白金台の行列が成す蕎麦屋「利庵」。
休日の13時過ぎで並び20人弱。
心折れそうだがポカポカ陽気とどうしても昼から蕎麦飲み気分だったので列に並ぶ事に。
パッと蕎麦だけ食べて帰る人もいれば飲んでいる人もいてなかなか進みは良くはない。
45分ほどしっかり待ってからようやく店内へ。
中央に相席となるテーブル席があり、それを囲むようにいくつかテーブル席がある。
壁にはびっしりと手書きのメニューがあり幅広さが伺える。
よく見ると刺身から焼鳥まであるじゃないか。
まるで居酒屋並みのラインナップに驚かされる。
突き出し
お通しに海老天の脚とはなかなか粋じゃないですか。香ばしい香りを楽しんでビールをクイッと。
出汁巻
出汁をたっぷり内包したフワフワトロトロの出汁巻は甘味に品がある。
春カツオ刺身
肉厚な切り付けでねっとりと。皮目の旨味も。
板わさ
焼鳥
流石に串ではないものの大ぶりで強い弾力の腿肉と皮パリの旨味に甘辛のタレ、香ばしいネギと堂々たる出来栄え。
このわた
海鼠の内蔵の塩辛。
円やかで角なんてない。
ちびちびと菊正宗が進むじゃないか。
せいろう
蕎麦は細切りだがしっかりと力強さがあり蕎麦の香りは豊か。
つゆも鰹やいりこなど深みある出汁を十分に堪能させてくれる。
味は濃いが、決してしょっぱいのではない。
片足だけつけてズズッとすすれば蕎麦粉の香り、出汁の深みが空気と共に鼻腔内に鮮烈に宿存する。
蕎麦は香りだ。
その事をしっかりと教えてくれる蕎麦である。
つまみも秀抜でさらに蕎麦もこの完成度とは15時になっても行列なのが納得だ。
舞茸天
お会計は一人当たり約6,000円。
飲んで食ってこの値段であれば街の居酒屋には用がなくなってしまう。それだけ器用に何でもこなせてしまう器量の良さがこの店のいい部分。
きっともともと器用な大将は客に色々出していくうちに楽しくなったのかな。
そしてこだわりだしたら結構深くまで追求するタイプなんじゃないかと酒を飲みながら想像してみる。
またいい店に出会えた。
ごちそうさまでした。
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