山形県酒田市で生まれ、県内外へ店舗を広げてきたケンちゃんラーメン。
強く縮れた極太麺に、煮干しの香りと醤油の輪郭を立てたスープを合わせる独自の一杯で、各店舗が基本の系譜を受け継ぎながら、それぞれ異なる味わいを築いている。

本記事では、実際に訪問したケンちゃんラーメンの店舗をまとめ、スープや麺、チャーシュー、注文方法などを店ごとに紹介する。
同じケンちゃんラーメンでも、麺の硬さやスープの濃度、油の量には違いがあり、食べ比べることで各店の個性がより鮮明に見えてくる。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
山形県
【酒田市】ケンちゃんラーメン 本店

山形県酒田市にある「ケンちゃんラーメン 本店」は、1978年創業の総本山。
鶴岡市の「鈴木そば」の流れをくむ店で、庄内地方を代表するソウルフードとして長年親しまれてきた。
現在は二代目が暖簾を守り、強烈な存在感を放つ自家製極太縮れ麺と、動物系と煮干しを重ねた醤油スープを提供している。
メニューは中華そばのみで後払い。味の濃さや油の量を細かく選べる独自の注文スタイルも特徴となっている。
煮干しの香りと動物系の旨味、醤油ダレのキレが重なり合う力強い味わい。唯一無二の極太縮れ麺は他店よりもかなり低加水でどんどんスープを吸っていく。
甘みのある腹脂や昔ながらのチャーシューもケンちゃんラーメンらしさを支え、二代目になった現在も本店ならではの完成度の高さを感じさせる。

【酒田市】ケンちゃんラーメン 平田店

本店と同じく酒田市に構える「ケンちゃんラーメン 平田店」。
前金制で注文し、味の濃さや油の量を好みに合わせて調整できる。
全体的に味は控えめで、濃いめにすると他店と同程度の輪郭が出てくる。
麺は他店よりもやや細めながら、うねりとねじれをしっかり残し、舌触りは滑らか。
ただしスープを吸う速度が速く、食べ進めるにつれて急速に柔らかくなるため、硬めでの注文も勧めたい。
穏やかなスープと本店を思わせる麺の変化が印象的な一杯。

【鶴岡市】ケンちゃんラーメン 鶴岡店

山形県鶴岡市に構えるケンちゃん「ラーメン 鶴岡店」は、当初「羽黒店」として始まった最古参支店。
2008年に現在地へ移転して再オープン、
本店よりやや細く黄色みを帯びた自家製縮れ麺が特徴。
数量限定のハジ肉が用意されるほか、現在は食券制を採用。
他店よりも回転率は悪く、提供まで時間を要するため余裕を持って訪れたい。
2023年の訪問時は動物系の香りが強く、煮干しの風味や低加水麺らしい香りが以前より控えめに感じられたが、2025年には煮干しの存在感が戻り、醤油ダレの鋭いキレと動物系の旨味が明確になり変化。
麺も小麦の香りを備えた縮れ麺らしい仕上がりとなり、急速に柔らかくなりすぎず、最後まで力強い食感を保つ。
筆者は20年通ってるが、味のクオリティは本店並みに高い。

【鶴岡市】ケンちゃんラーメン 大山支店

山形県鶴岡市にある「ケンちゃんラーメン 大山支店」は、加茂水族館から車で約10分という立地にあり、観光客だけでなく地元客にも親しまれている。
スープはキレのある醤油ダレと動物系の旨味を軸に、魚介の風味を穏やかに重ね、油量は比較的控えめ。
麺は強い縮れやねじれ、ボソッとしており、加水率が低くスープを素早く吸い込むため、食べ進めるにつれて食感が変化していく。
味の染みたチャーシューや、他店とは異なるしっかり味付けされた腹脂も印象的で、酒田本店とは異なる個性を楽しめる一杯。

【三川町】ケンちゃんラーメン 三川店
【遊佐町】ケンちゃんラーメン 遊佐店

山形県飽海郡遊佐町に構える「ケンちゃんラーメン 遊佐店」。
「油ぽく」にするとスープが白濁するほど油が加わるのが特徴。
一杯は動物系や昆布、野菜の旨味を土台に、魚介の風味を穏やかに重ねたスープは「濃いめ・油ぽく」にするとキレのあるカエシと厚い油の層が存在感を増す。
自家製麺は厚みのある縮れ麺で、小麦の香りが際立ち、ボソッとした食感と伸びにくい力強さが印象的。
他店とは異なる穏やかなスープ構成ながら、麺の存在感はシリーズ屈指で、遊佐店ならではの個性を楽しめる一杯。

【庄内町】ケンちゃんラーメン 余目店
【新庄市】ケンちゃんラーメン 新庄店
【山形市】ケンチャンラーメン 山形

山形市にある「ケンチャンラーメン 山形」は、本店とは異なり店名が「ケンチャンラーメン」表記となっている数少ない店舗。
タッチパネル式食券機やつけそばを導入するなど、他店とは異なる営業スタイルも特徴。
酒田本店譲りの煮干しスープと自家製極太縮れ麺を軸にしながら山形店ならではの個性を打ち出し、多くのファンを集めている。
スープは本店よりやや白濁し、煮干しの香りをしっかり感じさせながら動物系や昆布の旨味が重なり、甘みを帯びたバランスの良い味わい。
自家製麺は本店より厚みがあり、低加水ならではの粉感とワシワシとした力強い食感が際立つ。
甘みのある腹脂やしっとりしたチャーシューも全体を支え、山形店ならではの奥行きを備えた一杯に仕上がっている。

東北・関東エリア
【秋田県秋田市】ケンちゃんラーメン 秋田店
【青森県八戸市】ケンちゃんラーメン 八戸店
【茨城県古河市】ケンちゃんラーメン 古河店

茨城県古河市に構える「ケンちゃんラーメン 古河店」は2024年3月15日にオープンした関東初進出店。
スープは豚の旨味と煮干しの香りが均衡を保ち、油ぽくにすると表面を液体油が覆う。
カエシは他店よりやや控えめで、濃口にすると輪郭がより明確になる。
麺はケンちゃんラーメンの中では平均的か、やや細めながら、厚みのある平打ち縮れ麺が口の中で力強く暴れ、小麦の香りと煮干しの風味が一体となる。
関東なのに店内も山形を思わせる雰囲気を再現している。

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