東京・尾山台にあるイタリアンレストラン「尾山台 山田」。
場所は尾山台駅からは徒歩3分ほど。

こちらは等々力の「PIZZERIA IL SUONO SCORRE 22(ピッツェリア イル スオーノ スコッレ 22)」の姉妹店。
2023年10月訪問
掛け持ち営業のため、現在では月曜と火曜の週2営業のみ(9月からは月、火、水の三日間)。
コースはペアリング付きで9,500円。
目の前の薪釜で焼かれたピッツァ4種類の合間に薪釜料理が出てくるという個性的なスタイルのお店。
店内は小気味良いBGMに、L字カウンター8席のみ。
目の前で生地を練るところから薪窯で焼くところまで見れるレストランってなかなか珍しいですね。
・マルゲリータ

薪窯にバッと塩を撒いてから焼き始める。理由は生地の下に塩がつくように。
トマトの酸味が綺麗で、焦げによる香ばしさや苦味も味の構成要素。うまいなぁ。
・生ハム仕立てのパンナコッタ

メロンのソース。
生ハムとメロンが形を変えて料理となった。
パンナコッタは食べて驚く、生ハムの味わい。メロンのソースがまたいい。
・4種の前菜

左2つは、鮨?

左はトマトとブドウの果汁を合わせ、パールアガーというゼラチンで固め鮪に似せたもの。下が水牛のリコッタチーズでシャリを演出。
隣の烏賊っぽいのは等々力の高橋農園の玉ねぎを窯でロースト。バルサミコ酢で醤油っぽく、下はズワイガニのサラダ仕立て。

左は無花果を乗せた合鴨のロースト。ラズベリーのソースがけ。下はポルチーニ茸のフラン。
手が込んでて遊び心満載。
・白海老のピッツァ

白海老、グリーンアスパラ、自家製ドライトマト、フランス産グリーンピースのソース。
アスパラ、白海老、そしてチーズの香りが見事に調和。酸はドライトマトとスダチで。季節を知らせる5月のピッツァ。
・野菜3種

ヤングコーン、ホワイトアスパラ、アスパラソバージュ
・牛頬肉の赤煮込み

塊だけど、8時間煮込んだおかげでホロホロ。
ソースをぬぐう用のいわゆるフレンチにおけるパンを即興でピッツァ生地で焼いてくれた。

グリッシーニ的な。うれしい演出。
・マリナーラ

伊勢海老を使ったアメリケーヌソースのマリナーラ。ニンニクと甲殻類の香りがぶつかり合う。
・ビスマルク

濃厚なたむらのたまご、バルサミコの酸味、鴨の鉄感と、これまた定番のビスマルクだけど山田さん流のアレンジのセンスが光る。
・熊の最中

ガトーショコラ、レモンチーズケーキなどを最中に詰めて。
本日のお酒
お会計は一人約11,000円。
どうしてもピッツァ屋だと王道メニューを頼みがちだが、こうしたコースならユニークなピッツァにも向き合える醍醐味がある。ごちそうさまでした。
2024年4月訪問
東京・尾山台にあるピッツァを主軸にしたコースを提供するレストラン「尾山台 山田」へ季節を変えて再訪。


コースはペアリング込みで13,000円とかなりお安い。
シェフ : 山田拓史さん

来歴とかは前回紹介してるのでここでは割愛する。
生地自体はグルテンをなるべく出さない様にあまりこね過ぎない。
モチモチの生地というよりサクッとした生地を作る為だ。
舌に最初に塩味を感じるよう、焼く超前に塩を投げる。これは焼塩にすることで味を決めている。
代わりに上の具材には塩は足さない。

さらに杉のチップを燃やすことでさらに温度を上げる。
薪釜の中心温度は520度。
一般的な温度は430度〜480度と言うことで山田さんの温度はかなり高いと言える。
・マルゲリータ

こうして仕上がったマルゲリータはサクッとした食感に中はふっくら、もっちりとバランスのいいものになっている。
名刺がわりのトップバッターは職人の腕が試されるマルゲリータと決めている。
・サーモン、カポナータ、クスクス

香草でマリネしたノルウェーサーモン、カポナータ、クスクス、新玉ねぎのスープで全体を円やかに。
・野菜のテリーヌ

常連さんから野菜料理を求められ、考えたメニュー。今となってはこちらの定番メニューとなっている。

里芋、椎茸、インゲン豆、オクラ、ホワイトアスパラ、新玉ねぎ、パプリカ、鰤の叩きをキャベツで巻いであり、見た目も美しい。
・ホルモンのピッツァ

ハチノスとギアラのピッツァ。よく煮込まれた柔らかなホルモンのアクセントには生の黒胡椒を。
・白子のグラタン

鱈の白子、ズワイガニ、蓮根のグラタン。薪釜をオーブン代わりにしてました。
なんと言っても蓮根が食感アクセントになっている。
・鰤のピッツァ

なんと鰤とは予想外過ぎる。
大葉のジュノベーゼソースに自家製のセミドライトマトをブリの下に忍ばせて。
ジュノベーゼは香りよく、生地の塩味と生地の焦げがまた口内調理となる。
・ハンバーグとリゾット

和牛も黒豚の粗挽きハンバーグの上には目玉焼き、下にはサフランのリゾット。

濃厚な卵黄を崩して赤ワインソースと絡める。
粗挽きハンバーグは肉肉しい。

余ったソースをぬぐう生地を作ってくれるのもオシャレな演出。
・伊勢海老のアメリケーヌソースピッツァ

まぁなんと贅沢なソースだろう。味噌も入っており濃厚で甲殻類の香り高いマリナーラ。
・熊のモナカ

ティラミスとガトーショコラをモナカに詰めて。

背中がシュール。
ピッツァは季節感を感じられ、非常に創作性豊か。一品料理は特にイタリアンにこだわりがあるわけではないらしい。
コースはピッツァの可能性と驚きに満ちており、これでペアリング付き13,000円ってめちゃめちゃいいレストランだと思います。ごちそうさまでした。
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