美味しいって言葉はなんて軽くて曖昧でフワフワしてる言葉だろう。
コースの皿の上に料理が乗っている。
時に白身魚だったり、鹿肉だったり。
あなたはこの皿の上に乗っている料理を食べて一体何を感じるだろう?
わぁ、彩が綺麗。
サイドはこう言う組合せでくるか。
ソースとの相性いいね。
まぁ色々感想は出るでしょう。
僕はいつも皿の上の料理は映画のワンシーンだと思っている。
一皿目は穏やかなオープングだったり、時に掴みにかかったり。
徐々にテンションが上がってきて、刺激的な皿も出てきたり。
一旦箸休め的な一品があって、最後のクライマックスはメイン。
エンディングロールと共にデザートと小菓子でフィニッシュ。
その皿を通して監督は何を伝えたかったのか?
この映画のメッセージ性はなにか?
そうです、皿の上の料理は真っ白なキャンバスに描かれた絵や映画と同じ。
見た目こそ美しいが、さて、これはシェフが表現したかったことは何か?常に考えるようにしてます。
あえてこの食材を持ってきたその意図は?
カウンターでシェフと話せる機会があれば色々質問してみる。返ってきた答えで補完する。
12皿出てきた時にはシェフの人間性がなんとなく理解できるようになります。
料理を食べてるようでいて、実は作り手の人間味を味わっているのかもしれない。
美味しかったはなんと意味のない言葉か。
別にそれはそれでいい。だけどもっと深いところまで考えてみてるとより食の楽しさの幅は広がるのは間違いない。
私は皿に上の料理に作り手の哲学が感じられるものに惹かれる。
どんぱち系の派手なアクション映画も好きなんだけどたまには2時間通して対話したい。
絵画の前にずっと立ち止まって動かない絵に何を感じ取るのか、己に聞いてみるのもいいかもしれない。
コメント