湯島は上野や御徒町に隣接しながら、昔ながらの和食店から中華、ラーメン、洋食まで幅広い飲食店が集まるエリア。リーズナブルな普段使いのランチはもちろん、少しゆっくり食事を楽しめる店まで選択肢が揃っている。
本記事では、湯島駅から半径800m程度を目安に、実際に訪れたランチ店をジャンル別に紹介する。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
ラーメン
中華蕎麦にし乃

本郷三丁目に構える「中華蕎麦にし乃」は、ミシュランガイド掲載歴を持つ上北沢「らぁめん小池」のセカンドブランドとして2018年2月17日にオープン。
現在は「キング製麺」「つけめん金龍」「こいけのいえけい」など複数のブランドを展開する小池グループの一軒。

実食した中華そばは、ふくよかな鶏を土台に煮干しや貝などの旨味を幾重にも重ね、白醤油を使った黄金色の澄んだスープに仕立てた一杯。
魚介は強過ぎず、それぞれの出汁が繊細に絡み合いほのかな甘みまで感じさせる。ツルリとしなやかな中細ストレート麺、もっちりとした低温調理チャーシューとの馴染みもよく、端正な見た目からは想像する以上に力強い旨味を備えている。

四川担担麺 阿吽 湯島本店

湯島で2007年8月25日にオープンした「四川担担麺 阿吽 湯島本店」。
四川担担麺とつゆ無し担担麺を軸に、自家製ラー油の「辛さ」と花椒の「痺れ」をそれぞれ好みで調整できるのが特徴で、現在は浅草にも店舗を展開している。
実食した白胡麻の担担麺は、胡麻のクリーミーなコクを土台に、ラー油の辛味、花椒の痺れ、酸味が幾重にも重なる。
辛味噌を少しずつ溶かせば味の輪郭も変化し、低加水の中細縮れ麺には挽肉や小海老がしっかりと絡む。
刺激だけが突出することはなく、最後まで複数の味わいが崩れないバランスの良さが印象的。

王道家直系 IEKEI TOKYO

末広町に構える「王道家直系 IEKEI TOKYO」は、2003年に柏で創業した「王道家」の東京店。
店主の清水裕正氏は家系総本山「吉村家」で修業し、正式な直系店として独立した後、弟子を育てるため2011年に直系を離れた経歴を持つ。

現在も吉村家へのリスペクトを土台としながら、独自の家系ラーメンを追求している。
ラーメンは大量の豚ガラや鶏骨を使い、ガラを寝かせることで旨味を引き出した濃密なスープが特徴。
実食すると力強い豚骨のコクにキレのある醤油がぶつかりながら、ギリギリのところで均衡を保っている。
酒井製麺ではなく自家製麺を合わせるのも王道家ならではで、滑らかな舌触りとモチッとした弾力が印象的。
王道家が築いてきた独自の家系のスタイルを堪能できる。

ラーメン大至

湯島に構える「ラーメン大至」は、2007年7月30日オープン。
「三ツ矢堂製麺 中目黒本店」出身の店主が、濃厚豚骨魚介や二郎系など個性の強いラーメンが台頭していた時代に、あえて「普通のラーメンの最高峰」を掲げて立ち上げた一軒。
2016年に建物の建て替えで一時休業し、2017年6月22日に同じ場所で営業を再開。
基本のラーメンは、丸鶏と豚骨による動物系に昆布、椎茸、鰹節などを重ねたスープと浅草開化楼の中太麺を合わせる。
ふくよかな鶏の旨味に輪郭のある醤油が重なる、まさしく王道の東京醤油ラーメン。
海苔、ほうれん草、玉子、ナルト、チャーシュー、メンマという具材まで含めて奇をてらわず、「普通」をどこまで磨けるのかという店のコンセプトが一杯にそのまま表れている。

カレー
デリー 上野店

上野広小路から湯島にかけての一角に構える「デリー 上野店」は、1956年2月28日創業のインド・パキスタン料理店。
創業者が戦前にインド、パキスタン、スリランカで味わった料理をもとに、日本の食文化も取り入れながら独自のカレーを作り上げた。当時、日本でインドを連想しやすい地名だった「デリー」を店名に採用したという背景も持つ。
名物の「カシミールカレー」は、もともと「マドラスカレー」と名付ける予定だったものが、印刷時の手違いから現在の名称になったという逸話を持つ。
黒みを帯びたルーはとろみがほとんどなく、口当たりはさらりとしているが、数十種類のスパイスが時間差で立ち上がり、辛さの奥からコクやほのかな苦味まで現れる。
具材は大ぶりのチキンとジャガイモという潔い構成。硬めに炊いた石川県産コシヒカリの甘みが刺激を受け止め、食べ終えた後にまた思い出すような中毒性を残す。

