東京・調布市は、調布駅周辺の人気店はもちろん、仙川の淡麗系、つつじヶ丘、柴崎や国領の実力店まで、駅ごとに違ったラーメン文化が広がっている。
本記事では、調布市内のラーメン店を駅別に整理しながら、実際に訪問したおすすめ店をまとめていく。
※新しく良い店が出れば、このリストは随時更新する。
調布駅
たけちゃんにぼしらーめん|「たけにぼ」の愛称で親しまれる調布煮干しラーメンの原点

1990年創業の調布を代表する煮干しラーメンの老舗であり、「たけにぼ」の愛称で長年親しまれてきた。
始まりは、先代店主・坂本鐐一氏による2トンワゴンの屋台営業。当時としては珍しかった「煮干し×豚骨」のダブルスープを武器に人気を集め、1994年頃には深大寺近くに実店舗を構えるまでに成長。
2006年11月には現在の調布駅東口近くへ移転。
特徴は、ガツンと香る煮干し感。近年流行したセメント系ほど濃密ではないが、煮干し特有のエグみや苦味をあえて残したスープは非常に個性的で、煮干し好きから高い支持を受ける。
合わせるのは硬めに茹でた中太ストレート麺。多加水気味のパツっとした食感で、煮干しスープをしっかり持ち上げる。
トロトロに煮込まれたチャーシューや柚子の香りもアクセントとなり、昔ながらの煮干しラーメンを現在まで守り続けている。

そらまめらぁめん本舗|1980年代創業、調布で長年愛される味噌ラーメンの老舗

調布駅北口近くで長年営業を続ける老舗ラーメン店。学生街らしいボリューム感と、味噌を軸にした個性的なメニュー構成で地元客に支持されてきた。
看板メニューは「味噌担々麺」。八丁味噌ベースの濃厚スープに、隠し味としてパイナップルの甘みを加える独特な構成で、重厚感の中にまろやかさを持たせている。
さらに「味噌大肉麺」や「酸辣湯麺」も人気。特に大肉麺は巨大な豚肉塊が乗るインパクト系で、甘辛い味付けと味噌スープが噛み合う。
学生証提示で大盛・特盛無料というサービスも継続しており、学生街・調布らしいローカルラーメン店。

ぶっ豚 調布店|「郎郎郎」のDNAを継ぐ、調布拠点の二郎インスパイア店

調布駅東口近くに構える「ぶっ豚 調布店」は、調布に本拠を置く「株式会社ニーズアンドクリエイト」が展開する二郎インスパイア系ラーメン店。
かつて同社が展開していた「郎郎郎(さぶろう)」の流れを汲み、現在の「ぶっ豚」ブランドへと再構築された。
濃厚な豚骨醤油スープに平打ち極太麺、分厚い豚を合わせた王道スタイルながら、直系ほど攻撃的ではなく比較的マイルド。ニンニクをセルフ方式にするなど、チェーン店らしい入りやすさも特徴となっている。
以前は「出汁の弱さ」が目立ったが、現在は微乳化気味に改善され、豚もホロホロ系へ変化。
とはいえ化学調味料の強さは残っており、ジャンク感重視の方向性は健在。

仙川駅
ラーメン二郎 仙川店|仙川ブラックが魅力の二郎直系の異端児

直系二郎の中でも3番目にオープンした歴史ある店舗で、「仙川ブラック」と呼ばれる漆黒の非乳化スープで知られる異端的存在。
味はとにかくブレる。日によって「お湯みたいに薄い」と言われることもあれば、逆に凶暴な塩辛さの日もある。だが、その不安定さすらイベントとして受け入れられているのが仙川二郎の恐ろしさである。
スープは非乳化寄りで、黒々とした醤油ダレに生姜のアクセント。
湯切りをほぼしない独特の作り方も有名で、豚出汁・化調・カエシのバランスが毎回揺れ動く。
そこにボキボキ食感の硬め平打ち麺、大量麺、クタ野菜、巨大豚が重なり、唯一無二の中毒性を生む。
仙川駅徒歩1分、夜営業のみという尖った営業形態も含め、万人受けはしないが刺さる人には一生刺さる店。

