有楽町駅周辺には、昔ながらの醤油ラーメンから濃厚な豚骨、つけ麺まで、さまざまなラーメン店が点在する。銀座や日比谷にも隣接し、駅近くの商業施設から路地裏の専門店まで、少し歩くだけでも選択肢が広がるエリア。
本記事では、有楽町駅半径800mに絞って実際に訪れたラーメン店を紹介。スープの旨味や麺の食感、具材の特徴などを実食し、それぞれの一杯の魅力や違いをまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
醤油ラーメン
麺屋ひょっとこ 交通会館店|澄んだ和風出汁と柔らかな大判チャーシュー

有楽町駅前の東京交通会館地下1階にある和風ラーメン店。鰹や昆布の出汁を効かせたあっさりとしたスープが特徴で、柚子の香りを添えた「柚子柳麺」も人気。
カウンター7席のみの小さな店舗ながら、手際のよい調理と提供の早さで多くの客を迎える。
基本の「和風柳麺」は、魚介の風味が穏やかに広がる澄んだスープに、中細の縮れ麺を合わせた一杯。味わいは素朴で突出した個性こそないものの、丼を覆う大ぶりのチャーシューは驚くほど柔らかく、豚バラ肉の旨味がしっかり感じられる。昔ながらの和風ラーメンを手頃な価格で楽しめる、有楽町の老舗。

銀座 八五|フレンチの技法で生まれたカエシ不使用の中華そば

京都全日空ホテルで総料理長を務めた松村康史氏が手掛けるラーメン店。
最大の特徴は、醤油ダレなどのカエシを使わず、スープそのものを完成させる独自の調理法。
鴨と名古屋コーチンを中心に、昆布、干し椎茸、ドライトマトなどから出汁を取り、プロシュートの塩味や旨味を加えて仕上げる。店名の「八五」には、富士山の五合目にいる気持ちで初心を忘れないという意味が込められている。
中華そばは、鶏の豊かな旨味と生ハムの塩気が溶け合い、コンソメを思わせる澄んだ味わい。
醤油とも塩とも異なる繊細なスープに、浅草開化楼の特注麺がよくなじむ。箸で崩れるほど柔らかなチャーシューや、スープを濁さない絶妙な火入れの味玉にもフレンチ出身の技術が光る。従来のラーメンの常識を覆しながら、中華そばとしての美味しさを追求した独創的な一杯。

むぎとオリーブ 銀座本店|蛤の旨味とオリーブオイルが香る独創的な中華そば

2014年2月4日オープン、2023年5月27日にリニューアル。店主の岩田圭介氏は洋食やフレンチで経験を積み、独学でラーメン作りを習得。
名物の「蛤SOBA」は、三重県桑名市などから仕入れる蛤の出汁を生かした中華そば。卓上のエシャレット風味の特製オリーブオイルを加えると、貝出汁に洋風の香りとコクが広がる。
蛤SOBAは、貝特有のコハク酸の旨味が鮮明で、醤油の主張を抑えた澄んだスープが特徴。硬めに茹でた中太ストレート麺は歯切れがよく、小麦の風味もしっかり感じられる。
しっとりとした鶏胸肉のチャーシューに、シャリッとした素揚げ長芋、結び蒲鉾、三つ葉など、具材の食感も多彩。蛤の風味を存分に味わえる、和食と洋食の感覚が入り交じる一杯。

津軽煮干 ひらこ屋|4種類の煮干しを贅沢に使った青森発の濃厚中華そば

2005年に青森市で創業した「中華そば ひらこ屋」が、東京駅のラーメンストリートに進出。
名物の「こいくち煮干」は、平子煮干しを中心に4種類、合計50kg以上の煮干しを使用した濃厚な中華そば。
東京駅店では独自の中太麺を採用し、青森の津軽地方に根付く煮干しラーメンを提供する。
こいくち煮干は、適度なとろみのあるスープに煮干しの旨味が凝縮され、ほろ苦さと酸味が絶妙なバランス。濃厚ながら酸味のおかげで後味は意外なほど軽く、煮干しの力強さを存分に楽しめる。
中太の縮れ麺に加え、豚もも肉やバラ肉のチャーシューも肉の旨味が濃く、脂の甘さが心地よい。

自家製麺 伊藤 銀座店|九十九里産煮干しと硬めの自家製麺で勝負する中華そば

1988年に秋田県角館で創業した「自家製麺 伊藤」の流れをくむ煮干しラーメン店。
伊藤家の次男・伊藤広夢氏が手掛け、九十九里産の煮干しを使った無化調スープと自家製麺を提供する。
基本の中華そばは麺、スープ、ネギのみという潔い構成で、煮干しそのものの味を追求している。
中華そばは、さらりとしたスープを口に含むと煮干しの香りと旨味が一気に広がる。飲み口は穏やかながら、煮干し特有のほろ苦さも残る力強い味わい。
加水の中細ストレート麺はかなり硬めで、ボキボキとした歯応えが特徴。具材を極限まで省いた分、食べ進めるとやや単調さも感じるが、煮干し出汁と麺の個性を真っすぐに味わえる一杯。

