東京・白金高輪にある日本料理店「馳走 髙山」。

白金高輪という街は、華やかさより「本当にうまいかどうか」で勝負する静かな実力店が揃う。
そしてその中でも食通から密かに語られるのが 「馳走 髙山」だ。
奇をてらわない。派手な演出もしない。
ただ、素材の声が一番よく聞こえる火入れと塩梅で、淡々と仕上げてくる。
白金高輪の静けさに、これほど似合う店はない。
馳走 髙山ってどんな店?
白金高輪駅から徒歩2分の路地裏に佇む日本料理店、馳走 髙山。
以前は六本木で「日本料理 髙やま」として営業していたが、2024年7月にこちら白金高輪に移転。

六本木の時もワンオペだったが、いまもワンオペ営業とのこと。
店内は横一列のカウンター6席+個室1室の小規模店舗ながら、和食の真髄とシェフの人柄が光るワンオペ営業で、白金高輪エリアに新風を吹き込んでいる。

高山知也さんは腰が低く、同世代ということもあり個人的にも親近感が沸きます。
料理は洗練され、遊び心もある。時にシンプルに素材の味を活かし…
という定型文のような感想になるが、どの料理もすごく安心していただけます。
器も何気にいいものが揃えられ、凛とたカウンター席の空間は日本料理の醍醐味を堪能させてくれる。
2025年11月訪問
おまかせは8品の19,800円税込と10品の25,000円税込の2種類。+でサービス料がつく。
本日は食材がさらに元気になる秋ということで25,000円のコースをお願いした。
・銀杏のすり流し

愛知の祖父江でとれた銀杏のすり流し。上のは黒ゴマを練り込んだ胡麻麩を素揚げにしたもの。
銀杏はでんぷん質であり、ただペーストすると餅のようになってしまうため、出汁で伸ばしてある。
ねっとりとしたコクと旨味を楽しめる。
・八寸

柿、レンコン、キュウリの甘酢和え。
スルメイカの塩辛。
低温調理した鴨のロース。
皮目を炭で叩いて炙ったしめ鯖。
北海道の雲子(鱈の白子)。タレをかけながら炭火で焼いたもの。
紅はるか(サツマイモ)の天ぷら。
・越前蟹のお椀

越前蟹のしんじょ、芽蕪、松葉ゆず。
水は福井から取り寄せた「瓜割の水」を使用。
とにかくこの鰹の香りが素晴らしい。清らかでいて、澄んだ出汁のピュアな味わいが美しい。

・お造り 鯛とカラスミ

明石の真鯛の10日熟成。パウダー状のカラスミと和えて。
熟成による鯛の旨味とカラスミの旨味の掛け合わせでワインが進みます。
・墨烏賊


かなりの包丁を入れることでねっとりと、甘さを引き出す。
・マナガツオの幽庵焼き

柚子の香りを効かせて焼いたもの。
こういう料理こそ、毎日食べたい。
・スッポン饅頭

饅頭のなかにスッポンがはいっている。
化学に頼らないスッポンの出汁の餡の旨味が濃厚。
・鰤

北海道の余市の鰤を皮目だけ炭火で焼いたもの。
皮目はパリッと、身はしっとりと。脂は甘く、土佐酢の酸味でバランス良く。
・香箱蟹

丁寧な仕事がある。外子と内子もしっかりと盛り付けて。
小さい香箱蟹は驚くほどの旨味がある。
・越前蟹

蟹味噌と越前蟹の身。自然が生み出す旨味はこれほどまでに強烈で濃厚なのか。

この甲羅に日本酒を入れて蟹酒を。
少しだけの蟹味噌だけで驚くほど甘美で妖艶な香りと余韻がある。

・牡蠣の炊き込みご飯

広島の牡蠣を使用。

牡蠣による旨味成分は味わいだけでなく、鼻腔をも満足させてくれる。
・赤だし

追い鰹をだした赤出汁はより鰹の香りが鮮烈に。あおさ海苔と酸味とコクのある赤味噌がキレキレです。
・シャインマスカットと粟ぜんざい

本日のお会計一人約35,000円。
なぜか流行ってる店も多い東京で、もっともっと評価されるべき日本料理店だと思います。色んな人がもっとこの店の良さを知ってもらえたらいいな。ごちそうさまでした。
2025年3月訪問
・先付

虎河豚の身、皮、九条葱、ポン酢、上からは裏漉しした白子をかけて。
こないだ四四A2でもいただいた河豚全部を彷彿とさせる一品。やっぱり薄造りもいいが、こうやって身、皮、白子と一緒にいただく方が旨味も倍増というやつだ。
・お凌ぎ

九十九里のデカ蛤。そして蛤で炊いたウド、コゴミ、ウルイ、蕗のとう。
蛤の旨味と甘味に山菜の春の苦味が調和する。
・お椀

目の前で鰹節を削り出汁をとる。だから鰹の香りが生きている。
越前蟹のしんじょに菜の花、柚皮と共に。
・お造り

氷見の鰤は2週間熟成。皮目はパリッと炙る焼き霜づくり。ねっとり濃厚な旨味がある。
・焼き物

甘鯛の鱗揚げ。下は春菊の餡を引いて。
パリッと鮮烈な食感、香ばしい香りに潤った身とのコントラスト。
・蒸し物

スッポンの茶碗蒸し。動物系の濃厚な旨みとなかにはスッポンの身が入っておりゼラチン質の旨みも堪能。
・焼き物

炭火でじっくりと焼かれた長崎県のカラスミ餅。
海苔の香りも良きです。
・強肴

秋田県イノシシのロースとセリ。

春を告げるセリの香りと脂はのってるがサッパリとしたイノシシ肉。
・お食事

ホタルイカとフキノトウの炊き込みご飯。

春よ、来い。いや、もう来てるのか。

フキノトウの苦味とプリッとしたホタルイカの旨み、香り。

・甘味

宮崎県の日向なつの白ワインゼリーがけと黒糖のわらび餅。
これを1人で提供してドリンクのサーブまでやるとは…
誰か一緒に働いてやってください。とても美味しい日本料理でした。ごちそうさまでした。

めちゃ綺麗。なにこの東京の勝ち組の景色は。
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【馳走 髙山】の動画
店舗情報
- 住所: 東京都港区南麻布2丁目7-23 マーキュリー南麻布 9階
- 電話番号: 03-6665-8485
- 営業時間:
- 月~金: 17:00~23:00
- 土・日: 12:00~14:30、17:00~23:00
- 定休日: 不定休









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