支那そば めでた屋|たんたん亭出身店主が守る、普遍的な中華そば

1988年創業、仙川駅近くに構える「支那そば めでた屋」は、浜田山「たんたん亭」出身の店主が営む老舗ラーメン店。
目黒「かづ屋」や池尻大橋「八雲」などにも続く、たんたん亭系譜の流れを汲む一軒である。
スープは鶏ガラや豚骨を土台に、節や煮干し、干しエビなどを重ねた清湯系。
醤油の酸味と煮干しの香りが穏やかに立ち、塩味は強すぎないが物足りなさもない。まさに毎日飲めるタイプのスープだ。
麺は中細の微縮れ麺で、硬めの茹で加減による小気味よい食感が特徴。肉厚のチャーシュー、メンマ、ネギ、海苔という構成もクラシックで、普遍的な旨さを感じる。

武虎家 暁 仙川店|武蔵家出身が作る、キレ重視の進化系家系ラーメン

仙川駅近くに構える「武虎家 暁 仙川店」は、「武蔵家 綾瀬店」で基礎を学んだ店主による家系ラーメンブランド。
2012年創業の「武虎家」系列の一店舗で、綱島や尾山台にも展開している。
スープは豚骨の旨味をしっかり出しつつ、重すぎないバランス型。鶏油はほどほどで、濃厚一辺倒ではなく、醤油ダレのキレを際立たせた構成が特徴。武蔵家系の流れを感じさせながらも、より現代的で食べやすい方向へブラッシュアップされた印象だ。
麺は定番の酒井製麺。短めの平打ち麺で、小麦感とスープの絡みをしっかり感じられる。そして特徴的なのが低温調理のチャーシュー。柔らかく脂の甘みもあり、直系とは違うアプローチを見せている。

つつじヶ丘駅
柴崎亭 本店|ワンコイン伝説から始まった、調布市を代表する淡麗ラーメン

2011年12月17日、調布市柴崎で創業し、2014年9月1日に現在のつつじヶ丘駅前へ移転した、和食出身の石郷岡氏が手がける淡麗系ラーメンの名店である。
創業当初は「ワンコイン中華そば」で一気に話題となる。
いりこ、煮干し、昆布、鰹などを用いた無化調スープは雑味がなく、和食的な出汁感を前面に押し出した構成となっている。
そして最大の特徴が、美しく整えられた「麺線」。
低温調理チャーシューや穂先メンマとともに、丼全体を一皿の料理として成立させるビジュアルは、現在の淡麗系ラーメンシーンにも大きな影響を与えた。
さらに「麺匠 いしかわや」「猫と月」「SHIBASAKITEI+」など、系譜や関連店も多く、調布エリアだけでなく東京ラーメン界全体に影響を残した存在。

札幌味噌麺 優|純すみ系の熱々ラード味噌を味わう、つつじヶ丘の実力店

つつじヶ丘駅近くに構える「札幌味噌麺 優」は、調布市では貴重な純すみ系の味噌ラーメン店。
店主は「さっぽろ純連」系で経験を積み、立川ラーメンスクエアの「さっぽろ純連」でも店長を務めた人物である。

特徴は、ラードの膜で熱を閉じ込めた熱々の濃厚味噌スープ。炒めた玉ねぎやモヤシの香ばしさ、生姜の効いた味噌のコク、熱々の油膜が重なり、寒い日に食べると身体の芯まで温まる。
麺は中太の黄色い縮れ麺で、濃厚なスープをしっかり持ち上げる。辛味噌もあるが、初訪問ならまずは味噌ラーメンが本命。