つけ麺
六厘舎 東京駅東京ラーメンストリート|濃厚魚介豚骨つけ麺と極太麺の元祖的人気店

東京・大崎で創業し、濃厚魚介豚骨つけ麺のブームを牽引した「六厘舎」の東京駅店。

東京駅一番街の「東京ラーメンストリート」に店を構え、豚骨や鶏ガラなどの動物系スープに魚介の旨味を重ねた濃厚なつけダレと、食べ応えのある極太麺を提供する。
具材はチャーシューやメンマ、ネギ、海苔など。最後は卓上のスープ割りでつけダレを薄め、魚介豚骨の旨味を最後まで楽しめる。
松戸富田麺絆|中華蕎麦 とみ田直営の濃厚豚骨魚介つけめん

千葉県松戸市の名店「中華蕎麦 とみ田」が手掛ける直営店で、東京駅直結のKITTE丸の内地下1階に店を構える。名物は豚骨や鶏の旨味に煮干しや節系の魚介出汁を重ねた濃厚つけめん。
濃厚つけめんは、まず麺そのものの香りの強さに驚かされる。弾力のある極太麺は噛むほどに小麦の甘みが広がり、麺だけでも十分に旨い。
とろみの強いつけダレは動物系のコクと魚介の風味が濃厚ながら、ほのかな甘みが全体をまろやかにまとめる。麺の風味も埋もれず、最後のスープ割りまで完成度が高い。濃厚豚骨魚介つけめんの魅力を存分に味わえる一軒。

銀座 朧月|和食出身の店主が手掛ける濃厚魚介豚骨つけ麺

和食の世界で経験を積んだ柳沼英次氏が、濃厚つけ麺に魅了され、独学で研究を重ねて開業したラーメン店。
2024年9月5日に銀座6丁目の浅黄ビル1階へ移転。名物の「濃厚つけ麺」は、豚骨などの動物系と魚介の旨味を凝縮した濃厚なつけダレに、弾力のある極太麺を合わせる。煮干しの風味を生かした中華そばや、季節ごとの限定麺も提供する。
「辛つけ麺」は、魚介と動物系の旨味が詰まった粘度の高いつけダレに、穏やかな辛味を加えた一杯。
ツルツルとした舌触りの多加水太麺は、モチモチとした弾力があり、小麦の風味も豊か。濃厚なタレが麺によく絡みながら、塩気は強すぎず食べ進めやすい。奇をてらわず、濃厚魚介豚骨つけ麺の王道を味わえる店。

味噌ラーメン
味噌麺処 花道庵 東京駅店|香ばしいラードと濃厚味噌が決め手の東京味噌ラーメン

東京駅一番街の「東京ラーメンストリート」に店を構える、東京・野方発祥の味噌ラーメン専門店「味噌麺処 花道庵」の系列店。
豚骨と鶏ガラをベースにした濃厚なスープに、白味噌やラード、ニンニク、生姜を効かせた力強い味わいが特徴。高火力で炒めたシャキシャキのもやしと、三河屋製麺の平打ち中太麺が食べ応えを高める。
味噌ラーメンは、味噌のコクとほのかな酸味に動物系の旨味が重なり、濃厚ながら後味は意外と重くない。ラードの香ばしさがスープに広がり、ツルツルとした舌触りとモチモチの弾力を持つ麺によくなじむ。厚切りチャーシューや歯応えのよい極太メンマも特徴。
東京駅店限定のニンニク醤油煮込み豚バラ肉をのせたメニューもあり、野方本店から受け継ぐ濃厚味噌ラーメンを東京駅で楽しめる。
東京スタイルみそらーめん ど・みそ 京橋本店|5種類の味噌と背脂が生む濃厚味噌ラーメン

京橋に本店を構える味噌ラーメン専門店。全国から厳選した5種類の味噌を独自にブレンドし、鶏ガラと豚骨の濃厚なスープに背脂を加えた「東京スタイル」の味噌ラーメンを提供する。
名物の「特みそこってりらーめん」は、味噌の深いコクにスパイスの香りと背脂の甘みが重なる、力強い味わいが特徴。
濃厚なスープは味噌の風味がしっかりと感じられ、背脂によってまろやかさも加わる。合わせるのは、スープに負けない弾力を持つ中太麺。
もやしやコーン、チャーシューなど具材も豊富で、食べ応えは十分。辛味を効かせた「みそオロチョンらーめん」も人気があり、札幌味噌ラーメンとはひと味違う独自の味噌ラーメンを楽しめる。
豚骨ラーメン
長浜屋台 やまちゃん 銀座店|福岡の屋台から生まれた本場の長浜豚骨ラーメン

