東京・池袋にあるうどん屋「うちたて家」。
東京・池袋で、武骨で噛みごたえ抜群な「武蔵野うどん」が食べられるお店があるのをご存じだろうか?
それが、東口のジュンク堂の先にある「うちたて家」。
打ち立ての極太麺と、濃厚なつけ汁が特徴で、食べログの「うどん百名店」の常連。
都内では、西荻窪の「豚や」、柴崎の「武蔵野うどん 一彩 本店」など有名だが、そこまで数は多くはない。
武蔵野うどんとは?
武蔵野うどんは、古くから武蔵野台地で伝えられたうどんのことで、武蔵野台地で取れた小麦で作ったうどんを「武蔵野手打ちうどん」と命名した。
ちなみに武蔵野台地とは埼玉県の荒川、南は多摩川、西は入間川に囲まれた、水に乏しい台地のこと。
特徴は何といってもその太さと硬さ。
讃岐うどんのようなツルツル喉越し系とは真逆の、ゴワゴワ、ガシガシした歯ごたえが魅力。
「噛むうどん」とも呼ばれます。まさに“野趣あふれる”男前なうどん。
メニューは定番の肉汁うどんに加え、うちたて家おすすめのピリ辛つくね汁など、全9種類(つけ麺スタイル)。
2025年4月訪問
平日11時45分着で5名待ち。10分弱で着席。食券機を見ると普通盛りでも1,000円を超える。
・ピリ辛つくね汁 普通 1,010円
思った以上に太い。武蔵野うどんは昔よく食べたがかなり太い部類に入ると思う。
武蔵野うどんはつけ麺スタイルなのです。
表面はツルツルではなく、ゴワゴワ。
一本一本が重い。ギターのシールドのよう。しっかりと小麦の密度を感じさせてくれる見た目だ。
ひと口すすると、「あ、これはすするうどんじゃない」とすぐに気づく。すすろうとしても重すぎて口の中に入ってこない。仕方なく噛む。ガシッ、ガシッ。
表面はふわっとして、中はグッと力強い弾力と粘りを「コシ」と呼ぶが、これはひたすらに硬い。
果たしてこれをコシと呼ぶのだろうか?コシの認識が人それぞれ違ってる気がするが僕はこれをコシがあるとは言わない。
具材は揚げ、葱、つくね。別皿で青葱。
つゆはサラッとした鰹出汁のピリ辛。ほんのり甘みがある。
すするというより、モグモグ。喉越しというよりは歯応えを楽しむ。
この歯ごたえ、まさにうどんというより筋トレ。
噛んでいるうちに小麦の香りが立ち上がり、甘みがじわじわと感じられる。讃岐の軽やかさとは真逆の世界観です。
うどんってこんなに甘いんだと知る。
太さだけで言えば山梨の「吉田のうどん」に近いか。
ピリ辛つくね汁は、鰹の効いたすっきり系出汁にピリッとした辛さとほのかな甘みが共存。
この極太うどんなのでシャバシャバのつゆが絡まない。これは武蔵野うどんあるあるだ。
だからつゆも一緒に飲む。小麦の甘味とつゆが混ざり合う。むしろつゆを一緒に飲むことで完成形になるスタイル。
だんだんとアゴとコメカミが疲れてくる。大盛りとか無理だ。
湯割りで薄めるとピリ辛が増すような気がする。どっしりと腹にたまるうどんだ。この硬いうどんがまたクセになるんだよ。
近年、東京には数多くの讃岐うどん店が進出してきたが、こうした「硬派系」のうどんはなかなかお目にかかれない。
「ツルッと軽く食べたい」派には向かないかもしれないが、小麦を感じたい、咀嚼を楽しみたい、顎を鍛えたいという方にはドンピシャな一杯。
ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:東京都豊島区南池袋3-13-17
アクセス:JR池袋駅東口より徒歩約6分、西武池袋線池袋駅西武南口から徒歩約3分
営業時間:11:00~21:00(20:45以降は食券購入不可)
定休日:木曜日
電話番号:03-3980-3361 予約:不可
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