渋谷は東京屈指の「飲食カオス地帯」だ。
ラーメン、寿司、焼肉、カレー、町中華、洋食。
ジャンルは多く、店の入れ替わりも激しい。
だからこそ、油断するとハズす。
そこで本記事では、私が実際に通った渋谷の店の中から本当に使えるランチを厳選。
味、コスパ、立地まで踏まえたリアルな渋谷ランチガイドをまとめた。
※新しい店が出れば、このリストは随時更新する。
ラーメン
はやし

2003年11月のオープンから渋谷で屈指の人気を誇るラーメン店。
店主はなんと独学。食品添加物不使用・無化調ラーメン作りに専念。
ラーメンの鬼・佐野実氏が「はやし」を称賛したことで客がつくようになる。
動物系の豊かな旨味を舌で転がすと、鼻から魚介の香りが抜けていくこのバランスが秀逸で、中細ストレート麺が持ち上げる。
チャーシューは柔らかく脂の甘みが豊かだ。余韻が何とも心地がいい。
変わったことはないが普遍的な旨味に満たされる渋谷を支える一杯。

中華麺店 喜楽

道玄坂の百軒店商店街入口に暖簾を掲げる、1952年創業の老舗中華麺店。昭和の空気を色濃く残す外観をくぐると、1階カウンターと2階テーブル席の素朴で落ち着いた空間が広がる。
名物は芳しい香りの揚げネギが入った中華麺。鶏ガラを軸にした軽やかなスープに焦がしネギの香りが重なり、昔ながらの東京中華らしい味わいを形作っている。
麺はやや太めで加水率の高い縮れ麺。しっかりとした歯応えがあり、香ばしいスープをまといながら力強く口に運ばれる。
さらにもやし麺やワンタン麺、炒飯、餃子など町中華の定番メニューも充実。
長い歴史の中で渋谷の胃袋を支えてきた理由がよく分かる。

道玄坂 マンモス

道玄坂にあるつけ麺専門店で吉祥寺の名店「えん寺」から派生した系列店。
看板メニューの「ベジポタつけ麺」は野菜をペースト状にして動物系スープと合わせる独特のスタイル。濃厚でありながら柔らかな甘みを感じ、魚介の香りが加わるスープが特徴。
麺は食券購入後に胚芽麺ともっちり麺の2種類から選択可能。胚芽麺は香ばしく風味が強く、まず麺だけでも味わえるほど個性がある。
つけ麺の新しい流れを作った系譜の味だ。

横浜家系らーめん侍 渋谷本店

井の頭線の渋谷駅の目の前という立地で、家系を求める客が絶えない人気店。
ルーツは町田の名店「町田家」でスープは豚骨の力強いコクに鶏油の香りが重なり、醤油ダレがしっかり輪郭を作る王道の家系スタイル。
濃厚ながらバランスが良く、最後まで勢いよく食べ進められるハイクオリティな家系。
麺は中太の平打ち麺で、もっちりとした食感で濃厚なスープをしっかり持ち上げ、家系らしい満足感のある一杯に仕上がっている。
渋谷で家系ラーメンを食べるなら絶対的に外せない存在。

中華
スーツァン・レストラン陳 渋谷店

セルリアンタワー東急ホテル2階に店を構え、日本に四川料理を広めた料理人・陳建一の名を冠する名店。
看板料理の「麻婆豆腐」は豆板醤や豆豉の塩味を軸にしたタイプで、甘さは控えめ。花椒の痺れと辣油の辛さが調和し、ご飯が進む王道の四川麻婆だ。
店内はホテルらしい落ち着いた空間で、広いダイニングのほか個室も完備。接待や会食など幅広いシーンで利用されることも多い。
渋谷で本格的な四川料理を味わうなら、まず名前が挙がる一軒である。

陳家私菜 渋谷店

赤坂や五反田など都内各地に展開する四川料理店「陳家私菜」の渋谷店。渋谷パルコ近くに位置し、激辛四川料理で知られる人気中華の一軒だ。
名物は「頂天石焼麻婆豆腐」。石鍋でグツグツと煮えた状態で提供され、表面を覆う赤い辣油がインパクト抜群。山椒の痺れと唐辛子の辛さが強烈で、まさに四川らしい刺激的な味わい。
豆板醤や豆豉のコクが厚く、旨味の層がしっかりしているのが特徴。豆腐は柔らかく、濃厚なタレをまとってご飯との相性も抜群だ。
渋谷で刺激的な四川麻婆豆腐を食べたいなら、まず名前が挙がる一軒だ。