1986年に福岡・長浜の魚市場横で創業した屋台をルーツに持つラーメン店。1992年には博多・天神に店舗を構え、その後東京へ進出。
銀座店は歌舞伎座の裏手に位置し、福岡から直送する極細麺と豚骨スープで本場の長浜ラーメンを提供する。麺の硬さを選べるほか、替え玉や卓上の紅生姜、胡麻なども揃う。
豚骨スープは適度なとろみとクリーミーさがありながら、臭みがなく後味も軽やか。重すぎず薄すぎないバランスがよく、バリカタで注文した低加水の極細麺は、粉っぽさを残した独特の歯応えが心地よい。
トロトロに柔らかいチャーシューも申し分なく、銀座では貴重な本格長浜ラーメンを楽しめる。

博多麺房 赤のれん 丸ビル店|1946年創業の味を受け継ぐ老舗博多ラーメン

1946年に福岡で創業した「赤のれん」の流れをくむ博多ラーメン店。東京では1978年から本格的な博多ラーメンを提供しており、丸ビル店でもその伝統的な味を楽しめる。
特徴は、白濁した豚骨スープに醤油ダレを効かせた、コクがありながら後味の軽い一杯。
スープは豚骨のまろやかな旨味と醤油のキレが共存し、濃厚ながらも飲みやすい仕上がり。合わせるのは、一般的な博多ラーメンの丸い極細麺とは異なる、赤のれん特有の平打ち細麺。歯切れがよく、スープをしっかり持ち上げる。東京駅周辺で昔ながらの博多豚骨ラーメンを味わえる一軒。
一風堂 銀座インズ店|博多発の豚骨ラーメンと香味油が効いた赤丸新味

1985年に福岡・大名で創業した「一風堂」の銀座店で、有楽町駅近くの銀座インズ2の2階に店を構える。
臭みを抑えたクリーミーな豚骨スープが特徴で、定番の「白丸元味」に加え、香味油と辛味噌でコクを深めた「赤丸新味」を提供する。植物由来の素材を使った店舗限定メニュー「プラント赤丸」も用意する。
「赤丸新味」は、豚骨のまろやかな旨味に香味油の香ばしさと辛味噌の刺激が重なる一杯。
スープにはほのかな甘みもあり、白丸よりも複雑でコクのある味わい。バリカタで注文した低加水の極細麺は、ボキボキとした歯応えが心地よく、小麦の風味も感じられる。
豚骨本来の味を楽しむなら白丸、香ばしさや辛味を加えたいなら赤丸と、好みに応じて選べる。
旨辛系ラーメン
支那麺 はしご 本店|澄んだ醤油スープとカレー風味の排骨担担麺

1964年に銀座5丁目で創業。2009年に旧店舗が閉店し、現在は銀座6丁目の店舗が本店として営業する老舗ラーメン店。
名物の「だんだんめん」は、鶏ガラと豚骨から取った澄んだ醤油スープに、自家製の芝麻醤と香辛料を効かせた独特の担々麺。一般的な濃厚ごま系とは異なり、あっさりとした口当たりと奥深いコクが特徴。
特におすすめは、カレー風味の豚あばら肉を揚げた「排骨担担麺」。
香ばしい衣と豚肉の旨味がスープに溶け出し、通常のだんだんめんよりも一段とコクが増す。
低加水の細ストレート麺は歯切れがよく、辛味とごまの風味をしっかり持ち上げる。手作りの焼売や餃子も充実しており、深夜まで営業する銀座の貴重な一軒。

175°DENO担担麺 GINZa|175度の自家製ラー油と四川花椒が香る本格担担麺

札幌発の担担麺専門店「175°DENO担担麺」の銀座店。銀座一丁目駅近くに店を構え、四川省から仕入れる花椒と、175度まで熱して作る自家製ラー油を使った担担麺を提供する。辛味だけでなく、花椒の鮮烈な香りと痺れを生かした味わいが特徴。
「白ごま汁あり担担麺」は、鶏ガラスープに濃厚な胡麻の風味が溶け込み、まろやかなコクが広がる一杯。
自家製ラー油の辛味に花椒の刺激が重なり、ナッツの香ばしさが味に奥行きを加える。とろみのあるスープが麺によく絡み、食べ進めるほどに香りと痺れが広がる。胡麻の濃厚さと四川花椒の爽快な刺激を楽しめる担担麺。
SHIBIRE-NOODLES 蝋燭屋 京橋エドグラン店|山椒の痺れと濃厚な麻婆餡が絡む麻婆麺

2017年に銀座で創業した麻婆麺専門店「蝋燭屋」の系列店。京橋エドグランの地下に店を構え、花椒の鮮烈な香りと痺れを生かした麻婆麺を提供する。一般的な担々麺や麻婆ラーメンとは異なり、山椒の刺激を前面に出した独特の味わいが特徴。焼きチーズ麻婆麺などの変わり種も揃う。
名物の麻婆麺は、豆腐と挽き肉が入った濃厚な麻婆餡に、自家製ラー油の辛味と花椒の痺れが重なる刺激的な一杯。
三河屋製麺の中太麺は、粘度の高い麻婆餡をしっかりと持ち上げ、食べ進めるほどに痺れが蓄積していく。麻婆豆腐の旨味と山椒の爽快な刺激を同時に楽しめる、個性の強い麻婆麺。
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