渋谷には気軽に立ち寄れる蕎麦屋から、酒や料理とともにじっくり楽しめる店まで、さまざまなそば店が点在する。道玄坂をはじめ駅周辺にも店が集まり、ランチから夜の食事まで選択肢は幅広い。
本記事では、渋谷で実際に訪れた蕎麦屋を紹介。蕎麦の香りや食感、つゆ、天ぷらなどを実食し、それぞれの店ならではの特徴をまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
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福田屋|1952年創業の細打ち蕎麦と鰹香る甘辛いつゆ

道玄坂小路の「福田屋」は1952年創業。
北海道や秋田などの蕎麦粉を使い、生地は手でこね、切り出しには機械を用いる。
細めの蕎麦を軸に、夏季の冷やしなすそばや納豆そば、天ぷらなどを揃え、普通盛りでも量はしっかりある。
とろろそばは細いながら柔らかすぎず、適度なコシがあり、噛んでいると蕎麦の甘みがじんわり広がる。
つゆは鰹を効かせた昔ながらの甘辛い味で、粘りの強いとろろと卵黄にも負けない。蕎麦の香りを強烈に押し出すタイプではなく、喉越しと食べやすさを楽しむ仕上がり。

雷庵(RYAN)|九割蕎麦と酒肴を楽しむモダンな蕎麦店

宮益坂エリアの「雷庵(RYAN)」は2016年オープン。毎日店内で蕎麦を挽き、打ち、茹でるスタイルで、蕎麦だけでなく和食をベースにした酒肴や日本酒、ナチュラルワインまで揃える。
バーのような広い空間にオープンキッチンを備え、昔ながらの蕎麦屋とは明確に方向性が異なる。
北海道産の蕎麦粉を使った九割のせいろは太めで弾力が強く、しっかり冷やされ、蕎麦特有の渋みも感じられる。
濃いめの鰹つゆとの相性もよく、香ばしくクリーミーなゴマダレも特徴的。
一品料理は総じて価格が高く、蟹焼売には価格ほどの感動を感じなかったが、蕎麦と酒肴をつまみながら過ごす店として使い方がはっきりしている。

酢重 Indigo|噛み応え抜群の極太平打ち田舎蕎麦

渋谷ストリーム2階の「酢重 Indigo」は、信州小諸の味噌蔵をルーツに持つ酢重正之の蕎麦・和食ダイニング。
最大の特徴は、うどんを思わせるほど太い平打ちの田舎蕎麦。伝統的な蕎麦屋とは方向性が異なり、肉味噌や辛味、パクチーなどを使った創作蕎麦も揃える。
とり辛味そばは、黒みを帯びた極太蕎麦がコシというより明確に硬く、とにかく噛み応えが強い。
つゆ自体は出汁が効いてキリッとしているが、辛味を絡めた鶏肉やキノコが加わると全体は濃いめでジャンクな味へ変化。甘みとコクのある卓上の信州味噌もよく合い、一般的な蕎麦とは別物として楽しめる。

玉笑|自家製粉の粗挽き蕎麦を味わう一軒

神宮前の「玉笑」は、「竹やぶ」で修業した浦川真洋氏が2003年に創業し、2011年に現在地へ移転。玄蕎麦から自家製粉し、挽き方や打ち方を変えながら蕎麦の持ち味を引き出す。
ミシュラン一つ星の獲得歴もあり、訪問時は海外客も多く、店内では英語が飛び交っていた。
粗挽きせいろはザラリとした舌触りとしっかりしたコシがあり、噛むと蕎麦の香りが鼻へ抜ける。とろみの強い蕎麦湯まで旨い一方、せいろの量はかなり少なく、価格も高め。
蕎麦だけで腹を満たすというより、そばがきや時間をかけて炊いたにしん、日本酒まで含めて楽しみたい店。

十割蕎麦 嵯峨谷 渋谷東急本店前店|450円で味わえる石臼挽き十割蕎麦

道玄坂の「十割蕎麦 嵯峨谷 渋谷東急本店前店」は、店内の石臼で製粉した蕎麦粉を使い、十割蕎麦を手頃な価格で提供する店。
挽きたて・打ちたて・茹でたてにこだわり、もりそばは450円。渋谷でこの価格ながら、蕎麦の味と香りをきちんと感じられる。
蕎麦はやや太めで、十割らしい風味もしっかり。濃いめの甘辛いつゆにも出汁が効き、価格を考えれば十分なクオリティがある。
手打ち蕎麦店の繊細さとは別物だが、ワカメや揚げ玉も自由に加えられ、安く十割蕎麦を食べられる点ではかなり使いやすい。

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