香川のうどんは、単なるご当地グルメではなく、「巡る」ことを前提にした食文化である。
1杯の量が比較的軽く設定されている店も多く、短時間で複数の店を回るうどん巡りが定着している。
一方で、店ごとのスタイルや営業時間、立地は大きく異なり、事前に情報を整理しておかないと効率よく回るのは難しい。
そこで本記事では、実際に食べ歩いた中から本当に外せない店をまとめた。
※新しい店が出れば、このリストは随時更新する。
高松市
手打ちうどん 鶴丸|高松の夜を締める名物カレーうどんと手打ち讃岐

高松・古馬場町に構える1981年創業の手打ちうどん店で、20時から深夜まで営業する珍しい一軒。
昼営業が多い香川のうどん店の中で、飲んだ後の「〆うどん」として地元客・観光客に使われている。
名物はカレーうどんで、イリコ出汁をベースにした甘めのカレールーに手打ち麺を合わせる構成。
スパイスは強すぎず、飲酒後にも食べやすい。
一方で麺のコシを感じるなら、ぶっかけや肉ぶっかけもおすすめ。滑らかな入りから芯にグッと密度を感じるタイプで、高松の夜に使える讃岐うどんとして押さえておきたい。
丸亀市
なかむら|自分で仕上げるセルフ文化と粘りとコシで食わせる讃岐うどんの名店

1977年創業の丸亀市の田園地帯に構える老舗。
讃岐うどんブーム以前から続く店で、映画「UDON」のロケ地としても知られる存在で、現在も手打ちとセルフスタイルを維持し続けている。

最大の特徴は仕上げまで自分で行う究極のセルフスタイル。釜で麺を温め、薬味を入れ、出汁をかけて完成させる流れで、かつては足りなくなったネギは裏の畑から取るという徹底したセルフ。
観光向けではなく、生活に根付いたうどん文化そのものを体験できる。
麺はしなやかだが、粘りと芯にはしっかりとコシがあり、小麦の香りと食感で食わせてくれる。
イリコ出汁は角がなく、穏やかな塩気でじんわり広がり、シンプルにかけやぶっかけで食べるほど、この店の完成度がわかる。
綾川町
山越うどん|釜玉発祥の名店、しなやかな女麺の一杯

綾川町に構える1941年創業の老舗製麺所で、全国に知られる「釜玉うどん」発祥の店。
広い敷地と駐車場を備え、県外客も多く訪れる香川うどん巡りの代表格。
看板メニューの釜玉は、茹でたての麺に卵と専用だしを合わせるシンプルな構成。麺は剛麺ではなく、ふわっと柔らかい入りから芯に抵抗を感じるしなやかなタイプで、小麦の甘みも出る。
行列は長いが回転は早く、セルフの流れも含めて香川らしい体験がある。
ちなみにこちらで修業して東京・神保町で行列を作るのが「丸香」の店主である。


坂出市
日の出製麺所|提供時間わずか1時間のみの製麺所直営の讃岐うどん

坂出市に構える1930年創業の製麺所で、業務用麺の卸を本業としながら、昼の11:30〜12:30だけ店内飲食を行う一軒。
もともとは玉売りと贈答用販売が中心で、客からの要望をきっかけに短時間だけ食事提供を始めたという背景がある。
うどんは「あつ・ぬる・冷や」から選び、素の麺を受け取って自分で出汁や薬味を加えるセルフスタイル。
小130円という製麺所ならではの価格ながら、麺肌はふわっと柔らかく、芯にはグッとした張りがある。
味付け肉などのトッピングもあるが、まずは麺そのものを味わいたい。
製麺所直営ならではの鮮度を体感せよ。
三豊市
須崎食料品店|食べログ全国一位の王者のしょうゆうどん

三豊市に構える1941年創業の老舗で、食べログうどんランキングで日本一を誇るモンスター店。
食料品店の形を残したまま、しょうゆうどんを提供する香川屈指の有名店。
メニューは基本的にサイズと温冷を選ぶのみで、麺に醤油、生卵、ネギ、生姜を合わせて食べるセルフスタイル。
特徴はエッジの立った極太麺で、ツルッとした舌触りから強い歯応えへ入る剛麺タイプ。
出汁醤油で食べるため、小麦の風味と麺そのものの力が前に出る。
店内でゆっくり食べる店ではなく、外や車で食べる製麺所寄りの空気感も含めて体験型。
遠くても食べておきたい一軒。
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