【東京・恵比寿】Saucer (ソーセ)「変態シェフによるソースが主役のフレンチレストラン」

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フレンチ

東京・恵比寿のフレンチレストラン「Saucer」。

銀座の「ラ・トゥール」「エスキス」などの名店で研鑽を積まれた郡司一磨シェフによるソースをメインにしたあるようでなかったフレンチレストラン。

オープンは2021年10月1日。

場所は恵比寿駅より徒歩5分ほどだが看板がない。ビルの地下一階に位置し、インターホンで開けてもらうシステムだ。

エレベーターで下へ降りるとそのままオープンキッチンのムーディなカウンター席へ。

店名の「Saucer」とはフランス語で「ソースをぬぐう」という意味。本来、格式高いフランス料理店などではあまり行儀のいい行為ではないとされているが、あえてソーセを打ち出したレストランとは一体?

コース24,200円+ワインペアリング11,000円

以下、いただいた料理。




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・グジェール

一口でいただく小さなサンドはチーズに西洋山葵の香りと辛さ、毛蟹を。

わりと一口目から味わいはハッキリとしていて余計な混乱もないわかりやすく、インパクトのあるグジェール。

・コンソメ

驚いた。おいおい、いきなり食後のコーヒーかよと思わずツッコミたくなるような。

こちらは鶏を使い3段階の工程を経て作られたコンソメスープ。コンソメでコンソメを作り出す超濃厚トリプルコンソメ。澄んではいるが、まるでコーヒーみたいな見た目だ。

塩味ではなく、出汁による旨味濃度の高いエキスでまさかコンソメで泡が進むとは。

・アスペルジュ

先ほどのトリプルコンソメスープと共に凝縮したアスパラのムースと冷たい黒トリュフアイスの冷たい前菜。

シェリー酒、トマトのジュレ、帆立のグレープフルーツのマリネなど濃度は高いがどこか軽やかなのは計算されたバランスが故。

・自家製パン

さて、こちらの焼きたてのパンでたっぷりとソーセしてくださいとのこと。

・ソーセ

びっくりした。皿にはベッタリと塗られたソース、のみ。

こちらは鮎を使用したソースで、肝の苦味、ふくよかさが出たもの。

出てきた焼きたてのパンをたっぷりぬぐって。

「フレンチだと行儀が悪いと思われがちだけど、ここではそんなの関係ないんで」とシェフ、気持ちいいくらい言ってのける。

濃厚だけどシンプル。これって実は凄いこと。




・車海老

地鶏のムースで包んでフリットにしたもの。

こぶみかんのソース、アメリケーヌソース、フランスの唐辛子など、酸っぱくてピリ辛というエスニック要素もある。

これは美味すぎて、ソーセ!

・アスペルジュ ブランシュ

ホワイトアスパラガスとコンソメを合わせて作ったほぼ、塩を使わない素材を活かしたスープ。なんたるシンプルさだが、アスパラよりアスパラ。濃いんだけど軽い。

鰹昆布出汁でさらに旨味を補強。コースで言えば緩急をつけてのことだけどこれもしっかりと感動させてくれる。

・近江鴨

つなぎなしの鴨100%の鴨ハンバーグ。上にのった平塚の寿雀卵がソースがわり。

この卵もトリプルコンソメでマリネするという徹底さ。

焦がしバター醤油、味醂、つくね、

九条ネギの葱オイル、セルバチコの香り、ハーブ。

・イサキ

皮目は太白胡麻油でポワレし、身はバターのムースで炒める。

出汁で作ったソース「ジュドポワソン」、爽やかなサフランのソース、ムール貝の旨味とパセリ炒めによる香りとのバランスも秀逸。

・仔羊

ハーブ、バター、ニンニクと共にローストした仔羊。

世界三大ブルーチーズの一つであるロックフォールが素晴らしき味わいにスパイスをもたらしている。

持つ部分の骨はしっかりと掃除されており、ナイフ使わなくていいってのも食べ手に向き合ってます。

・酒粕

酒粕、日本酒で作ったお酒のアイスクリーム。

・宮崎マンゴー

宮崎マンゴーを使ったデザート。生姜とココナッツで作ったムース、バジルで作ったアイス、チョコレートで作ったフィアンティーヌ、ネパールの胡椒という、説明聞いただけでもわけわかんない一品。

味わっていけば、これらの要素が最後に収束する様な不思議な感覚。

お会計約43,500円。

料理は滋味深さというよりガツンとした旨さが主体。ある程度フランス料理を食べてきた人ならきっとシェフの試みが斬新に映る事でしょう。

フレンチは旨味はあるが香りがない。これらを見事にぶち壊す皿の数々。

つまり、旨味と香りが見事に共存しており、このバランスを形成するまで幾多の試行錯誤を繰り返しただろう。

はじめてです。フレンチでパンをしっかり2個も食べ切ったの。

絶対に重いに違わない。見た目こそクラシカルだが、深みはあれどなんと後味が軽やかなことか。ごちそうさまでした。

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