銀座には、長く暖簾を掲げる老舗から個性的な一杯を追求する専門店まで、さまざまなラーメン店が集まる。醤油や塩、味噌、豚骨、つけ麺など選択肢も幅広く、銀座ならではのラーメンを楽しめる。
本記事では、銀座駅半径800mに絞って実際に訪れたラーメン店をジャンル別に紹介。スープや麺、具材などを実食し、それぞれの一杯の特徴や違いをまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
醤油ラーメン
銀座 八五|タレを使わず完成させる唯一無二の中華そば

2018年12月オープン。東銀座の「銀座 八五」は、京都全日空ホテルで総料理長を務めた松村康史氏が手掛けるラーメン店。
最大の特徴は、一般的なラーメンに使うタレを使わず、鴨や名古屋コーチン、昆布、干し椎茸、ドライトマトなどの出汁に、プロシュートやゲランドの塩を加えて味を完成させること。
スープは動物系の豊かな旨味とプロシュートの塩味が溶け合い、醤油や塩と簡単には分けられない独特の味わい。
澄んだ口当たりながらコンソメのような深みがあり、浅草開化楼の特注麺ともよく合う。
柔らかなチャーシューや味玉までスープを邪魔しないよう細かく作り込まれ、従来の中華そばとは明らかに違う一杯を楽しめる。

麺屋ひょっとこ 交通会館店|魚介出汁と大ぶりチャーシューの和風柳麺

2005年1月オープン。有楽町駅前の東京交通会館地下1階にある「麺屋ひょっとこ 交通会館店」は、鰹や昆布を使った和風出汁のラーメンを提供する。
柚子を効かせた「柚子柳麺」も定番で、カウンター7席の小さな店には行列ができる。
和風柳麺は透明感のあるスープから魚介が香り、油分も少なくかなりあっさり。中細の縮れ麺を含めて突出した個性は感じにくく、良くも悪くも素朴で基本に忠実な味だった。
一方、大ぶりのバラチャーシューは見た目に反してトロトロに柔らかく、肉の旨味もしっかり。この一杯ではチャーシューが最も印象に残った。

むぎとオリーブ 銀座本店|蛤の旨味を前面に出した醤油SOBA

2014年2月4日オープン。銀座の「むぎとオリーブ 銀座本店」は、鶏や蛤を使ったSOBAを提供するラーメン店。
蛤SOBAは醤油を強く効かせるのではなく、蛤から出るコハク酸の旨味をしっかり感じられる仕上がり。
スープは蛤の風味が先に広がり、醤油と塩味は控えめで出汁とのバランスもいい。中太ストレート麺はかなり硬めで、ボキボキとした歯応えと小麦の風味が印象に残る。
しっとりした鶏胸肉や素揚げした長芋など具材も豊富で、食感を変えながら最後まで楽しめる。

豚骨ラーメン
長浜屋台 やまちゃん 銀座店|福岡の屋台仕込みで味わう長浜ラーメン

2002年オープン。歌舞伎座裏の「長浜屋台 やまちゃん 銀座店」は、1986年に福岡・長浜の屋台から始まった「やまちゃん」の東京店。
福岡から直送する極細麺に豚骨スープを合わせ、替え玉や麺の硬さ指定まで本場のスタイルを銀座で楽しめる。
スープは豚骨のクリーミーさと適度なとろみがありながら、臭みはなく重すぎない。バリカタで頼んだ低加水の極細麺は、ボソッとした粉っぽさの残る食感が心地いい。
トロトロのチャーシューに紅生姜や胡麻を加えれば、余計なアレンジを加えないど真ん中の長浜ラーメンを味わえる。

自家製麺 伊藤 銀座店|九十九里産煮干しと自家製麺だけで食わせる一杯

銀座六丁目の「自家製麺 伊藤 銀座店」は、赤羽の「自家製麺 伊藤」の味を受け継ぐ煮干しラーメン店。
九十九里産の煮干しを使ったスープに自家製麺とネギだけという、具材を極限まで省いた中華そばを提供する。
スープはさらりとした飲み口ながら煮干しの風味が一気に広がり、多少のエグみも感じられるほど主張は明確。
硬めに茹でた中細麺はボキボキとした歯応えがある。見た目から想像した通り、煮干しと麺だけをストレートに味わう一杯。

