武蔵小杉は複数路線が乗り入れる交通の要所で、再開発による新しい街並みと昔ながらの商店街が共存するエリア。駅周辺には飲食店も多く、ラーメンでは二郎系や家系、濃厚系からあっさりとした一杯まで幅広い選択肢が揃っている。
本記事では、武蔵小杉駅から半径800mに絞って実際に訪れたラーメン店を厳選。各店の特徴や実際に食べた一杯の味わいを交えながら、ジャンルごとに紹介する。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
醤油・煮干し系
麺や でこ|二段仕込みで引き出す煮干しの旨味

新丸子駅近く、武蔵小杉からも徒歩圏内の「麺や でこ」は、2014年創業の煮干しラーメン店。
羅臼昆布と干し椎茸の出汁に複数の煮干しを合わせ、一晩寝かせた後に再び煮干しを加える二段仕込みで、雑味を抑えながら香りと旨味を引き出している。
代表格の「追い煮干しそば」は、煮干しの濃度や苦味で押すのではなく、澄んだスープの中に旨味と香りを重ねた軽やかな仕立て。
ザクッと歯切れのいい中細麺に乾燥海苔や玉ねぎが絡み、香りや辛味の変化を加えながら最後まで重さを感じずに楽しめる。

ラーメン丸仙|名古屋コーチン香る昭和の支那そば

武蔵小杉の「ラーメン丸仙」は、1973年創業の老舗ラーメン店。
鶏ガラや豚ガラ、野菜に名古屋コーチンを重ね、魚介の旨味を加えた清湯スープを軸に、昔ながらの支那そばを守り続けている。
支那そばは、醤油のコクとほのかな酸味に、鶏や魚介の香りがすっと重なる端正な味わい。
細ストレート麺は滑らかで歯切れがよく、大ぶりのチャーシューやメンマまで素朴な構成ながら隙がない。熱々の一杯から、昭和のラーメンらしい力強さが伝わってくる。

らぁ麺 はやし田 武蔵小杉店|鴨と鶏の旨味を重ねる醤油らぁ麺

武蔵小杉駅近くの「らぁ麺 はやし田 武蔵小杉店」は、鴨と大山どりの丸鶏を使った清湯スープを軸に、醤油らぁ麺や塩らぁ麺を提供するラーメン店。
全粒粉を配合した歯切れのいい麺に、鶏と豚のチャーシュー、穂先メンマなどを合わせ、端正にまとめている。
醤油らぁ麺は、醤油の角を強く立てるのではなく、鶏の旨味を前面に出した澄んだ味わい。
全粒粉麺はザクッとした歯応えと小麦の風味があり、スープとの馴染みもいい。具材まで無駄なく整えられた、現代的な清湯醤油ラーメン。
家系ラーメン
横浜ラーメン 渡来武 総本店|武蔵家仕込みの濃厚家系ラーメン

武蔵小杉駅前の「横浜ラーメン 渡来武 総本店」は、日吉「武蔵家」出身の店主が2020年に開いた家系ラーメン店。豚骨の旨味をしっかり引き出したスープに、キレのあるカエシと鶏油を重ね、武蔵家の流れを感じさせる力強い豚骨醤油に仕上げている。
スープは濃厚ながら粘度に寄りすぎず、鶏油の丸みと醤油の輪郭がバランスよく共存。
酒井製麺の中太麺がしっかり絡み、海苔やほうれん草、チャーシューまで王道の構成でまとまる。無料のライスと合わせてこそ、この店らしい満足感が完成する。

二郎系ラーメン
ラーメンめじ 武蔵小杉店|めじろ台仕込みの二郎系ラーメン

新丸子駅近くの「ラーメンめじ 武蔵小杉店」は、「ラーメン二郎 めじろ台店」で修業した店主が手がける二郎系ラーメン店。

仙川での1号店を経て2023年に開業し、微乳化した豚骨醤油スープにゴワッとした極太麺、たっぷりの野菜と分厚い豚を合わせる。
スープは醤油の塩気が先に立つ一方、ベースとなる豚の旨味や出汁の厚みはやや弱く、見た目ほどの力強さは感じにくい。
カエシを回しかけることで輪郭は補えるものの、スープ単体ではもう少しコクが欲しいところ。
その一方で、噛み応えのある極太麺や肉厚な豚にはしっかり存在感があり、めじろ台由来の方向性を感じさせる一杯となっている。
ラーメン豚山 武蔵小杉店|濃厚豚骨と極太麺の二郎系

武蔵小杉駅近くの「ラーメン豚山 武蔵小杉店」は、「町田商店」などを展開するギフトホールディングスが手がける二郎系ラーメン店。
豚骨をじっくり炊いた濃厚なスープに、ワシワシと噛ませる極太麺、たっぷりの野菜と厚切りの豚を合わせる。
スープは豚のコクと甘みに醤油ダレを効かせ、二郎系らしい濃さを明確に打ち出した仕立て。
反面、味の強さが前へ出るため、後半はやや食べ疲れを感じることもある。
そのぶん野菜との相性はよく、密度の高い極太麺やホロホロに柔らかな豚まで、チェーン展開ながら安定感のある一杯にまとまっている。
つけ麺
つけめんTETSU 武蔵小杉東急スクエア店|濃厚豚骨魚介と極太麺

武蔵小杉駅直結の「つけめんTETSU 武蔵小杉東急スクエア店」は、千駄木に本店を置くつけ麺専門店。
豚骨や鶏ガラの動物系に煮干しや鰹節などの魚介を重ねた濃厚なつけ汁と、強いコシを持つ極太麺を組み合わせる、王道の豚骨魚介つけ麺を楽しめる。
つけ汁は適度なとろみがあり、甘辛さの中から鰹の風味がしっかり広がる。
極太麺もグッと押し返す力強さと小麦の風味があり、いわゆる定番の「濃厚豚骨魚介」ながら味のまとまりは良好。
最後のスープ割りでは鰹出汁がより鮮明になり、むしろ後半に出汁の良さが際立つ。
舎鈴 グランツリー武蔵小杉店|毎日食べやすい魚介豚骨つけ麺

武蔵小杉の「舎鈴 グランツリー武蔵小杉店」は、「六厘舎」を展開する松富士食品が手がけるつけ麺ブランド。

「毎日食べられるつけめん」を掲げ、豚や鶏の動物系に魚介出汁を重ねたつけ汁と、小麦の風味を感じる中太麺を組み合わせている。
つけ汁は六厘舎ほど濃厚さに振り切らず、魚介の香りと動物系のコクを残しながら比較的軽い仕上がり。
その一方で塩気はやや強く感じることがあり、麺をどっぷり浸すより量を調整したほうがバランスを取りやすい。力強い麺を気軽に楽しめる、六厘舎とは方向性の異なるつけ麺。
その他
元祖ニュータンタンメン本舗 新丸子店|ニンニク香る川崎の辛旨麺

新丸子の「元祖ニュータンタンメン本舗 新丸子店」は、川崎で生まれた独自のタンタンメンを味わえる店舗。
一般的な担々麺とは異なり、鶏ガラ塩スープに大量のニンニク、粗挽き唐辛子、ひき肉、溶き卵を合わせるシンプルかつ個性的な構成となっている。
スープを口にすると、まずニンニクの強烈な香りが広がり、続いて唐辛子の刺激を溶き卵がまろやかに包み込む。
中太麺はもちもちとして卵や唐辛子をよく拾い、辛さ以上にニンニクの存在感が強烈。
翌日まで香りが残るほどなので食べるタイミングは選ぶものの、その振り切った味こそクセになる川崎らしい一杯。
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