香川・高松にあるイタリアンレストラン「両忘」。

本記事では、「両忘」についてレポートします。
「両忘」ってどんな店?
2015年2月12日オープン。香川県旧長尾町出身の中川暁友氏が手がける完全予約制イタリアンで、瀬戸内の魚介や地元野菜を中心に据えたおまかせコース一本で営業する。
中川氏は1982年香川県生まれ。神戸・京都で和食料理人としてキャリアをスタートし、祇園での勤務をきっかけにイタリアワインと料理の組み合わせに傾倒。その後イタリア料理へ転向し、京都「トラットリア ニーノ」「ランポ」、鹿児島の名店「カイノヤ」で経験を積む。和食の技術とイタリア料理の構造を掛け合わせたアプローチが特徴。
店名の「両忘」とは禅の言葉で、
「二つの対立する要素のどちらかに固執するのではなく、両方とも忘れる(手離す)こと」。
好きと嫌い、愛と憎しみ、天国と地獄みたいな二局的な考え「両方を忘れて」、新たな考えを生み出そう。
そう言った想いが込められています。
店名の通り、料理は「イタリア料理と言う枠」に収まらず、極端に装飾を削ぎ落とし、素材の輪郭をそのまま出す方向性。
和の要素をベースにしながらもジャンルに縛られない内容で、コース全体を通して一貫した流れを持たせている。
営業は完全予約制で1日5〜6名程度に絞られており、事前予約が前提。
実食レビュー【2026年4月訪問】
「イタリアンとは何だろう?」と考えさせられる料理で、勿論「素材を活かす」というのはどのジャンルでも共通の考え方であるものの、極めて日本料理的なアプローチが垣間見えた。
経歴を拝見すると、なるほど。中川シェフの料理人生のスタートは和食だったのか。

例えば香川といえば小豆島のオリーブオイルが有名だ。
だから香川のイタリアンではどうせ香川のオリーブオイルが使われてるんだろ?
そう思ったらイタリア産だそうだ。
次に鶏のレバームースが出てきた。
香川で鶏のレバーならオリーブ鶏とかのレバーだろ?
そう思ったらブロイラーだそうだ。しかもあえて脂ののってないやつ。
脂の乗ってないレバーと言うのは脂で誤魔化せないため、下処理含めて非常に仕事のクオリティが求められる。
甘鯛だって高級魚の白甘鯛ではなく、赤甘鯛だ。たまに白甘鯛も高いだけで味が抜けてるものがあるが、こちらは素晴らしいクオリティの赤甘鯛だ。
そこまで食べて私は、中川シェフは信頼のおける料理人だと思った。
もちろん県内の特産を使うのはディスティネーションレストランにおいて自然なことだが、それより美味しい食材があるのならそっちを使えばいい。私はそういうシェフを信頼する。
ワインペアリングは「ハーフ」「スタンダード」「フル」の3種類。

東京・木場にある「commedia」の山口シェフの料理にも共通する素材を活かすためにそぎ落とした美学が素晴らしかった。

以下、いただいた料理。
・マッシュルームのトースト

スペシャリテのようです。マッシュルームとトーストの間にはスモークしたバターを挟んでおり、品のある香りとサクッとしたパンとフレッシュなマッシュルームの食感で食わせる一品目。
フランチャコルタに合います。
・新玉ねぎと生ハムのスープ

ベルケルで削った生ハムはまるで花のような盛り付け。下は淡路島の新玉ねぎを使ったスープ。
玉ねぎの甘さと生ハムの塩味のコントラストが秀逸です。シンプルな構成だけど、しっかりと素材の良さをお互いが無駄なく引き立てている。
ちなみに香川の小豆島のオリーブオイルも有名ですが、このオリーブオイルはイタリア産だそうだ。
・パン

ハード系で中はもっちりと。わかっちゃいるけど熱々でついつい食べてしまう。
・レバームース

朝びきの鶏のレバームース。上にはトリュフを削って。
ひたすらコクと濃厚な甘さがあります。驚くことに地鶏ではなくブロイラーだと言う。
この料理に限らず、構成要素が少ないがゆえに、食材のポテンシャルの高さが求められるがどれもべらぼうにクオリティが高い。
しかもあまり脂ののってないレバーで作ってるらしい。これが示すのは、濃厚さでごまかさず、脂の少ないレバーを丁寧に下処理して、火入れで軽く綺麗に仕上げた言うこと。
サラッとシェフは言うけど仕事でここまで高めているわけだ。
あとちょっとした塩っけが甘さを引き立てていたりとにかくバランスが秀逸です。
・甘鯛

まさかの赤甘鯛である。一般的には白甘鯛を使いがちだが、この赤甘鯛のクオリティが素晴らしい。
白甘鯛買っておけばいいと言う料理人もいるけど、たまに白甘鯛でも全然美味しくない白甘鯛もあったりして、ここでは本当に美味しく赤甘鯛を提供する時点でシェフは食材選びにおいても信用のおける人物だと思いました。
・桜鱒

皮目のパリパリ感に塩がキマっている。
火が入ってるのにほぼレアのような身もクリアでみずみずしい。茗荷のアクセントといい、完璧です。

こちらはのちほど出てくる金比羅山の裏山でとれた巨大な筍。

・筍

なにこのシンプルさ。筍ってこんなに甘いの?
特にこの週の筍は美味しいらしく、大当たり。
焼きによる香ばしさと甘さか秀逸でした。
・いしづち牛

愛媛の和牛「いしづち牛」のイチボ。
この分厚さで焼くのもなかなか技術がいります。
そして旨味はあるのにとても軽やかだ。
・牛肉のラグーパスタ

濃厚なのに軽やかなのは胡椒や山椒がめちゃくちゃいい仕事してるからだろう。
いや、それだけではない。ラグーも軽いのに美味い。
・チーズケーキ

トロリとソース感とハジの固まった部分のムラ感がなんともいいんです。塩も甘さを引き立て濃厚そのもの。








もはや、「地方にあるから」というリップサービスは不用。シェフの腕と目利きは全国でも確実にトップクラス。
お会計約27,000円。本当に来てよかった。ごちそうさまでした。
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【両忘】の動画
店舗情報
・名称:両忘(リョウボウ)
・ジャンル:イタリアン
・住所:香川県高松市今新町6-2 1F
・最寄駅:片原町駅
・営業時間:月・火・木・金・土 18:00〜22:00/日 12:00〜15:00・18:00〜22:00
・定休日:水曜日+不定休
・オープン日:2015年2月12日
・予算:¥15,000〜¥19,999
・支払い方法:カード可(VISA・Master・JCB・AMEX・Diners)/電子マネー可(iD・QUICPay)/QRコード決済可(PayPay・d払い・楽天ペイ)
・席数:6席
・個室:無
・貸切:不可(※5〜6名で貸切対応相談可)
・禁煙・喫煙:全席禁煙
・駐車場:無(近隣にコインパーキングあり)
・電話番号:090-2823-2991
・予約:完全予約制(前日まで受付)










