと揚がったカツとウインナーを合わせたボリューム十分の一皿。
洗練されたカレーとは違い、ガツガツ食べて腹を満たす「昭和のライスカレー」らしさが魅力となっている。
価格を抑えながらしっかり食べられる、神保町の学生街らしさを今に残す一軒。

うどん
トウキョウサンフラワーイイダバシ│旨い讃岐うどんを気軽に立ち食いで

飯田橋で2020年にオープンした「トウキョウサンフラワーイイダバシ」は、「おにやんま」の流れを汲む立ち食い讃岐うどん店。
平日は朝6時30分から営業し、打ち立てのうどんを手頃な価格で味わえる。
実食した冷たいかけうどんは、いりこの香りが立つ澄んだ出汁に、エッジのある太麺を合わせた一杯。
麺はつるりと滑らかな喉越しながら、噛めばグッと抵抗する弾力があり、天かすを加えると油のコクと食感がアクセントになる。
朝食からランチまで、短時間で本格的な讃岐うどんを食べられる使い勝手の良さも魅力。

洋食・ハンバーガー
folk burgers&beers│ファイヤーハウス出身!迫力のグルメバーガー

神保町駅からすぐの「folk burgers&beers」は、本郷三丁目「FIRE HOUSE」出身の高野和彦氏が2018年に開いたハンバーガー店。
粗挽きの肉厚パティを炭火で焼き上げる、食べ応えのあるバーガーを楽しめる。
ベーコンチーズバーガーは、ジューシーなパティに厚切りベーコン、チーズ、焼き玉ねぎ、レタス、トマトを重ねた豪快な構成。
サクッと焼かれたバンズと肉の弾力、野菜の瑞々しさが一体となり、かなりのボリュームながら最後まで食感の変化を楽しめる。

エスニック料理
TOKYO BHAVAN|ダバインディアの味を継ぐ本格南インド料理

九段下駅から徒歩5分ほどの「TOKYO BHAVAN」は、名店「ダバ インディア」で12年間店長を務めた柳谷宗良氏が2023年に開いた南インド料理店。

厨房には同店で10年以上腕を振るったタミルナドゥ州出身のシェフが立ち、日本人向けに寄せすぎない現地の味を受け継いでいる。
ランチではカレーにバスマティライスやドーサなどを組み合わせて楽しめる。
マトンカレーはスパイスの香りを力強く出しつつ、バターや乳製品の重さはなく、酸味を利かせたキレのある味わい。
軽やかなバスマティライスや、サクッともっちりしたドーサとの相性もよく、九段下で本格的な南インド料理を味わえる貴重な一軒。

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