中華
羊香味坊

御徒町駅近くの「羊香味坊」は、神田「味坊」などを展開する味坊集団による羊肉料理専門店。
中国東北地方の料理をベースに、クミンや唐辛子などの香辛料を効かせた羊肉料理を揃え、平日の昼は900〜1,000円前後のセットを中心に提供している。
ランチでは、白身魚とラム肉の出汁を合わせた魚羊麺や羊肉麺に半チャーハンを付けるセットのほか、ラム肉を油淋鶏風に仕立てた油淋羊肉丼、豚三枚肉と鴨肉丼なども選べる。
夜の羊串や炒め物とは違い、麺や丼で羊肉を気軽に味わえるのが昼の面白さ。香辛料の力強い香りと羊ならではの旨味を、1,000円前後でしっかり楽しめるランチ。

和食・とんかつ
鳥つね自然洞

湯島の老舗鶏料理店「鳥つね」の支店として1972年に開業し、1992年に独立して現在の屋号となった「鳥つね自然洞」。
昼は親子丼を中心に、比内地鶏や名古屋コーチンを使った特上親子丼、もつ入り親子丼などを揃える。
夜は丸鶏の水炊きや鳥すき焼きをコースで提供するなど、昼夜を通して鶏料理を軸に据える専門店。
実食した親子丼で印象に残ったのは、卵を固め切らない大胆な火入れ。艶やかな卵は白身と黄身を完全に混ぜず、ご飯へ染み込むほどトロトロの状態で供される。
食べ始めは卵本来のまろやかさが前面に出る一方、時間が経つにつれて丼の余熱で少しずつ凝固し、食感と味わいが変化していく。
下味を施した柔らかな鶏肉も馴染み、箸で拾うというよりサラサラとかき込める軽快さ。間違いなく美味しい親子丼を食べるならこちらへ。

とんかつ山家 上野店

御徒町駅から徒歩3分ほどの「とんかつ山家 上野店」。両国や浅草橋などに店舗を構える「いちかつ」系列で、厚みのあるとんかつを手頃な価格で提供する。
昼時には行列ができることも多く、1階のカウンターに加えて2階にはテーブル席を備える。
実食したロースかつ定食は、こんがりと揚がった衣がサクッと軽く、豚肉にはしっかりと火を通した昔ながらの仕上がり。
上野で価格を抑えながらしっかり昼食をとれるお店。

とんかつ檍のカレー屋 いっぺこっぺ 秋葉原店

末広町駅から徒歩数分にある、蒲田発祥の「とんかつ檍」が手掛けるカツカレー専門店。
卓上には複数の塩も用意され、まずはとんかつそのものを塩で楽しめる。
カツは厚みがありながら柔らかく、衣はサクッと軽い仕上がり。カレーは豚肉や野菜を煮込んだコクと穏やかなスパイス感があり、とんかつの脂や肉の旨味を邪魔せず受け止める。
カレーが前に出すぎないからこそ、最後まで主役はとんかつ。秋葉原・末広町でボリュームのあるランチを食べたいときに是非。
洋食
厳選洋食さくらい

上野広小路から湯島にかけての一角に店を構える「厳選洋食さくらい」は、2000年創業の洋食店。
オムライスやハンバーグといった馴染み深い料理を軸にしながら、素材選びからソースの仕込みまで丁寧な仕事を重ねる。なかでも特製ビーフシチューは、牛バラ肉を約3週間かけてじっくり煮込む一品。
オムライスは、ブイヨンで炊いた米・玄米・白米をブレンドしたチャップライスをふわりとした卵で包み、自家製デミグラスソースを合わせる。
具材をたっぷり盛り込んだ「さくらいサラダ」など脇を固める料理にもひと手間があり、昔ながらの洋食を踏襲しながら、素材と仕込みで一段深く掘り下げている。
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