矢場味仙 東京

名古屋発の人気店「矢場味仙」の東京支店。

看板メニューはもちろん「台湾ラーメン」。鶏ガラベースのスープに、粗挽きの豚ミンチ、ニラ、唐辛子、ニンニクが豪快に乗る。辛さが先に走り、そのあと旨味が追いかけてくる名古屋らしいパンチのある味わい。
特に矢場味仙はニンニクのカットがいい意味で雑でスープに溶け込むことで独特のジャンク感を生む。刺激的ながら箸が止まらない中毒系の一杯。
炒め物などの中華メニューも揃い、どの料理もニンニクが効いており人に会う前は危険だが、名古屋のソウルフードを渋谷で味わえる貴重な一軒。

長崎飯店

1975年創業、長崎ちゃんぽんと皿うどんで長く親しまれてきた老舗。再開発に伴い2023年に移転したが、今もなお昼時には行列ができる。
看板メニューである「ちゃんぽん」は長崎直送の麺を使用し、野菜、魚介、肉の旨味が溶け込んだスープは滋味深く、牡蠣やアサリなどの出汁も重なってついつい飲み進めたくなる味わい。
野菜の甘みがスープに溶け込み、全体に優しいコクを作っている。
シンプルにここのちゃんぽんはガチで美味いです。

兆楽 道玄坂店

道玄坂の老舗の町中華店で深夜まで営業しており、飲んだ後の一軒としても知られる渋谷の定番。
メニューは広東麺、焼きそば、麻婆豆腐、餃子など、王道の中華料理が並び、どれもボリューミー。価格も比較的手頃。
料理の提供はとにかくスピーディーで活気ある店内の雰囲気も含めて昔ながらの大衆中華そのもの。
味は突出した個性というより、しっかりとした濃いめの味付けで食べ応えがある。
安い、早い、濃い。けどそれでいい。

カレー
カレーショップ初恋

昭和のスナック跡地を活かしたレトロな空間のスパイスカレー専門店。
ベースはスリランカや南インドの料理を感じさせるが、単なる再現ではなく日本の出汁文化や旬の食材を取り入れた独自のスタイル。化学調味料や着色料を使わず、身体への配慮も徹底している。
名物は「初恋チキンカレー」や「スパイスラムキーマ」。数種類の副菜が彩りよく盛られ、最初はそれぞれの味を楽しみ、最後は混ぜ合わせて一体感を作るあいがけスタイル。
スパイスの香りはしっかり感じ、副菜の酸味や甘みが加わることで、食べ進めるほどに印象が変わっていく。
渋谷でスパイスカレーを食べるならまず間違いないだろう。

ムルギー

1951年創業の老舗カレー店で渋谷カレー文化を語るうえで欠かせない存在。
名物は山のように盛られたライスとサラサラのルーが特徴の「玉子入りムルギーカリー」。
円錐形のご飯を中心に、スパイスの効いた黒褐色のカレーが皿を囲む独特の盛り付け。
ルーは油分が重くなく、ほんのりとした苦味と玉ねぎや野菜の旨味が広がる大人の味。スパイスの香りが立ちつつもキレのある後味で、見た目のインパクトとは裏腹に軽快に食べ進められる。
途中でご飯の裏に隠れている紅生姜や沢庵を合わせると味の輪郭がさらに変化する唯一無二のクラシックカレー。

うどん・そば
やしま 円山町店

円山町のラブホテル街の一角にひっそりと構える手打ち讃岐うどんの名店。
都心にいながら「打ち立て・茹でたて・締めたて」の讃岐の技をまっすぐ体感できる。
麺は自家製手打ちで、約3日寝かせる三日熟成。わずかな不揃いが口当たりの表情を生み、強靭さだけで押すのではなく、しなやかな伸びと食べ心地の良さに着地するタイプ。
出汁は、いりこを軸に鰹と昆布を重ねた透明感のある関西寄りで塩分は控えめ。
粉・水・塩・技だけで勝負する、清い一軒。

香川一福ART

ビブグルマン3年連続受賞・百名店常連の実力店「香川一福」が仕掛ける創作うどんの新ブランド。

店名の「ART」通り、讃岐うどんを渋谷のカルチャー文脈で再構築する立ち位置で、カレー系に加え、グリーンカレーやラー油、肉うどんなど和洋ミックスのラインナップが並ぶ。
麺は奇数日が細麺、偶数日が太麺。
実食は「ローマ風カルボナーラうどん」。盛り付けは可愛げがあり、チーズの濃厚さと卵のコクで味はしっかり成立している。
胡椒を振ると輪郭が締まり、カルボナーラ風うどんとしての魅力がある。

肉うどん 肉めし 甚三 渋谷本店

大門や新橋などで展開する人気の「甚三」系が渋谷に進出。

肉は千葉のブランド豚「林SPF」を使用し、脂の甘みがクリアで出汁に溶けるほどコクが増す。
うどんは毎朝仕込む自家製で、コシと喉越しを両立。
「肉かけ(冷)」はいりこ出汁の輪郭と程よい塩味が立ち、冷にすることでキレが増す。
麺は表面がなめらかで舌当たりは柔らかめなのに、芯に抵抗と粘りが残る。
渋谷でさっと讃岐うどんを食べたい時に重宝できる店。

