表参道・青山は、高級レストランが集積する都内有数のディナーエリアである。
フレンチ、イタリアン、日本料理まで幅広く揃い、会食や記念日で実際に使いやすい店も多い。
一方で、知名度だけではなく、予約のしやすさや使い勝手まで含めて選ぶべき店かどうかは見極めが必要になる。
そこで本記事では、実際に訪れた中から、ディナー・会食で現実的に使えて外さない表参道・青山の高級レストランを厳選してまとめた。
※新しい良い店が出れば随時更新する。
フレンチ
ラチュレ|青山でジビエを食べるなら外せない一軒

表参道・青山学院近くの地下に店を構える「ラチュレ」は、室田拓人によるフレンチ。
恵比寿のdecoから独立した流れを持ち、ジビエを主軸に据えた東京でも数少ない専門性の高いレストランとして知られる。
鹿、猪、鴨といった野生鳥獣を単なる珍味で終わらせず、フレンチの技法で輪郭を整え、コースとして成立させているのが特徴。
蝦夷鹿のブラッドマカロンやパテアンクルトのようなシグニチャーに加え、その時季に入る雷鳥のような希少な食材まで扱うのもこの店ならでは。

モノリス|石井剛シェフのパイ包み焼きで知られる、渋谷・青山の正統派フレンチ

渋谷と表参道の中間、宮益坂を上った先にあるフレンチの名店。
オーナーシェフは、フランスで研鑽を積みテタンジュ国際料理コンクールで準優勝を重ねた石井剛氏。
クラシックを土台にした料理で知られるが、この店でまず挙げたいのはやはり名物のパイ包み焼きである。
鶉やピジョン、フォアグラ、黒トリュフを隙間なく包み込んだ断面の美しさ、サルミソースまで含めた完成度は、この店を目当てに訪れる客も少なくない。
地下の落ち着いた空間で、モノリスエッグのようなスペシャリテからデザートまで流れよく楽しめる一軒。

ラ・ブランシュ|田代和久シェフが守り続ける南青山クラシックフレンチの名店

1986年創業。表参道の裏通りにある「ラ・ブランシュ」は、田代和久による老舗フレンチ。
渡仏後、Guy Savoyなどで研鑽を積み、自店を開いて以降、日本のクラシックフレンチを語る際に外せない存在として知られる。
18席の小さな空間で、創業以来続くヤリイカや鰯とジャガイモのテリーヌといったスペシャリテを軸に、素材を生かした皿を積み重ねていくのが持ち味。
テリーヌや野菜使いで評価されることが多いが、コース全体に食べ疲れしないのも特徴。
派手な演出ではなく、古典の積み重ねで成立している店でありながら古びていない。

イタリアン
malca|TACUBO出身シェフが手がけるアラカルト主体の実力イタリアン

外苑前に店を構える「malca」は、TACUBO出身の北野司シェフによるイタリアン。
ディナーは「食べたいものを、好きなだけ。」を掲げ、コースではなくアラカルト主体で組み立てられるのが大きな特徴である。
魚は淡路島などから届く鮮魚、肉は但馬系統やシャラン鴨まで幅広く、炭火とイタリア料理の技法で組み上げる。
パスタの強さもあり、ボロネーゼや季節食材を使った一皿まで水準が高い。
カウンター8席と個室2部屋の全18席で、ライブ感のある空気も魅力。系列には「焼肉もちお」やワインバー「and Svolta」もあり、外苑前のレストランシーンで存在感を高めている一軒。

日本料理
たでの葉|天然鮎とジビエを囲炉裏で味わう外苑前の一軒

熊本出身の店主・蓼沼誠が天然鮎、山女魚、鰻、鴨、猪といった川魚とジビエを軸にコースを組み立てる日本料理店。
囲炉裏を中心にした店づくりで、鮎の時期は目の前で焼かれる天然鮎を主役に据えながら、子うるか、鮎の飯蒸し、鮎の炊き込みご飯まで、季節の鮎料理を立体的に展開していくのが特徴。
尾長鴨や猪などのジビエ、さらに山女魚や鰻まで流れに組み込み、川のものと山のものを一つのコースとしてまとめている点に、この店の持ち味がある。
囲炉裏焼きによる火入れ、蓼酢や熟成した子うるかといった仕事も含め、素材を並べるだけで終わらない。

寿司
【外苑前】海味|暖簾が受け継がれる南青山の江戸前鮨の名店

創業は初代・大滝氏。南青山の海味は、代々大将が暖簾を継ぎながら発展してきた江戸前鮨の名店である。
二代目の長野充靖が店の評価を押し上げ、三代目の中村龍次郎、四代目の平公一、五代目の島本氏へと続く流れのなかで、多くの鮨職人を輩出してきた系譜。
鮨 さかいや東麻布 天本、鮨 龍次郎などへつながる流れを見ても、この店の影響は大きい。

焼肉
よろにく|現代焼肉の流れを作った南青山の名店

桑原VANNE秀幸が手がける焼肉店。「焼肉ジャンボ」での経験を土台に、一口ご飯を和牛で巻くシルクロース、トリュフを合わせるザブトンのすき焼き仕立てなど、いま多くの店で見かける表現を早い段階で形にしてきた店として知られる。
単に肉質で見せるだけでなく、部位ごとの出し方、食べさせ方、コースの流れまで含めて組み立てているのが特徴。
2017年には「蕃 YORONIKU」も展開し、よろにくの流れは一店舗で終わっていない。

シルクロース、ザブトン、シャトーブリアンといった肉の見せ場に加え、冷製、椀物、締めまで通して流れを作る点もこの店の持ち味。
焼肉を「単品を積み上げる料理」から「コースで体験する料理」に押し広げた存在として語られる。

焼鳥
いろ鳥|電気と炭のハイブリッド焼きで食べる外苑前の焼鳥名店

「電気と炭のハイブリッド焼き」を軸にした独自の火入れで知られる焼鳥店。
電気で内部に熱を入れ、最後に炭で香りを乗せることで、表面を過度に乾かさず、しっとりした質感と薫香を両立させる。焼鳥でありながら火入れの発想が明確に異なる。
使う鶏は高原コーチンを中心に、部位ごとに寝かせや扱いを変える。丸ハツ、抱き身、腿、かしわ、皮まで、それぞれで火入れの狙いが違うのも特徴。
とくに皮は、一般的なパリパリ方向ではなく、ふわりと脂を抱えた独特の仕上げで、この店を象徴する一本になっている。
串だけでなく、花ズッキーニの肉詰め、きんかんとフォアグラ、塩そぼろ丼、白湯そばまで流れに緩急があり、コース全体で組み上げてくるのもこの店の魅力。

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