国領駅
熊王ラーメン|味噌も醤油も地元密着、国領駅前の行列ラーメン店

国領駅前で長年愛され続ける老舗ラーメン店。再開発による移転を経ながらも、現在も昼時には行列ができる国領の代表的存在である。
すりおろしニンニクを加えることで、シンプルな豚骨鶏ガラ醤油スープに一気にジャンクなコクが加わる。
麺は柔め寄りの中太ストレート。この少し柔らかい麺も熊王らしさで、昔ながらのラーメン感を強く残している。
味噌ラーメンも人気で、炒め野菜や胡麻が香る素朴なタイプ。今どきの濃厚札幌系とは違い、街中華とラーメン専門店の中間のような懐かしい味わいがある。

武蔵家 国領店|酒井製麺と無料ライスで食わせる国領の満腹家系

スープは豚骨醤油ベースで、鶏油と動物系のコクを感じるタイプ。
直系ではなく、武蔵家ならではのさらっと食べられるバランス。酒井製麺の平打ち中太麺と合わせる王道の家系スタイルになっている。
最大の魅力は、ライス無料サービス。白ごはんだけでなく、まかないご飯を選べる点も特徴で、ラーメンと合わせれば満腹度はかなり高い。
価格も抑えめで、学生や会社員の日常ランチとして使いやすい。

柴崎駅
手打麺祭 かめ囲|うどん粉仕込みの高加水麺で魅せる唯一無二の中華蕎麦

柴崎に構える「手打麺祭 かめ囲」は、蒲田「煮干しつけ麺 宮元」出身の亀井康太氏と女将のめんまさんによる人気店。
宮元時代には「手打中華蕎麦 亀庵」として間借り営業を行い、限定販売のたびに行列を作った実力派である。
最大の特徴は、注文後に麺を打つ極太平打ち麺。うどん粉「麺祭」を主体に、薄力粉や胚芽をブレンドした高加水麺で、ふわっと軽く、みずみずしい口当たりながら、手揉みによるしっかりしたコシも感じる。
スープは黒さつま鶏を軸に、複数の地鶏、鴨、豚、乾物を重ねた穏やかな醤油味。カエシでキレを出すというより、動物系の旨味がじんわり馴染むタイプで、存在感の強い麺を受け止める。
女将が仕込む黒メンマや、低温調理・吊るし焼きの2種チャーシューなど細部の仕事も濃い。
西調布駅
猫と月 chan mie noodles|柴崎亭出身女性店主が作る、やさしい中華そば

西調布駅近くの住宅街に構える「猫と月 chan mie noodles」は、「柴崎亭」「いしかわや」出身の小川美月氏によるラーメン専門店。
7席のみの小さな空間ながら、清潔感のある木目調の店内と丁寧な接客で、女性客からの支持も高い。
看板メニューは「醤油中華そば」と「あっさり塩中華そば」。煮干しや節を軸にした魚介清湯はじんわりと優しく、派手さではなく染み込む旨さ。
中細ストレート麺の美しい麺線には、柴崎亭系譜らしさが色濃く表れている。
具材も特徴的で、低温調理チャーシューに加え、鶏団子や揚げ団子、小松菜などを組み合わせる独自路線。
さらに限定麺にも力を入れており、松茸を練り込んだ麺やキノコのマリネを合わせるなど、ラーメンの枠に収まらない発想も魅力となっている。

博多とんこつらーめん ひゅうが|夜に沁みる濃厚豚骨。

2016年に博多豚骨専門店として再始動、2020年11月13日に現在の場所へ移転リニューアルした「博多とんこつらーめん ひゅうが」は、西調布で長年営業を続ける地域密着型の豚骨ラーメン店。
もともとは町中華を引き継いだ店舗からスタートしており、現在の店主・川崎徹王氏が業態転換を経て博多豚骨一本へ舵を切った。
特徴は、店内に漂うしっかりした獣臭と、骨感ある濃厚豚骨スープ。単なるライト豚骨ではなく、程よいクリーミーさとカプチーノ感、そして醤油ダレのキレで食わせる本場寄りの構成。
麺は菅野製麺の低加水細麺を使用。ザクっとした歯切れで替え玉との相性も良い。
さらに赤ウインナー炒めや豚ホルモン炒めなど、酒飲み向けメニューも揃えており、夜に通いたくなる博多ラーメン店である。

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