「新ばし しみづ」から独立した小林氏のお店「鮨 こばやし」。
場所は東京・銀座から新橋方面へ徒歩8分ほどのコリドー近くの裏路地に位置する。
こちらは2022年12月オープン。小林さんは「鮨 太一」、「新ばし しみづ」と江戸前鮨の超王道の店を渡り歩いた方。
店内は横一列のカウンター6席のみ。元々は鮨屋の居抜きだったそうでかなりコンパクト。
ワンオペでのびのびと仕事されてます。
握りからか、つまみからか選べるのも修行先をを感じさせる。予約困難店のガッツリコースなんざいらんです。腹の調子に合わせて食べさせてくれるこういう店が好きだ。
料理は率直に言うと、かなりハイレベルでした。何よりシャリが旨い。米が旨い。仕事も修行先を彷彿とさせ、全てツボを抑えている。
修行先とも異なるシャリにずっかり虜になった。
予約困難店に必死になって予約なんかより、ココを勧めてくれた方がよっぽど好感持てます。
では、一つ一つ紐解いていこう。
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以下、いただいた料理。
シラス
・鯛
皮をつけ、一日程寝かせたような弾力。徐々に後半から香りも出てくる。
・蛸
シンプルな塩茹でだけど、味と香りがとにかく抜群です。聞いたら明石だって。素材のポテンシャル高いなぁ。
・鰹
しっとり舌に馴染むきめ細やかな食感。
・鮑
肉厚でムチムチの鮑の香りも半端じゃない。
さらに醤油、酒、味醂で炊いた鮑の肝は味わい、クリアでいて残る余韻とコク深さが素晴らしい。
・蝦蛄
・蝦蛄の爪
滅多に食べることがない爪は味も濃い。
・平貝
これがまたが味が濃い。焼いただけなんだけど、素材が違う。味が抜けてる店が多いけどしっかりと目利きされてる証拠です。
・毛蟹とクレソンの酢の物
毛蟹の甘さ、味噌の円やかさ、クレソンの苦味、酢による酸味と多方向から刺激してくれる文句なしの一品。
・甘海老と酒盗
もうここまで食べてすっかり虜となっている。早く握りが食べたい。そんな風に思わせてくれる職人あんまいないです。
ガリは酸味と辛さのキレキレなやつ。
・鰈
はい、これですよ。我々に向かって真っ直ぐに置くでしょ。清水親方イズムを受け継いでます。右利きの人も、左利きの人も如何様にも。
そしてね、男鮨っぽいどっしりとした握りはしっかりと握られ、シャリは強めの酸味を感じたと思ったら今度は急激に甘さを感じる様になる。もっちりとして解れもいい。
しみづ出身だけどまさかと思って私は思わず「砂糖使ってます?」って聞いたほど。砂糖は不使用だそうだ。そうか、これは米の甘みなんだ。山形県の「はえぬき」を使用。
酢は赤酢と白酢のブレンド。一貫目から一気に胃袋を掴まれた。
・アオリイカ
烏賊の甘味とシャリの酸味が出逢う。次第にシャリは甘くなっていき、烏賊とまぐわう。
・赤身
しっとりときめ細かく、酸味と香りがシャリと調和する。
・トロ
香りも抜群にいいですね。シャリが旨い。
・小肌
きゅーっと目が覚めるような酸味。
肉厚で噛んでいけばジュワーっと脂と米の甘さが混じりあう。後半にかけての味わいの変化にうっとり。
・蛤
ツメは甘く濃厚だが、それに負けない蛤の味の濃さ。たまにツメに負けてる店があるがここはしっかりと蛤の味が勝っている。いや、上手く調和して旨くなっていると言った方が正しいか。
・鯵
舌触りよく、程よい脂でスッキリとした味わい。
・青柳
・春子鯛
酢〆でパキッと。柔らかく仕上げてます。
海老ちゃん
・車海老
茹でたて。味噌かな?濃厚で、旨味もしっかりとまわってます。
・雲丹
クリアで甘い。こういう旨い雲丹なら大歓迎。
・穴子
甘く煮付けていて、ホワホワです。穴子でガッツリする店あるけど最後までしっかり旨いなんて。
・玉子焼き
ビール一杯でお会計は約23,000円。
いやぁ、凄い。予約困難店に労力使うくらいなら絶対ここを勧めます。
銀座で正統派の鮨屋がまた増えたことをうれしく思う。ごちそうさまでした。
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