東京・八重洲エリアにある鰻屋「鰻 はし本」。
東京駅・八重洲北口からほど近い場所に暖簾を掲げる「鰻 はし本」。
戦後間もない1947年に創業し、4代にわたり江戸前鰻の味を守り続けてきた老舗です。
2024年には建て替えを経て新装オープン。木造2階建ての新店舗は、格子窓や土壁を取り入れつつも現代的な空気感が漂う、凛とした佇まいです。
「八重洲鰻はし本」ってどんな店?
創業は 1947年(昭和22年)。
戦後すぐの創業で、高度成長期以降ずっと東京・八重洲の地で鰻屋を営んでいます。
現在の4代目店主は橋本正平氏。伝統を重んじつつ、素材・仕事へのこだわりで「江戸前うなぎ」の味を現代に再構築されています。
「医食同源」「鰻を食べて薬を飲むな(うなぎ これ くふうて やくのむな)」という創業以来の理念を掲げ、ただ単に鰻を提供するだけでなく、「健康・活力」を与える食として鰻を見せたいという姿勢があります。
2024年10月に老朽化した建物を改築しリニューアル。新店舗を木造2階建てにして伝統的意匠(格子窓・土壁など)を残しつつ、モダンな要素を取り入れた設計となりました。
こだわりの江戸前うなぎ
関東風の蒲焼きは、背開きにした鰻を白焼きにして蒸したあと、タレにつけて本焼きする。
腹開きにして蒸さずに焼き上げる関西風と違い、蒸すひと手間がある。
そのため、オフィス街にある鰻屋のほとんどは時間のない客のために、白焼きまで済ませておくことが多い。「はし本」もかつては仕込みをしていたが、ベストな状態の鰻を提供するため、可能なかぎり仕込みをしないやり方をとっている。
「江戸前の鰻屋では、お新香をつまみながら待つというマナーが粋とされました。もともと鰻は調理に時間がかかるもの、という前提だったんです。せっかく鰻を味わいに来たのだから、鰻本来の美味しさを楽しんでもらい、ゆっくりと贅沢な時間を過ごしてほしいと思ったんです」
はし本では確かに出てくるのは遅いが、現在のオープンキッチンカウンターは少しでもお客が退屈しないように設計されている。捌いて焼く工程を眺めなら待つのもまた鰻屋の醍醐味ではないだろうか。
2025年9月訪問
本当に勢いで急遽鰻を食べに「八重洲鰻はし本」へ。リニューアルしてからまだ訪問してなかったのと、前回やたらと印象が良かったため。
お店、カッコいいですね。
店内はオープンキッチンカウンター、小上がり、そして2階のテーブル席。
小上がりでも十分ライブ感あります。
・骨せんべい 550円
これが素晴らしい。大抵、塩が強い場合があるがしっかりと香ばしさや味を活かした塩味加減。
ポリポリっと旨味や香りの余韻が実に酒を進めてくれる。
・ばら焼き 880円
あばら周りのすき身と尻尾。脂と味の濃い尻尾を合わせたもの。
舌に絡むような濃厚な旨味、それでいてどこか軽やか。はし本さんの鰻はこうなんですよね。尾を引くような旨味の余韻と脂切れ。
この日の天然は福井県三方五湖。
・白焼き 天然 12,650円
この日の天然はだいぶあっさりとしてます。脂の主張も控えめでふわふわっと余韻を残して口内で溶けていく。
まぁ夏だしね。これも一期一会です。
天然を頼んだら肝もついてきた。
天然の肝吸いは出汁が綺麗。塩味は極限まで抑えられ、清らかな出汁の香りが鼻を抜ける。
・うな重 は 6,930円
素晴らしい。焦げが一切ない。美しい。
江戸前仕立ての背開きにした鰻を白焼きにし、蒸してから備長炭で香ばしく焼き上げた。
ふっくらとした身はギリギリまで火が入っていて蒸してあるのに旨味の余韻を残す仕上がり。
余分な脂を落とす蒸しの仕事が特に素晴らしい。全くもってクドさがない。一歩引いた品がある。
タレも秀逸だ。関東焼きのほんのりとした甘さとキレのバランスが絶妙。おまけにかなり上品な仕立てなので鰻の味をしっかりと感じます。
これは先ほどの鰻の骨でも感じたことだけど素材の良さをしっかりと引き立てる仕事をされてます。
もちろん関西焼きのダイレクトな強い味わいも好きだけどやっぱりコレもいい。どちらも良さがありますよ。
合わせる米は国産コシヒカリ。粒立ちが良く、タレが過度に染み込まないよう炊き加減に工夫が凝らされている。
トータル、軽やか。品があって軽やかだから一番大きいサイズの「は」でもぺろっといけちゃいました。やはり、ここの鰻は旨い!ごちそうさまでした。
2023年11月訪問
現在店舗は老朽化のため建て替え中で、こちらは仮店舗となるが来てみると建物はチープさなど微塵も感じさせない造りである。
テーブルの他に小上がり、個室もあり店内の夜は居酒屋の様な活気がある。
扱う鰻は鰻資源を考え、基本的に養殖。
鹿児島泰正養鰻場の横山桂一氏が育てる「横山さんの鰻」、静岡県吉田の石川氏が育てる「石川さんの鰻」が二枚看板。
時期によっては岡山西粟倉の「森のうなぎ」も取扱いが始った。
以下、いただいた料理。
・鰻の山かけ
・九条葱のぬた
・くりから焼き
「くりから焼き」とは捌いた時にでてきた鰻の切れ端部分を串に巻いて焼いた物。
おぉ、ねっとりしてるけど旨みが凝縮されていてクドさない。鰻への期待値が上がっていきますね。
・白焼き
この白焼きも今まで食べたどの白焼きよりも脂がスっと切れていく様な。これ多分仕事で何かしてますよね?
・鰻重
こんがりと焼かれ、タレが熱源によってメイラード反応を起した香ばしき香りが食欲を一層ブーストさせます。
これもしっかりとぎゅっと旨味だけが凝視されており、余分な脂は落とされてる様な感じです。
もともと鹿児島の鰻はあっさりしてると連れの鰻の師匠が言ってるけど果たして物のスペックだけでこうなるのだろうか?
そこにはしっかりとした技術が詰め込まれてる様な気がしてならないのは栃木県の瀬下親方から色々話を聞いたから。鰻とは掴めるようでなかなか掴めない難しい食べ物なのかもしれません。
今度はシラフで来ます。昼から飲んできてすみませんでした。笑
店舗情報
住所:東京都中央区八重洲1丁目5-10 電話番号:050-1808-6166
アクセス:東京駅八重洲北口から徒歩5分ほど。日本橋駅からも徒歩圏内。
営業時間:
月〜金:11:00-14:30(昼)、17:00-21:00(夜) 土:11:30-15:00(昼のみ営業が多い)
定休日:日曜および祝日、第1・第3・第5の土曜日(等)や年末年始・お盆など特別休業あり。
席数・形式:総席数約40席。
カウンター席・小上がり・座敷・個室(4名用)あり。2階席あり。テーブル席、ソファ席もある。
支払い方法:クレジットカード利用可(VISA, MasterCard, JCB, Amex, Diners 等)
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