つけ麺
銀座 朧月|極太麺で味わう濃厚魚介豚骨つけ麺

銀座の路地に構える「銀座 朧月」は、魚介と動物系を濃厚に炊いたつけ汁に、弾力の強い極太麺を合わせるつけ麺店。
店内はカウンターのみで隣との間隔がかなり狭く、ゆったり食べる店ではない。
辛つけ麺は、ボテッと濃度の高い魚介豚骨につるりとした多加水麺がよく絡み、辛さはピリ辛程度。塩味が強すぎない点は好印象だが、味そのものは典型的な濃厚魚介豚骨。
チャーシューはほぼ破片程度で、具材の物足りなさも残ったが、味としては安定感はある濃厚つけ麺。

味噌ラーメン
東京スタイルみそらーめん ど・みそ 京橋本店|5種の味噌と背脂で仕上げる濃厚味噌

京橋に本店を構える「東京スタイルみそらーめん ど・みそ」は、全国から選んだ5種類の味噌を独自にブレンドし、鶏ガラと豚骨のスープ、背脂を合わせた「東京スタイル」の味噌ラーメンを提供する。
特みそこってりらーめんは、味噌の濃厚なコクにスパイスの香り、背脂の甘みが重なる力強い味。
三河屋製麺の中太麺は濃いスープをしっかり受け止め、もやしやコーン、チャーシューもたっぷり入る。味噌の甘さとコクに背脂を効かせた、どっしり濃厚な一杯を楽しめる。
旨辛ラーメン
支那麺 はしご 本店|スパイス香る排骨をのせた独自の担担麺

1964年創業。銀座の「支那麺 はしご 本店」は、鶏ガラと豚骨から取る無化調の清湯醤油スープに、自家製の芝麻醤やスパイスを効かせた「だんだんめん」で知られる。
一般的な濃厚胡麻系の担々麺とは違い、澄んだスープを生かした独自の味が特徴。
なかでも排骨担担麺は、カレー風味を付けて揚げた豚あばら肉から脂と肉の旨味が溶け出し、通常のだんだんめんよりコクが増す。
低加水の細ストレート麺はコシがあり、あっさりしたスープとの馴染みもいい。個人的にはここでラーメンを食べるなら排骨担担麺を選びたい。

SHIBIRE-NOODLES 蝋燭屋 京橋エドグラン店|山椒の痺れが突き抜ける濃厚麻婆麺

2017年に銀座で創業した麻婆麺専門店「蝋燭屋」の系列店。京橋エドグラン地下に店を構え、花椒の鮮烈な香りと痺れ、自家製ラー油の辛味を効かせた麻婆麺を提供する。
麻婆餡は濃厚でとろみが強く、三河屋製麺の中太麺にしっかり絡む。食べ始めは麻婆のコクと辛味が広がり、途中から山椒の痺れがじわじわと蓄積していくのが特徴。
一般的な担々麺や麻婆ラーメンとは方向性が異なり、辛さだけでなく痺れを前面に出した個性的な一杯。
175°DENO担担麺 GINZa|花椒の痺れと自家製ラー油が香る担担麺

銀座一丁目駅近くの「175°DENO担担麺 GINZa」は、札幌発の担々麺専門店「175°DENO」の銀座店。
四川省から仕入れる花椒と175度まで熱して作る自家製ラー油を使い、辛さだけでなく香りと痺れをしっかり効かせる。
白ごま汁あり担担麺は、鶏ガラスープに濃厚な胡麻を効かせ、とろみのあるスープが麺に絡む。
花椒の鮮烈な香りと痺れ、自家製ラー油の辛味にナッツの香ばしさと食感も加わり、食べ進めるほど味に広がりが出てくる。奇をてらった味ではなく、王道の担々麺を香りと痺れで一段深くした一杯。
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