雷庵(RYAN)

手打ち蕎麦を主軸にしながら和食・ビストロ・割烹の要素を混ぜ込んだ、いわばハイブリッド蕎麦割烹の店。
店内は蕎麦屋らしからぬバー的な洗練があり、フルオープンキッチンのカウンターはライブ感が強い。
日本酒に加えてナチュラルワインも揃え、ペアリング前提で料理を組めるのがこの店の強み。
蕎麦は挽きたて・打ちたて・茹でたてを徹底し、香りと弾力で押してくるタイプ。せいろは太めで弾力が強く、蕎麦粉の渋みが立つ。
鰹つゆは濃度高めで香りを引き上げる。特におすすめなのが「ゴマダレせいろ」。香ばしくクリーミーで、確かにワインに寄せられる味覚。
価格は街の蕎麦屋より高めだが、渋谷で落ち着いて食べたい日、あるいは昼から軽く飲みも絡めたい日に大人の昼を作れる蕎麦店。

ハンバーガー
THE GREAT BURGER STAND

食べログ百名店にも選ばれる名店「THE GREAT BURGER」チームの姉妹ブランド。
アメリカ南西部のロードサイドダイナーをテーマにした開放的な空間で、天然酵母の特製バンズ×超粗挽きパティの王道アメリカン。
天井高のある店内は約40席で、テラス席もあり、英語メニューやベジ対応など使い勝手もいい。
ベーコンチーズバーガーは胡麻の香りが立つしっとり系バンズに、粗挽きで肉肉しいパティ、カリカリに焼いたスモーキーなベーコンを重ね、レタスの爽快な食感とトマトのジューシーさが全体を潤す。
単体で見ると塩味やほろ苦さが顔を出すのに、口内で合わさると不思議とまとまるバーガーの口内調理を楽しめる。
渋谷でアメリカの空気を感じられる店。

洋食
瑞兆

渋谷〜神泉の奥渋エリアの卵でとじないかつ丼の元祖的な店。
メニューは潔くかつ丼一本。一般的な玉子とじの概念をひっくり返し、揚げたてのサクサク感を残したカツを、半熟卵と甘辛ダレで絡めて食べさせるスタイル。
玉子とじでは消えるはずのサクサクっとした食感、トロッとした半熟卵が口の中で追いかけてくる。
味付けは甘辛濃いめで、ご飯を進ませる。渋谷の昼で記憶に残る一杯を。

とりかつ CHICKEN

百軒店にあるなかなかディープなカツ専門の定食屋さん。
定食は2品、3品、4品から好きなものを選択。
とんかつ、とりかつ、ハムかつ、イカフライ、アジフライ、コロッケ、メンチフライ、かにクリームなど多種から選択。
しっかりと狐色にまで揚げられたかつはサクサクで、特に店名になってるとりかつはプリプリでジューシー。

ミネバル

当初はスペインバルだったが、その後に本格的なスペイン料理店に進化した、ミシュランガイドにも掲載された人気店。
峯シェフの料理は一貫して「素材ありき」「過剰な演出をしない」という思想に貫かれている。
ランチタイムはアラカルト、おまかせランチコースなどがある。
濃厚なイカ墨とムール貝の出汁で構成された「イカ墨のパエジャ」は塩気が前に出すぎず、日本人の舌にすっと馴染むまろやかさ。
イカ墨と魚介の濃厚な旨味に、食べ進めるほどに完成度の高さを実感する一皿。
ランチで気軽にスペイン料理ならこちら。

エスニック料理
ネパリコ 渋谷店

看板メニューはネパールの国民食「ダルバート」。
ダル豆のスープ、バートは米を意味し、これにおかずの野菜カレー、肉料理、アチャール=漬物などがワンプレートで盛られた定食スタイルの料理のこと。
全体的にインド系のガッツリバターが入ったものとは異なり、スリランカ的な滋味深い料理が多い。
豆のスープも塩味はほぼ感じず、豆の柔らかい旨みを感じられる。
渋谷でもなかなかの人気店で、ネパール料理を感じてみるのも良いかも。

獅天鶏飯

シンガポール料理と中華酒場のハイブリッド的なお店。
看板料理は「海南鶏飯(ハイナンチーファン)」。低温調理でしっとりモイスチャーに仕上げた鶏肉と旨味を吸ったジャスミンライスが主役。これが旨い。
ライスはおかわり無料。ソースは3種類。
生姜のソース、甘辛のサンバルソース、甘辛醤油ソースの3種類が中毒的な美味さ。
パクチーの香りも相まってタイ料理にも通ずる重層的な香りと味わい。
めちゃヘルシーでこんなに旨いなんて女性客が多いのも頷ける。

関連記事










